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ガルクラ、ユーフォを楽しんだ方にオススメ『宇宙よりも遠い場所』【アニメ感想文】

2024年春のアニメの中で、オリジナルアニメではガールズバンドクライ、人気シリーズでは響け!ユーフォニアムの2作品が最も刺さりました。
グイグイ話に引き込まれキャラと一緒に泣き笑いしてました。
どちらもエモい!のですよ。

この2作品に共通するのがシリーズ構成・脚本・花田十輝さん。
シリーズ構成は、1クールの中でどのような話を描くか考える方。脚本はどのようなシーンでどのキャラがどんなセリフを言うか考える方。
もちろん監督さんの意向を聞いて相談しながらでしょうし、GOを出すのは監督さんですが、実際に話を作り上げてるのは花田さんと言えます。

花田さんが関わったアニメの中で、私が一番好きで、何度も見返し、(個人的に)名作認定してる作品があります。ガルクラ・ユーフォが終わってロス状態だったので、この連休中にまた見返しましたw
この作品も、ガルクラ・ユーフォと並ぶエモさ満載の作品です。

ネタバレがあります。
内容を知りたくない方は、ご覧になってからまた来てね。

宇宙よりも遠い場所

放送 2018年
制作 マッドハウス
監督 いしづかあつこ
シリーズ構成・脚本 花田十輝

宇宙と書いてそらと読みます。
4人の少女達が南極を目指す物語。
全13話で完結するTVオリジナル作品です。
毎話山場があるので一切ダレることなく、1話を楽しめたら13話までイッキに観てしまうことと思います。

高校生が南極行けるわけ無いじゃん!という周囲の声をバネに描かれる、少女達の絆の変化がエモいです。

玉木マリ(キマリ)高校2年、何かしたいけど踏み出す勇気がない主人公
小淵沢報瀬(シラセ)
高校2年、南極に行くためバイトで100万円貯めた
三宅日向(ヒナタ)
高校中退、コンビニでバイトしながら大学受験を目指す
白石結月(ユズキ)
高校1年、人気が出始めたタレント、友達がいない

新宿歌舞伎町の逃走劇

1話1話に山場があり惹かれるエピソードだらけなのですが、その中でもヒナタを描いた2つのエピソードが大好きです。
先ずは、彼女が参加を表明する第2話。

3年ぶりに民間観測隊が南極に向かうことは決まってるものの、彼女達が参加できるかわからない状態。シラセの発案で、キマリ・ヒナタの3人は、新宿歌舞伎町で開かれている親睦会に向かい男性隊員との接触を試みます。
しかし、顔バレているシラセが女性隊員に見つかり「逃げて!」というシラセの言葉をきっかけに、夜の繁華街を舞台にした大逃走劇が始まります。

なぜ逃げてるか視聴者にもわからないものの、必死の形相で逃げる3人。中でも元陸上部のヒナタが速いこと!それを追う女性隊員2人も普段から鍛えてるので負けてません。街を爆走する5人。
結局捕まってしまい、諦めるよう諭されます。

画だけでも楽しめる迫力満点の鬼ごっこは、この作品唯一のアクションシーンです。逃走中に楽しくなってきたキマリのセリフが、物語が動き出したことを表しててゾクッとします、エモい!

ざけんな!

もう一つ、ヒナタが高校を中退した経緯を3人に語る第11話。
ヒナタが納得してるならと見守るトマリとユズキ。シラセだけは納得がいかない様子。
そんな中、4人は年越しのタイミングで南極と中継を結ぶ番組に出演することになります。

放送開始10分前。中継先には、彼女達の家族のほか、ヒナタが学校をやめた原因となった陸上部の元チームメイト3人が、当時のことを謝罪しようと待ってます。

「なあ、許したらさ、楽になると思うか?」

と、横に立ってるシラセに話し掛けるヒナタ。

「許したい?」

「それで私が楽になるなならな。」
「けど、それでホッとしてるあいつらの顔を想像すると」
「腹はたつなw」

「ざけんな?」

「だな!」
「ちっちゃいなー私も・・・」

いつものように変わらず明るく振る舞おうとするも、これまで耐えて積み上げたものが崩れそうな不安に、今にも泣きだしそうなヒナタ。
それを見たシラセが一人、カメラの前に立ちます。

「悪いけど、三宅日向にもう関わらないでくれませんか?」
「あなた達は日向が学校辞めてつらくて苦しくて・・・」
「あなた達のことを恨んでると思ってたかもしれない。」
「毎日、部活のことを思い出して泣いてると思っていたかも知れない。」
「けど・・・けど・・・」

「日向はもうとっくに前を向いて、もうとっくに歩き出しているから!」
「私たちと一緒に踏み出しているから!」

「私は日向と違って性格悪いからハッキリ言う。」
「あなた達はそのまま」
「モヤモヤした気持ちを引きずって生きていきなよ!」
「人を傷つけて苦しめたんだよ!」
「そのくらい抱えて生きていきなよ!」
「それが人を傷つけた代償だよ!」
「私の友達を傷つけた代償だよ!」

「いまさら何よ!ざけんなよ!」

ヒナタが抑えてきた不安も、観てる私が感じてたモヤモヤも、シラセが全部吹き飛ばしてくれました。

勇気がなくて一歩も踏み出せなかったトマリ、
母のことしか見えてなかったシラセ、
上手くヤッてこれてると思い込んでたヒナタ、
友達がわからなかったユズキ、
この1シーンに、4人がそれぞれこの旅で掴んだものが集約されてる名場面です。
教訓も名言も含んでますが、何よりも、この4人が出会えて、南極までこれて、ホントに良かったと思います。


名シーンや名言はもっとあります。家族と友人と一緒に観て、泣いて、笑って、世代を超えて語り合える名作です。ぜひご覧ください。

ではまた、enjoy!


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