あなた、ミニマル・ミュージックっていうのね♪
音楽やってると必ず聴いてきた音楽の影響を受けてます。何からも影響を受けずゼロから産み出すとか、まぁありえません。
影響を受けたアーティストさんやジャンルはいくつもありますが、中には「◯◯さんみたいな雰囲気の・・・」のように漠然としか言い表せないものがあります。今日はこれまで言語化出来なかった「私の音楽ルーツ」のひとつを知ることが出来たというお話しです。
その音楽はミニマル・ミュージック
この名前を耳にしたのは、9/29にEテレで放送されたスイッチインタビュー「久石譲xテリー・ラリー」。譲さんが出演されてるので録画しておいたものを先の週末に観ました。対談相手のテリーさんについては申し訳ありませんが不勉強で全く存じませんでした。
お二人が音楽ルーツについて話されてた時「ミニマル・ミュージック」というキーワードが登場します。一体どんな音楽?って話ですが、そんな時のウィキペディア、的確に書いてありました。
ミニマル・ミュージックの第一人者
テリー・ラリーさんはこのジャンルの第一人者。ウィキペディアにも一番初めに名前が出てくるほどの方とは、まったく存じ上げなくて失礼しました。
番組中、テリーさんのライブ映像が流れて確信。
コレ!コレ!
私がよく口にしてる「いかにも譲さんっぽい、打ち込みフレーズ」がそこにありました。
日本の第一人者
番組の中で譲さんは、このジャンルで日本の第一人者として紹介されてました。
今上映中の宮﨑駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』のサウンドトラックは全てミニマルで作られたということです。
昔から大好きな、譲さんの『恐怖を感じる打ち込みフレーズ』が炸裂してます。これは打ち込みではなく生楽器ですけどね。昔の譲さんはシンセで作っていらしたのでついつい癖で「打ち込み」と言ってしまします。
最近はクラシック色の強い作品が多かっただけに、背中がゾワゾワするこんなアルバムを待ってました。
消化されたミニマルはどこに?
『ミニマル』という言葉はこの時まで知りませんでしたが、『いかにも譲さんみたいなやつ』として、作曲にはすでに取り入れてました。
歌モノなら部分的に。しっくり来るサブメロディーが出ない時はとりあえずコレをハメとくみたいな。
1小節ほどの短く単調なフレーズを繰り返し、これにコードをあてる。
旋律は変わってないのに、あてたコードによって明るくも悲しくも聴こえる。メロディーが無くても曲を成立させるアレンジの手癖みたいになってます。
短いフレーズを2つ以上組み合わせ変則的なグルーブを産み出す
電子音楽界隈でいうと、YMOさんは微妙なタイミングのずれ(音符に書けないスィング)によってグルーブを生み出していらっしゃいました。
一方、譲さんは、1小節1サイクルのフレーズと2小節1サイクルのフレーズを重ねることでグルーブを作り出してます。
他にも、4連フレーズと6連フレーズを重ねたり、違うフレーズを1小節ごと交互に鳴らしてるところに2小節のフレーズを重ねたりと、バリエーションは無限に広がります。
アルペジオと違う?
「このアルペジオいいね」と言われて、これはアルペジオだと思ってた時期もありました。が、やはり違和感があって別物として扱ってきました。
アルペジオはコードトーンを一音ずつ弾いたもの、ミニマルは単音の積み重ねという成り立ちの違いはあるとして、意識としては、フレーズ単体で明るいとか暗いとか表情があるものをアルペジオ、フレーズ単体で表情を持たない無機質に感じるものがミニマルって区別しました。
これって厳密な線引きがあるのか無いのか?そのうち知る機会があるかもしれません。
名前を知ったからといって作曲に大きな変化はないでしょうけど、似た曲をさがす時に『譲さんみたいな打ち込みフレーズ』ではなく『ミニマル・ミュージック』で検索できるので少し便利にはなりそうです。
今日はこの辺で、enjpy♪