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防音職人の相談業務の方針

2年前から、東京・神奈川方面の現場は、提携先の建築会社(地元)の建築士に調査・工事見積・施工管理などを任せています。

私の方は年齢や持病のリスクがあり現場には余程のことがない限り出向くことはなく、テレワークの後方支援に徹しています。毎年、12月から2月は体調管理の制約から業務時間をセーブしていますが、今年度は無理が出て、明日から別の治療を受けることになりました。なので、契約の見込みのない案件は、申し訳ないのですが辞退せていただいています。

私の防音相談の方針は、「出来ることと、出来ないことを明確に最初の段階で明示する」ことです。甘い期待や過剰な要望は最初の段階から排除して、確実な防音効果やリスク回避を重視します。木造の軸組在来工法であれば、他の専門業者よりも実績も経験もありますので、多少の難しい条件はクリアしてきました。

ですが、相談者の過剰な要望については、無理にお受けすることはなく、可否を出来るだけ早く判断してお伝えすることにしています。今日も電話の問合せがありましたが、状況から見て相当リスクが有ることと、東京には実現方策を提案できる業者は殆ど存在していないことを伝えました。無駄な費用や相談者がいい加減な専門業者に騙されるのを防ぐためです。

約40年の建築経験と約28年の防音設計実務によってアドバイス

大学の研究室・会社勤め時代を加えた実務経験と研究活動によって、木造やマンションであれば、問題点や対策方針を分析して提案することができます。

地方の案件では音楽ホールなどコンクリート・鉄骨構造の施設の防音設計の経験もありますが、得意な分野は木造とマンションです。木造の音楽室・防音室だけでなく、新築住宅の生活防音についても、地方や遠方の現場ではテレワークによる完成実績があります。

昨年は、マンションの防音工事の設計もご契約をいくつかいただき、1件が完成しました。今年の春にはもう1件が着工します。木造の防音室・音楽室については、建築士から直接ご契約をいただいて継続中です。施主からご予約をいただいた件は、すべて東京都内ですが、私の事情を了解していただき「すべてテレワークで納品する」ことで見積調整中です。

基本的に木造軸組在来工法がピアノなど楽器にはマッチすることは、プロの音楽や自分の担当案件で証明されていますので、今後も在来工法の案件に取組みます。(※ツーバイ工法はリフォーム対応の難しさや共振しやすい特性が大きな制約になっています)

今まで問題を起こしている専門業者や市販品メーカーの情報も沢山持っていますので、正式なご予約をいただいた信頼できる人には内密に教えています。それはリスクを回避するためです。セカンドオピニオン的なコンサルティング業務においても、アドバイスできます。

相談業務は性別や案件別に特徴がある

戸建や木造の防音室については、性別による差異は見られませんが、契約者が男性(ご主人など)でも、判断して決めるのは女性が多いのが、私の相談業務の特徴です。

このブログでも紹介している音楽教室の施主はご主人(男性)でしたが、完成したあとで、ピアニストである奥様から「私が防音職人への依頼を決めたんです。」と言われるなど(笑)、このような事例が近年増えてきたのは、私は正直に嬉しいです。

なので、先日も別件で、ご主人(施主)から電話とメールでご相談いただいた時に、音楽室を主に使用される奥様の意向を尊重して、じっくり相談されることをお勧めしました。そして、楽器を搬入する出入り口の確認と床下の構造などを調べていただくように要望しました。

一方、マンション案件は、ここ5年間でご契約いただいたのは、女性のみです。地方でも東京・神奈川でも同じです。

男性のマンション居住者の多くは、物理的な難しさと金額の見込みを伝えると返事もなく、そのまま消えてしまうのが大半。返事があっても金額的に無理だというだけで、有料相談で問題点を分析しようという気持ちもないようです。要するにメールの文面や電話の口頭で見込みがあるかどうかを聞くだけで判断しようとします。

女性は、まず具体的な情報をご提供いただき、まずは有料相談で可能性を探る業務から始まります。それは、分析するだけで、それなりの日数がかかることをご理解いただけることが多く、有料相談で可能性があれば、概算見積に移り、提携先の建築士が現場を確認するという流れです。

地方の件は、ご契約をいただいて、防音施工の説明図を地元の工務店でも施工できるように作ります。そうしないと、施工業者には実現可能性や見積も検討できないからです。

提携先など仕事仲間や知人にも、驚かれますが、「マンションは女性の相談者だけ対応したらどうか?」と皆さんが、そう言います。

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