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新築木造住宅の防音相談

昨年から新築の木造住宅の防音相談が増えてきました。東京・神奈川方面の案件の復調も新築が支えています。大半が「近所や車騒音の生活防音」「音楽防音室(仕事場の遮音対策を含む)」です。

一方で、木造共同住宅(アパートなど)や自宅の生活防音を目的とした防音リフォームは大半が延期又は保留になりました。これは、昨年(2020年)からの緊急事態や予算縮小化が大きく影響していると思います。

新築現場では、職人と施主が殆ど直接接触することはなく、代表の窓口の担当者と施主が個別に打合せするだけで進めるためです。感染リスクが小さいのです。このため、現在の木材不足と資材高騰以外での現場遅延は、私の関係では起きていません。

新築案件は提案書(防音計画)づくりが重要

新築の木造住宅において、完成後に防音工事を行うことは無駄が多く、費用も嵩みます。私の提案では、新築業者が出来る限り竣工前に施工できるように防音計画を立案して、施主と施工業者に提示しています。

ただし、予算不足で無理な内容は、楽器の防音室の場合は、施主のDIYや追加施工が出来るように、最初の計画の段階で考慮します。

とくにツーバイ工法の木造住宅は、完成後の改造は非常に難しく、床を解体して防音施工をすると壁が歪んだり、新築業者の10年保証はダメになります。その前に普通は新築業者が反対します。プラットフォーム工法の建物は床と壁を解体して分離しながら防音工事を行うことは大きなリスクがあり、私はそのような提案はしません。

最初から、防音計画の中に段階的な対策を想定して、新築設計や新築工事に反映させるようにアドバイスします。

併用型の新築住宅が増えている

音楽や音を出す仕事(工作室など)をしている施主または設計を担当している建築士からの防音相談が増えています。趣味の音楽室も増えています。

要するに自宅に仕事場や防音室を併設する案件が、数年前から増えました。

ご近所との関係を考慮して、新築の段階から出来る限りの防音工事をしておきたいというご要望です。

自宅で仕事をする部屋(ピアノなど音楽教室を含む)を新築住宅に併設することは、これからは当たり前になっていくのかと思います。

このような案件は、モデルルームでは検証できないので、今までの実績が決め手になると思います。知人建築士(騒音調査と防音設計・製品開発)は、新築の防音設計を依頼されることが減ったと言いますが、それは彼のホームページに実績・実例が明記されていないからです。

ネットで検索する施主のかたは、実例や実績が掲載されていて、質問内容に的確に答えてくれるかで判断すると思います。

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