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簡単なDIYで音響調整したピアノ教室

この事例は、私が基本的な防音設計を担当した新築木造住宅に併設したピアノ教室です。(木造のピアノ防音室)

数年前に防音相談をお受けしてから、新築の概成段階までサポートしていました。ご予算が足りなくて、全てをトータルでお受けできなかったのですが、新築業者が誠実さがなく、ミスが多くて、床の構造を当初の計画通りに出来ませんでした。

電話で、工事監督にもかなり怒って注意したのですが、無理やり床にカーペットを敷くところまでで完了としました。床の防振対策は殆ど出来なかったのです。

施主にも予算が甘かったという責任はあるのですが、何回も私の仕事場に打合せに来られて、仲良くなってしまい(笑)、ついサービスで音響対策までサポートしました。女性に弱いというか、自分もお金がないので、事情は理解していました。

この依頼者のご主人が、私の好きなグランドピアノ「ペトロフ」の工房で働いている職人さんだったのです。ピアノの話に夢中になり、音響まで対策を追加で考えました。

開業されたピアノ教室の音響状況

電話とメールで詳しく音響の状況をヒアリングしたところ、床の共振が有る、壁と床の反射音が少し強くて、耳が疲れるということでした。

費用がないので、DIYで少しずつ試して調整する方法にしました。

特注の制振フェルトを5枚注文して、約20センチ角にカットして、二重に張り合わせたものを3枚作製。(グランドピアノの脚の下に挟む)

そして、残りの4枚で二枚重ねたものを吸音パネルとして壁に立て掛けて最適化しました。

ちょうどピッタリ、注文した資材で音響が良くなり、無事にピアノ教室がスタート出来ました。

制振フェルトは特注品

上記の制振フェルトは、PETウールの高密度に成形したもので、リサイクル素材で出来ています。復元性と耐久性が優れており、私の室内では約26年間劣化していません。

一部の取引先にもメーカーを紹介していますが、基本的に期間限定の特注品です。いつまで生産を続けるかは未定です。というのは、東京の下町の金型産業と同じく、後継者が居ないのです。一代限りでおしまいです。

後継品は確保してますが、単価が2倍になるので、まだ切り替えずに併用しています。最近、私の資材が一番安いことを知ったユーザーから注文が増えるようになりましたが、宣伝はしていません(笑)。

私が販売する気がないからです。生産枚数が私の割当分が限定されているので、多量注文は1か月前の予約が必要なので、販売事業として成立しません。本来は、私の木造音楽室などの現場に支給する製品です。

ですが、ユーザーの評判は良く、使いやすいのでDIY向きです。

完成したピアノ教室の音響調整程度ならDIYで簡単に出来ます。

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