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断面施工図を用意しない建築会社

最近の建築会社は、新築およびリフォームにおいて、木造建物の着工前に施工図を用意していない会社が多く、断面詳細が不明なため、大半を想定で私が先に防音設計の説明図を作ることになります。

私から言わせれば、はっきり言って手抜きです。住宅の生活防音や木造の音楽室の断面図がない状態では、詳細を検討するのが大変です。

しかも、施工手順を全く考えないで、着工してから、私に質問するような建築業者が増えています。
私の方は防音施工の指示書を先に渡しているにも関わらずです。いったい担当の建築士は何を考えているのか分かりません・笑。

なので、困った現場の職人や監督が、私の方に問合せて来ることがあります・笑。それは現場担当の建築士の仕事ですよ。建築士が現場監督と相談して調整すべき事項です。

提携先の建築士がよく言うのですが、最近の建築士は現場を知らないので、詳しい図面を用意していないことが多いようです。

防音設計や防音工事には、全体の新築又はリフォームの設計図に対応した矩計図というものが、本来は不可欠です。

施工図がないとき職人はどうするか

大半の場合は、現場施工の監督が、私に聞きながら自分で手書きで施工図を部分的に作るようです。

手順としては、かなり遅いわけですが、それでも質問してくる現場監督はマシです。黙ってわからないまま勝手に施工する業者もいます。
こういう経験を踏まえて、施主には音楽室など重要な部屋の記録写真を撮影するようにアドバイスします。

相見積りで金額を優先して安い建築会社に依頼すると、現場のレベルが落ちます。

今までの経験では、まともな現場の監督は、不明な点はすぐに質問してきます。彼らは私の図面は分かりやすいといいます。
それは、断面の防音施工説明図を納品しているからです。
建築設計の施工図がない場合でも、私の図面をもとに理解できるわけです。

木造建物の現場担当の建築士のレベル低下

若い建築士の場合、木造建物の施工図を用意しないことがあるようです。大半が現場の職人や監督に作ってもらうからだと思います。
自分でちゃんと現場チェックしていない建築士が増えていると、提携先の建築士が言います。

提携先の建築士は未だ30代ですが、入社したときから、現場で施工を手伝ったり、現場監理をさせられたと聞きました。それは会社の社長の方針で、特に木造建物は現場経験がないと設計だけでなく現場監理業務が、まともに出来ないという事を知っているからです。

たぶん、現場経験が足りない若い建築士は、現場チェックしても問題を理解できないのだと思います。
それと、大学の建築学科が木造建築の授業を重視していないので、基本的な事を知らないまま、社会に出ていくためと考えられます。
*私の母校もそうでした。なので、会社の業務以外の専門書を自費で購入して独学で知識を増やすしかなかった。

私の約40年間の都市計画・建築計画業務を振り返ると、若い建築士を選ぶなら、木造建物に関しては二級建築士のほうが有能ですね。私の防音設計業務とは相性が良いです。
*二級建築士は木造建物の専門家です。

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