音響・防音設計の来年(2022年)への取組み
会社勤め時代から通算して、防音設計の研究と実践としての取組は、延べ28年間を超えました。
同業者の中では、現実的な木造音楽室の防音設計及び工事(施工要領・サポートなど)の実施件数と経験則のストックは、ネットと書籍など資料で検索する限り、日本では先頭を走るようになりました。
追う立場から追われる位置になり、さらなるバージョンアップを行うには、新しい事例を検証する必要があります。
着目しているのは、国産材(間伐材・再生材を含む)と施工要領の確立です。専門的な防音材については、ほぼ検証が終わり、これからは相乗効果と国産材のフル活用の段階になりました。
ウッドショックを契機に国産材と防音材の相乗効果を高める取組みへ
国産材には、広葉樹と針葉樹があるわけですが、基本的に針葉樹のほうが柔らかく音を吸収します。
私の防音設計では、針葉樹と軟質シージングボードを多用します。比較的薄い構造でも、音を適度に減衰させて、防音材で遮音するというシステムです。これを費用対効果と施工効率を高めながら、音響・防音効果を向上させることが目標です。
一部の防音材は国外で生産される樹脂を混合して加工されますが、これを除けば、私の使用する建材と防音材は、ほぼ100%近く国産です。
ここまでの設計仕様にたどり着くのに、約20年かかりました。
大半の事例は独立開業してからの現場であり、提携先や契約者の協力を得て分析してきました。ときには、私の経費を犠牲にして、研究のために防音工事などを実践しました。
目標は木造音楽室と木造防音室(ワークスペースを含む)
物件としては、施主(依頼者)が永く使用することが前提の所有建物(新築・リフォーム)が主な対象になります。
賃貸は自由度がなく、私の防音設計を生かすことが難しいので、依頼者が併用して居住される建物に限定します。
主な目標はピアノ・ヴァイオリンなど木造楽器防音室、音楽教室のほか、ご自宅に併設する木造ワークスペースになります。
昨年からの緊急事態や在宅勤務の増加傾向、所有物件における音楽教室の需要増を踏まえて、マッチする音響・防音設計に集中したいと考えています。
東京・神奈川及び周辺地域における防音工事(リフォーム含む)については、提携先が担当し、地方など遠方の現場は私が単独でテレワークで対応する仕事になります。
最初の段階は、防音相談というコンサルティング業務が中心になり、工事契約の段階では詳細な防音設計・工事サポートの業務になります。
新築計画から防音リフォームまで、段階的な提案も可能です。
国産材の可能性
木造音楽室に不可欠な国産無垢材、シージングボード、軸組木材のうち、フローリングは国産針葉樹、軟質シージング板は再生材(間伐材を含む)になります。
羽目板も次第に国産材が増えていくと思いますが、値段が高いので、予算的に余裕のある案件に限定されると思います。
また、北海道・東北方面では木材の再生材を活用したウッドファイバーが増えていますので、これを検証して、費用対効果が良ければ東京方面でも採用したいと思います。
私の現在の主力国産材による製品は、軸組の構造材以外では、構造用合板と軟質シージング板になります。特に、軸組在来工法の木造音楽室に最適な製品を選びました。
*問合せページ:防音相談
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