二重人格履歴書
「履歴書は持ってきてくださいましたか」
「はい!こちらに!」
青年が勢いよく履歴書を手渡す。
「ありがとうございます。では、拝見いたしますね」
「はい!よろしくお願いします!」
採用担当が目を通す。
「この『コウジ』さんはどのような性格の方ですか?」
「はい!『コウジ』は僕が子供の時の人格ですね!
正義感の強い性格で、今は自分の一部になっています!」
「ありがとうございます。では『マイケル』さんはどのような?」
「分かりません……履歴書で初めて見た人格で……」
二重人格履歴書。指定の場所に両手を置くと、その人の人格を表示する。
「『マイケル』さんは、どう言った方なのですか?」
「履歴書には、歌とダンスが上手いとは書いていますが……」
「そうですか、では『マイケル』さんが現れても大丈夫ですね」
「ポゥッ!」
「ちょっと!?どうしたんですか!?」
「アゥッ!」
「もしかして『マイケル』さん!?」
「Yes」
「これ困ったぞ、呼び覚ましてしまった」
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