マック・デマルコという人
「好きな音楽は?」「どんなアーティスト聴くの?」と聞かれると、たくさんありすぎていつも回答に困る。最近ちゃんと用意してるのは、「60,70年代サマーオブラブの音楽と、あと田舎くさいブルース」。けど正直、90年代のオルタナも好きだし、ソウル、ファンク、レゲエから日本のフォークも、、なんなら最近はジャズにハマってるんですよねー、、なんて。結局いつも、モゴモゴと口をごまかしながらやりすごしてしまう。
しかしながら、音楽の素晴らしさを前提としたうえで「人として好きなミュージシャンは誰?」と質問されたら、僕は迷わず「マック・デマルコ」と即答するだろう。それほど、彼は僕の中で他の誰よりも愛すべき特別なアーティストなのだ。なぜこんなにもこの男に夢中になってしまうのだろうか。
彼は大体いつもヨレヨレのダサい服を着ている。すきっ歯だし、青髭すごいし、タバコラブソングを書いちゃうくらいのどうしようもないヘビースモーカーである。性格はといえば、クラスに1人はいるムードメーカーみたいな感じ。ユーモアに富んだ言動にみんなが面白がる、鈍感で、でもどこか憎めないやつ。
しかしながら、そんなわかりやすいキャラクターとは対照的に、彼の歌う歌はどこまでも繊細で暗く、切ない。言語化できないあの瞬間のあの寂しさ、悲しさ、といったやつを、浮遊するサウンドと持ち前のハスキーボイスでさらっと歌い、最後には「go easy(気楽に行こう)」と隣から肩を組んで一緒に朝を迎えてくれる。なんて美しく、丁寧に僕らの記憶を肯定してくれる音楽なんだろう。
結局のところ、多分僕は根本的にこういう人が好きなのだ。家では人と同じように、もしくは人以上に、全てに傷ついていて、疲れていて、それでも外に出れば、いつも程よいテンションで場を和ませ、隣のやつを励まし、時には鈍感に人にものを言ってくれたりもする。マックデマルコは、そんな、愛すべき旧友のような存在なのかもしれない。
最後に一つ。もしここまで読んでくれたうえで、彼の音楽をまだ聴いたことがない読者の方がいれば、僕の個人的な好みで選んだ必聴のプレイリストを作ったので、URLをタップしてぜひ聴いてみて欲しい。Apple Musicユーザーでない方は、収録ナンバーを見ながら作って聴いてみてね。
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https://music.apple.com/jp/playlist/mac-demarco-my-kind-of-man/pl.u-4Joml7BCa3ooWD8