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2023年4月2日の「オンガク イツマデモツヅク オンガク」

今日(4月2日)は衝撃的な訃報が舞い込んできた。

坂本龍一が死去したのだ。

これを聞いて、只々、動揺した。足ががくがくと震えた。

ついさっきまで『B-2 UNIT』や『NEO GEO』を聴いたり、教授の曲をピアノで弾いたりしていたのに、全部嘘みたい。そんなことを思ってしまうほど精神が錯乱した。

今日は本当の音楽を感じた日でもあった。

午後8時、僕は頭痛にうなされていた。今までないような痛み。「頭が割れるような」とはこのことだなと思った。

無音で苦しむのもつらいなと思い、何かCDをかけることにした。選んだのは福間創『this is our music』。福間さんは去年初めに死去したミュージシャンだったが、それを踏まえて〈CD ▶〉のボタンを押した。

押す最中にも襲ってくる頭痛。急いでベッドに横たわると、音楽で痛みを紛らわせた。

3トラック目の「__________________conversation piece」に差し掛かった。このCDの中で一番好きな楽曲だ。

シンセ、シンセ、電子音、効果音、環境音、シンセ――――――――こんな美しい音に、僕は魅了された。頭痛のことなど意識していなかった。

暗室のなか目を開いた。目が慣れて多少部屋が見える。黒の世界。『this is our music』のジャケットも黒基調である。和音と高音、低音がハーモニーを奏でる。痛みさえ心地よく、作品の一部とさえ思えてきた。

脳内で長期記憶を記録するテープが回っている感覚がした。僕はこの瞬間を忘れない。そう心に決めた。

この記憶を心に留めながら眠りについた。それは、つかの間の安寧だった。

ドア越しにいる親の声で目が覚めた。「坂本が……」「教授が……」と途切れ途切れに聞こえる。なんのことだろう。そう思いスマホをつけ、twitterのタイムラインを開く。ニュース記事のツイートが見える。

〈坂本龍一 死去 71歳 「YMO」「世界のサカモト」〉

時刻は9時50分ぐらいだった。信じられなかったが、次第にその文面の意味を理解した。

apple musicを開き、「千のナイフ」「THE END OF ASIA」などを聴きあさった。今できる弔いはそれしかないと思った。この記憶を美しい音楽で埋めないと。悲しんではいけない。そう感じヘッドホンから発される音をひたすら聞いた。

今日は教授のこの歌詞が沁みる。

僕には始めと終わりがあるんだ
こうして 長い間 空を見ている
音楽 いつまでも続く音楽
踊っている僕を君はみている

ballet mécanique アルバム『未来派野郎』より

坂本教授、ありがとうございました。深夜に乱筆乱文失礼しました。

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