【 神は細部に宿る 】 大沢伸一氏のハイハット使い FirE♯629
私がDJをしていたとき、大沢伸一氏の曲を流しまくっていたら、
本人が打ち合わせでフロアに来られていて、「俺に対する営業か?」と言われていたようです。笑
それくらい好きなアーティストで、何度聴いたかわからない曲がたくさん。
その中からいくつか紹介し、素晴らしさを伝えたい!
【 Mondo Grosso 】
■ MONDO GROSSO
『LIFE feat.bird』
birdをフィーチャーしたこの曲が、誰もが聴いたことあるのではないでしょうか?
僕もクラブでよくプレイしていました。
ポップ且つ、しっかりクラブミュージックとして存在してる名曲です。
【 Shinichi Osawa 】
Shinichi Osawaとして完全にソロでの活動は、エレクトロとロックの融合がテーマにあるようです。
それが体現され、私が最も推したいアルバムが「The One」です。
このアルバムは、日本でようやくエレクトロな音楽の要素がJ-popにも、入ってきた時代のもっと前に発表されています。
その中からいくつか紹介します。
■ Star Guitar
アルバムの1曲目です。
クリーンな音色なギターと、ディストーションの聴いたギター(風)の音色が織りまざる曲です。
このギターの音色は、生音ではなくシンセサイザーで作られ、キーボードまたは、エディターで配置された音です。
そのため、本来の生楽器の奏法とは異なり、ピッキングの”裏”がないのです。
通常の演奏は、
”ジャン・ジャカ ジャン・ジャカ ジャン・ジャカ”ですが、
キーボード作ると、"ジャン・ジャン・ジャン・ジャン"という音になりますす。
これがStar Guitarなのかも。
■ Electro 411
3曲目は、私が死ぬ前に聴きたい曲1位のElectro 411です。
この聴きながら死にたい。
この曲は、実は大きく分けると、2つの音のパーツが、音色を変えながら進んでいく構成なのです。
イントロのロボットの声のようなサンプリングのパターンの音が徐々に他の音色に変わっていく、クラシックミュージックと似た作り方です。
それにメリハリを効かせるのが、スネアとハイハットの使い方です。
大沢伸一氏の曲は、スネアとハイハットの使い方が特徴的です。曲聞けば、すぐに聞き分けられる程です。
小節終わりのスネアを数発刻んできます。この曲で特によくわかるのは、2:07〜2:14あたりです。
上音に合わせて、スネアが刻まれて、その後、ドラム系の音がなくなり、一つの音色が解放されます。
この解放前に、音が多いほど、その後の開放感が上がります。
この曲リミックスもあるのすが、これもまたええんです。
■ Electro 411 (Lies in disguise remix)
原曲をよりスムーズにしたイメージです。
スムーズな印象を与えるのは、音色にリバーブが少し効いているのと、
ハイハットの入れ方なのです。
この曲は、ハイハットが、裏に2発入っています。
イメージでいうと、"ドン ツ ツ・ドン ツ ツ"です。
この"ツ ツ"が入るだけで疾走感が生まれます。
原曲は、この"ツ ツ"の音が、変則的に入っているのと、スネアの音色が、”バシッ”と、着地するような音なので、疾走感よりも、ガシと刻んでいくような印象になるのでした。
■ OUR SONG feat.難波 章浩(Hi-STANDARD)
この曲は、ハイスタの難波 章浩氏がボーカルを担当しています。
そんなパンクロックな音楽でありながら、コンセプトは崩れず、エレクトロをベースとしたロックです。
ギターの音色は、Star Guitar同様です。
この曲でも、ハイハットと、スネアの使い方を聞いてみましょう。
大沢氏の味が出まくりです。
■ The Golden
ファンキーなエレクトロロックと私は位置付けています。
ボイスサンプリングの使い方が、効いているんです。
この曲もハイハットの使い方がポイントです。
曲調の変わる1:00までは、キックの上にハットが乗っています。
これで、より四つ打ちが強調され、疾走感は消され、刻まれるようなビートになります。
1:00からハイハットは、キックの上と、裏と8回入ります。
1:11からは、ハイハットは完全にキックの裏のみ4回に入ります。
聴き比べると、ハイハットの位置でこんなに曲の疾走感が変わるかと思うほどに効果があるものです。
音楽を聴くときに、このようんなとこを聞くと面白いものです。
【 リミックスワーク 】
大沢氏は、世界のアーティストのリミックスも手がけます。
■ DISNEYLAND
Main Street Electrical Parade
エレクトリカルパレードのエレクトロミックスです。
ネタものというやつですね。
これを聞くと、原曲を知っている分、大沢氏の色や、音の特徴がよくわかります。
ちなみのこのレコードは2000枚限定でした。
うちの玄関にも飾っています。
ジャケットがこんな風になっています。
黒い部分を温めると、ミッキーとが出てきます。
レコードはこういう楽しさもあります。
■ The Subs
Papillon (Shinichi Osawa Remix) ·
大沢氏のリミックスの中で、この曲が一番好きかもな一曲。
よーくきてみてください。
Electro 411で紹介した、曲の作り方と同様です。
2つの音のパーツの、音色が変わっていき、追加されていきます。
その音色の変化、追加は、音域が被らないところで展開されていくでの、音の厚みが増していくことになります。
そして、ここでもハイハットとスネアの使いかたに注目です。
特に、ハイハットは、1:15から、裏に2発強調されて入ってくるのですが、
1:22からは、2発が繋がるように伸びるのです。
こういう細かいこだわりが、「神は細部に宿る」というやつだと思うのです。
この細部の音は、「聞こえる」というよりは、「感じる」ところになります。
「なんか気持ちいい」は、こういったところから生まれます。
【 RHYME SO 】
大沢氏の最新のプロジェクトです。
RHYMEという情勢ボーカルとのユニットです。
■ RHYME SO
Fashion Blogger
この曲のテーマ、カリスマドットコムのいつか(メリヤス) を思わせるなぁと感じます。
ぜひ、いつかちゃんの曲も聴いてほしいですね。
曲のイメージは、進化していますが、ハイハットをお聞きください。
伸一節は顕在です。
■ RHYME SO
HOT
■ RHYME SO
POSEABLE
【 まとめ 】
大沢伸一氏の音楽のついて書きました。
「神は細部に宿る」の細部として、ハイハットの使い方を取り上げましたが、
聞こえるものだけが音ではないようです。
それは、聞こえていると認知していなくても、感じているものでありました。
これぞ、「気持ちいい」音楽なのでした。