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映像音響スタッフ役職名鑑

Twitterや色々な所で、この職業になるには?
役職名は?みたいな話が散見することが多々あるのですが、
個人的には「それは違う!」って多方面から突っ込まれそうで、諦めていた話題なんですが、逃げ回っても良いことないな。と言うことで、書いて見ることにしました。
異論反論大歓迎です。むしろその方が業界全体の姿が見えてくるのではないかな?っと思っています。
重ね重ね言いますが、どこの公式見解でもないです、単に私が見聞きしてきた中での役職名、職域です。
見ていただければ分かりますが、まあブレッブレですので・・・。

実写映画の場合


【録音技師】もしくは単に【録音】【音響】
映画の音の部門責任者と言えると思います。
この人を長にした部門を撮影現場では「録音部」と呼称します。
現場で台詞収録のレコーダーで録音する事が主の役割ですが。単に現場でレコーダーを扱って録音すると言うよりも、監督の思ってる発想を音でどう具現化するかという事に重きが置かれてる気がします。
その上での機材選定、環境設定が主たる仕事な気がします。
多くの場合は現場で録音助手から初めて最終形として録音技師になるパターンが多いので、経験が豊富で引き出しが多いので、トラブル対応ができる人って感じです。

同じ名前でも職域は大きくすると2分していまして、
撮影現場での録音だけをする人。
撮影現場から最終のMIX(DB)まで最後まで関わる人。
ただ、これは座組みの問題や監督の意向などで変わるため、
本人の資質とは限らないと思います。映画の場合後者の最終仕上げまで関わる人が多いです。

「現場録音しかしません!録音技師です!」って言う人は少ない気がします
「現場録音している録音の〇〇です」って言うのはわかる
逆に現場録音しない人は録音技師とは名乗らないですね・・・。
私のそれほど多くない人脈の中でも様々な人がいますね。
(まとめられるか不安になってきた)
◯フリーランスもしくは少数のチームに所属している方が多い印象です。◯

【録音助手】
昔は十把一絡げに録音部の助手は録音助手だったと思うんですが、私が今「録音助手の〇〇です」
って自己紹介する人と出会ったら、
「撮影現場でのチーフかマイクマン(BOOMER)かそれを目指している人な んだな」と思います。
(本人が将来どのような志向を持ってるかは別で)

ただし、基本的には将来【録音技師】を目指している人が大多数なので、
この人たちが仕上げをできる環境を整える予算的な確保も、
一つの大切なことだと思います。
以下現場での【録音助手】の職域として
【録音助手チーフ】もしくは単に【チーフ】
俳優部へのワイヤレスを取り付ける段取り、各種交渉、ブームオペレーターの把握。マルチになんでもこなす前線指揮官みたいな感じですね。
【録音助手セカンド】もしくは単に【セカンド】
主にマイクブームを扱う人です。
ガンマイクのオペレーションは映画全体の音響にとってとても重要で、
これの良し悪しで全体のクオリティーが変わります。
【録音助手サード】もしくは単に【サード】
準マイクブームオペレーター
2本目のマイクが出ると登場します。

【フォース】
【サード】のサポート的立場
予算的に一番削れる部分ですね。いやまじ勘弁

とありますが、【録音技師】+【チーフ】のみ場合もあったりと。
これはもうプロジェクト次第ですね。
チーフ、セカンド、サードなどは、職域というか録音部の立場上の呼称であって、エンドロールでは【録音助手】と纏まってることが多い気がします。
撮影現場外ではアフレコ(ADR*)のマイクブームオペレーターとして呼ばれたりもします。

*ADR Automated Dialogue Replacementの略
アフレコは After Recordingから来た和製英語ARともいう
和製英語なので英語圏では通じない

【録音応援】
ちょと脇道にそれますが、スポット参戦の録音部のことをこのようにクレジットします。

【整音】もしくは【整音技師】
これは広い意味では録音部なのですが、撮影現場にはいかず、スタジオ、ステージで音仕上げのダビング*時にミキサー卓の前に座ってる人を指します。
現場で録ってきた音を、様々に調整して最終的に完成品へと導きます。
多くの映画に関してはこの部分を【録音技師】の人が担うので、
エンドロールにクレジットがなかったら、【録音】の人が最後まで仕上げたんだな。と思って良いです。
音の仕上げの為のADRの収録も担います。
映画の場合この役の人が最終的に台詞音楽の両方の音量コントロールをすることが多いです。
ハリウッド的表記するなら
Re-recording mixerです。日本の職域はちょっとちがう気がしますが…

◯フリーランス、スタジオ所属の社員どちらにもいらっしゃいます。◯

ちなみにデジタルシネマ全盛で消えつつありますが、フィルム時代に必ず存在した【光学リレコ】
という役職は、
フィルムネガに光学録音する人の事です。
通常、空気振動を電気、そしてデジタル処理する昨今において、化学知識を音に落とし込む、これまたかなり特殊な役職です。扱ってるのは同じ音なのに、少し他の方とは見えてる世界が違う気がします。

*ダビング
実写映画の場合最終のMix作業をダビングといい、作業する場所をダビングステージ、ダビングルームといいます。
アニメ、吹き替えの場合も歴史的にDB(ダビング)という用語を使う方が多い印象です。

【整音助手】もしくは本文参照・・・。
【録音】の人が整音する場合、【整音】がいる場合を問わず、
スタジオのオペレーター、もしくは別の人間が整音をサポートすることになります。この際【整音助手】という役職がクレジットされることになりますが、この職域は本当に様々で実際にProtoolsを使って整音をサポートする局面もありますし、単にスタジオの管理人だけだったりします。
ですので、
【ダイアログエディター】【スタジオエンジニア】だったり【スタジオオペレーター】【ダビング助手】【仕上げ助手】【アフレコ助手】だったり、呼び方は様々、内容も様々。
私も「クレジットの名前はどうしたらいいですか?」と散々聞かれました。

【音響効果】もしくは単に【効果】
映画音響において台詞、音楽、以外は基本的には【音響効果】の仕事です。
音響効果と一口に言っても、
アンビエンス、アトモス、ノイズ、と言った環境音(空間音)
シンセやライブラリーを使用したHfx(ハードエフエックス)
足音(FootStep)、衣擦れ(Cloth)、持ち上げたコップや銃のハンドリング音などの小物(Prop)を編集後の映像にアフレコしていくFoley(EAR や 生 ともいう)
これが全部混じってきますので、扱う物量は激しく多いです。
多くの場合には一人の人間が(一部Foleyは手伝いが必要ですが)
効果音全体を構築することになります。
ただし、最近は集団的に、それぞれパート分けを行って作ってる人もいます。
スタジオワークとは別で撮影現場での効果音収録や、現場でのFoley収録なども行います。
◯フリーランス、もしくは自ら会社経営をされている方が多い印象です◯

【音響効果助手】
上記技師さんのサポートです。様々な事を吸収して将来は【音響効果技師】を目指します。後述する【FoleyArtist】【Foley mixer】【Foley Editor】を兼ねている場合が多いと思います。

【FoleyArtist】
上記の効果音の特にFoleyの部分を専門に扱う人、主としては実際に「体を使って音を演じる人」の事をいいます。映画のエンドロールでクレジットされる時は複数人であることが多いです。
包括される場合もありますが、他には
【Foley mixer】
Foley収録の際のレベル調整やArtistに指示をする人
【Foley Editor】
Foley収録後の音素材を編集、調整する。
などがあります。


【選曲】もしくは【ミュージックエディター】
基本的に映画の音楽は編集が終わってシーンができた後に作曲。
もしくは映画の為の作った曲のためにシーンを作るので、
いわゆる場面場面に適した音楽を選ぶ必要はないのですが、
細かいタイミングだったり、監督、作曲さんと音楽面で作品にとって良い方向を模索するために、【選曲】と呼称される人がいます。
場合によっては、喫茶店BGMなどの劇伴にはない音楽を選んだり、楽曲のマルチチャンネル化の手伝いをしたりします。
コンソール前でレベルコントロールは【録音技師】がやることが多いですが、場面によってはそこにアドバイスもしたりします。
◯フリーランス、もしくは自ら会社経営をされている方が多い印象です◯

【レコーディングエンジニア】
特にこのような表記の場合、楽曲のレコーディング担当のエンジニアのことを指します。和訳すると「録音技術者」【録音技師】となにが違うのか?という話になりますが、楽曲のレコーディングとセリフ収録は似て非なる別のスキルが必要です。
一般的というか私の周りでレコーディングエンジニアというと、音楽関係のミキサーの事を指すと思います。
なお。映画の場合劇伴とエンディング曲、挿入曲などでそれぞれ別のチームで作っている可能性があるので、必ずしも一人とは限りませんし、必ず全員がクレジットされているかはわかりません。

【作曲】
この並びに入れるか迷いましたが、大きな意味では音の担当者だろうということで、あえて入れました。
スタッフというより明確なアーティストです。
ただし上記の【選曲】的感性を持ち合わせている人もいます。

実写TVドラマの場合

映画に比べると時間的な都合でクレジットされる人の数は少ないと思いますが、基本的な構造は変わりません、むしろ映画より分業が進んでるので、関係スタッフは多いかもしれません。

【音声】【録音技師】もしくは単に【録音】
映画の音の部門責任者と言えると思います。
この人を長にした部門を撮影現場では「録音部」と呼称します。
現場で台詞収録のレコーダーで録音する事が主の役割ですが。単に現場でレコーダーを扱って録音すると言うよりも、監督の思ってる発想を音でどう具現化するかという事に重きが置かれてる気がします。
その上での機材選定、環境設定が主たる仕事な気がします。
多くの場合は現場で録音助手から初めて最終形として録音技師になるパターンが多いので、経験が豊富で引き出しが多いので、トラブル対応ができる人って感じです。
映画に比べると仕上げ、ポスプロまで関わる人は少ない印象です。
仕上げの最終日に入って最終的にMixしたり、監修的に後ろで座っている場合もあります。
◯フリーランス、会社員両方の方がいらっしゃいます◯

【録音助手】
昔は十把一絡げに録音部の助手は録音助手だったと思うんですが、
最近はというか、私が「録音助手の〇〇です」
って自己紹介する人と出会ったら、
「撮影現場でのチーフかマイクマン(BOOMER)かそれを目指している人な んだな」と思います。
(本人が将来どのような志向を持ってるかは別で)

【録音技師】よりも仕事内容は映画とほとんど変わらないので、
映画TV問わず活躍している人が多い気がします。

以下現場での【録音助手】の職域として
【チーフ】
俳優部へのワイヤレスを取り付ける段取り、各種交渉、ブームオペレーターの把握。マルチになんでもこなす前線指揮官みたいな感じですね。
【セカンド】
主にマイクブームを扱う人です。
ガンマイクのオペレーションは映画全体の音響にとってとても重要で、
これの良し悪しで全体のクオリティーが変わります。
【サード】
準マイクブームオペレーター
2本目のマイクが出ると登場します。
予算的に一番削れる部分ですね。いやまじ勘弁
【フォース】
【サード】のサポート的立場

このあたりの構成も映画と変わりませんが、映画より少ない人数というのが一般的な気がします。

正直TVドラマで【録音助手】までクレジットされることは稀な気がします

【MA*ミキサー】もしくは単に【ミキサー】
TVメディアの場合は映画よりも現場とポスプロが分かれてる事が多いです。
予算とかいう話よりも、毎週定期的に作品が世の中に出ていく環境での、分量的部分での分業かだと感じます。
録音でも書きましたが、最終的に現場の録音した人がMixだけ参加する場合や、オブザーバーとして入る場合があります。
主に扱うのは台詞です。
音楽は【選曲】さんがコントロールしますし、効果音は【効果】の方がレベルコントロール事が多いです。
地上波等の場合ラウドネス対応なども求められます

◯フリーランスよりも会社、スタジオ所属の方が多い気がします◯

*MA Multi Audioの略から作られた言葉
元々はSony「MA-VTR」や池上通信機「TVR-602C」を使用したマルチチャンネルオーディオVTRを使用したMix作業をMAと称するようになって、それが名詞化してMAになったという説が濃厚であるが、単にマルチチャンネルでの録音(Mix)をそう言うようになったとか、「MA-VTR」を使ったからとか、語源は複数ある。が、いずれにしても意味は、特にTV番組、TVCMのmixing作業の事。

【MA助手】
この分業制だと、圧倒的にミキサーの助手はMAスタジオに所属している助手さんです。
何もしていないように見えますが、スタジオをセッティングしたり、使う映像を用意したり。意外とやることは多いんですよ。
スタジオには様々な人がやってきますので、その時そのスタジオの使い方、機材管理する人は必須です。

先述の現場の音声さんが最終仕上げのmixだけ行う事もありますが、その場合の台詞を調整する実務の部分を担ってたりします。

【選曲】
長いシリーズ物のドラマの場合、毎回シーンに合わせて作曲をするというのはなかなか困難です。ですので、ある程度想定されるシーンの曲を事前に何曲も作曲家さんに作っていただいて、そのリストの中から場面場面にあった音楽をチョイスするのが、主に選曲の仕事となります。
もちろん選曲の一存ではなく、話数の担当した演出家やシリーズを統括する人とのディスカッションがあると思います。
また、台本を読んで作曲家さんに想定される音楽のリストを作成するのも仕事です。
この人からの効果音の発注や指示も出るため、
結果的にポスプロを主導するので、この人をサウンドデザイナーと称する場合もあります。
◯フリーランス、会社所属、自ら会社経営されている方が多い気がします◯

【レコーディングエンジニア】
特にこのような表記の場合、劇伴楽曲のレコーディング担当のエンジニアのことを指します。和訳すると「録音技術者」【録音技師】となにが違うのか?という話になりますが、楽曲のレコーディングとセリフ収録は似て非なる別のスキルが必要です。
一般的というか私の周りでレコーディングエンジニアというと、音楽関係のミキサーの事を指すと思います。
なお。劇伴とエンディング曲、挿入曲などでそれぞれ別のチームで作っている可能性があるので、必ずしも一人とは限りませんし、必ず全員がクレジットされているかはわかりません。


【作曲】
この並びに入れるか迷いましたが、大きな意味では音の担当者だろうということで、あえて入れました。
スタッフというより明確なアーティストです。
ドラマの場合はあらかじめ様々な想定をして、先行で楽曲を作るというスキルが求められますが、それは【選曲】がフォローすることが多いかと思います。

【音響効果】もしくは単に【効果】
TVドラマ音響においても台詞、音楽、以外は基本的には【音響効果】の仕事です。ただしライズのような音程の要素を持つものは【選曲】が主導することもあります。
音響効果と一口に言っても、
アンビエンス、アトモス、ノイズ、と言った環境音(空間音)
シンセやライブラリーを使用したHfx(ハードエフエックス)
足音(FootStep)、衣擦れ(Cloth)、持ち上げたコップや銃のハンドリング音などの小物(Prop)を編集後の映像にアフレコしていくFoley(EAR や 生 ともいう)
これが全部混じってきますので、扱う物量は激しく多いです。
しかし、TVスピーカーという限られた表現スペースの為に、一般的には劇場作品よりも音数は少なくなる傾向があります。
◯フリーランス、もしくは会社所属(特に選曲の方が主催している会社)、の方が多い気がします◯

【FoleyArtist】
上記の効果音の特にFoleyの部分を専門に扱う人、主としては実際に「体を使って音を演じる人」の事をいいます。最近はクレジットされる機会が増えてきました。
包括される場合もありますが、他には【Foley mixer】【Foley Editor】
などが役目としてはありますがドラマの場合個別でクレジットされる事は皆無な気がします。

アニメの場合

【音響監督】
スタート地点では何もないアニメの音を0から構築する人です。
一部ですが存在しない制作体制をとっている場合がありますが、
その場合は【監督】がやったり各話の【演出】が兼務しています。
これも職域に幅があって、アフレコ時の俳優さんへのディレクションのみのする場合は【アフレコ監督】【アフレコ演出】
なんて呼び方があったりします。
【音響監督】がいる場合多くの場合は、アフレコ時の演出と選曲、【ミキサー】(後述)、【効果】への指示を全体の監督、演出と相談の上指示をします。
この職業に就く前歴としては主に2パターンあって、【ミキサー】からなるパターンと【音響制作】からなるパターンがあります。
それぞれ得意分野が違うので、【ミキサー】から進んだ人は、音楽エディットやMixが得意な方が多く(場合によっては自らフェーダーを持つ)
【音響制作】から進んだ場合は、役者さんとのコミュニケーションが上手かったり、芝居についての拘りが大きい、などの特徴があると思います。
あくまで一般論ですので、共存している方もいます。
◯フリーランス、もしくは自ら音響制作の会社を経営されている方が多い気がします◯

【録音ミキサー】もしくは単に【録音】【ミキサー】
アニメの場合、セリフはアフレコでスタジオ収録するのが一般的です。
この時に収録に適切な音量コントロールするのが【録音ミキサー】もしくは【録音】です。人によっては【サウンドエンジニア】と言ったりします。
適切な録音。収録後の後処理。(ノイズカット、台詞合わせ)
【音響監督】の指示の元、選曲された音楽のエディット、MIX時の台詞と音楽のレベルコントロール
この辺りが職域です。地上波等の場合ラウドネス対応なども求められます
◯フリーランスか音響制作会社、スタジオ所属の社員が多いと思います◯

【録音助手】
主としては録音スタジオの人間がやることが多いです、
ノイズカット、台詞合わせを【録音ミキサー】に代わりにやる事で学び、
将来的には【録音ミキサー】に昇格していきます。
他にも、スタジオの準備。ミキサーがミックスすることへの準備を色々行います。
多くの場合、アフレコ時の映像を流す役割も担っていて、
これもまた、演出や俳優、との阿吽の呼吸が求められるので、熟練の技が求められます。
◯スタジオ所属か音響制作会社の社員が多いと思います◯

【音響効果】もしくは単に【効果】
実写と違って元々何もない音を作るので、想像力が求められます。
ただでさえ、画が入ってないままMixになることもありますから、
映像も何もない環境で音を作るスキルが求められます。
実写と同様にチームで役割を分けてパート別に仕込む場合や、
個人で全てやる場合があります。
◯フリーランス、もしくは自ら会社を経営されている方、もしくはそこの社員が多い気がします◯

【FoleyArtist】
上記の効果音の特にFoleyの部分を専門に扱う人、主としては実際に「体を使って音を演じる人」の事をいいます。映画やゲームのエンドロールでよくクレジットされてきましたが、最近ではTVアニメでも見かけるようになりました。

【選曲】
音響監督が不在の場合など、音楽を選ぶ担当者を別でお願いする場合があります。これも主たる仕事はTVドラマの選曲さんと同様です。

外画吹き替えの場合

【音響演出】もしくは【音響監督】
メインの仕事はアフレコ時の演出です。
すでに一度外国語で完成されているので、音楽や効果音の扱いをしないので、アニメよりは職域が狭いように見えますが、その分、元の映像に合わせてセリフを再構築したり、オリジナル国の事情や文化を理解し、
オリジナル本来の意味を咀嚼する能力が求められます。
アニメの音響監督と兼務されている方もいます。

【録音ミキサー】もしくは単に【録音】
アフレコ時の収録レベルの管理、整音、最終MIX
海外から来たME素材のチェックなど付随業務もあります。
アニメの【録音】との親和性が高いため、両方をやっている人も結構多い印象があります。

【録音助手】もしくは【スタジオ助手】
主としては録音スタジオの人間がやることが多いです、
ノイズカット、台詞合わせを等【録音ミキサー】に代わりにやる事で学び、
将来的には【録音ミキサー】に昇格していきます。
他にも、スタジオの準備。ミキサーがミックスすることへの準備を色々行います。
多くの場合、アフレコ時の映像を流す役割も担っていて、
これもまた、演出や俳優、との阿吽の呼吸が求められるので、熟練の技が求められます。
◯スタジオ所属の方が多いと思います◯

【音響効果】もしくは単に【効果】
最近はあまりありませんが、以前は海外から来る素材がローカライズに耐えられない物もあった為、日本国内で効果を追加して完成させることがありました。
主にFoleyが主だともいます。
そもそもの量が少ないので、【録音ミキサー】が兼ねていたこともあると思いますが、先述の通り最近では珍しいと思います。


バラエティー番組の場合

【音声】もしくは【PA】
スタジオ収録の場合は3人~10人ほどの スタッフで芸能人へのピンマイク取り付けと、ガンマイクのフォロー、 演者への返しのモニター調整をします。 (規模によりますが)
また副調整室(サブ)と呼ばれる収録スタジオと別のスタジオで、PA卓を操作して、ピンやガンの音をもらって収録用にテープやHDDなどの媒体に音声を送る役目もあ ります。
副調整室と収録スタジオで動く【音声】【PA】は同じ会社で仕切ることがほとんどですが、音楽ものなど稀に副調整室の【PAエンジニア】のみ指名の人がアサインされることもあ ります。
またスタジオを使用しない外ロケを収録対応する能力も求められます。
(映画などの録音の役割に似ています)

【MAミキサー】
収録された音(同録)の整音、ナレーション録り、MIXの役割
全ての音声(音楽、効果音、同録)のレベルコントロールを任 されているので【音効】や演出、クライアントのやりたいことを表現するMIXバランスや、 全員の意見をまとめるコミュニケーション能力も必要。地上波等の場合ラウドネス対応なども求められます

【MAアシスタント】
 MAで使用するテープ(XDCAMやHDCAM)の管理や操作、 ナレーションのテイク管理が主な役割。
(フリーランスも増えてきましたが、会社に所属する場合がほとんどです)
ミキサーのサポートをしながら将来的にはミキサーを目指します。

【音響効果】【音効】
音楽、効果音、フォーリー、笑い声など同録以外の映像に追加する音を全て一任されます。ドラマなどと違い番組用に音楽を新規作成する事は少ないですが、楽曲使用の包括契約が結ばれているメディアで、アニメや映画の劇判や年代とわず色々な音楽の中から選曲をするので 幅広い分野の音楽の知識が求められます。
フェーダー操作をすることはあまりなく、 ある程度の音量バランスを取ったらMAミキサーへデータを渡してMIXしてもらいます。
◯フリーランスや、1人から5人ほどの小規模の会社に所属している人が多いで す◯
※ちなみに関西地域などではバラエティでの音効という職業がありません。 音楽や効果音はMAスタジオで担当します


CMの場合

多くの場合技術スタッフがクレジットされることはありませんが、
当然ながらスタッフは変わらず存在します。
ただし、映画監督がディレクターをする場合は映画のスタッフが呼ばれる事もあるので、その場合のスタッフは実写映画を参考にしてください。以下はCMを主戦場にしてるスタッフの場合です。

【録音】もしくは【音声】
実写映画同様撮影現場の音声収録を先導するのが仕事です。
もちろん数名の録音助手をコーディネートします。
最近の傾向としては現場MIX音声を現場の編集マンに送って、
現場での簡易編集などに使われたりします。
他の撮影同様、現場から最終仕上げまでする人と、現場だけって場合は、
ちょうど半々くらいなイメージです。

【MAミキサー】
仕上げを専門とするMixerさん。
同録調整、ナレーション収録、音楽、効果のレベル調整。
特にラウドネスコントロールに特化している方が多い印象です。

【効果】【選曲】
ディレクター、代理店などと相談の上、様々な音を用意します。
効果音が多くある場合は別で音響効果の担当者がアサインされることもあります。レベルコントロールはミキサーさんが行うことが多いです。


長い羅列につきあっていただきありがとうございます。
今回『音屋の話』の阿部さん(@abeyuta_mal)渡邊さん(@nabeon)にもご協力いただきました。激しく感謝します!
今回敢えて色々カテゴライズで分けましたが、作曲兼MAミキサーとか、
音響効果しながら整音もしますとか、色々兼ねてる方もいますし。
逆に、誇りを持って一つの役職を貫いている方も大勢いらっしゃいます。
それはどっちがどうという事ではなく、観客や監督、お客さんのために最善を尽くした結果、進んだ道だと思います。
これを見てこれから業界を目指す方は、老害みたいなカテゴライズに臆する事なく、歩んで頂ければいいなと思います。
既に多くの仕事をされている方には、ほんの少しいつもの環境を離れると別な常識があります。ちょっとしたコミュニケーションする事で、お互いの能力を最大限に発揮できる環境構築ができますよ。
というお話でした。

正直言葉足らずな所、「違うよ!」って箇所はたくさんあるかと思います。
その辺り突っ込んでいただければ、さらにブラッシュアップできるのではないかな?と思いますので、ご迷惑でなければツッコミ期待です。

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