北欧神話 名前まとめ
北欧神話に出てくる名前をいろいろとまとめてみました。
創作のネタとしてまとめています。
自分の解釈も含まれている可能性があるうえ、説明は非常にざっくりとしています。
日本語の表記ゆれ(ラグナロク=ラグナレク=ラグナロック等)みたいなのはいろいろあると思いますが、キリがなさそうなので割愛。
■登場人物1(神々・人・巨人)
・アルヴィース(Alviss):完全な賢者
膨大な太古の知識を持つ。
トールは巨人とにらんでいたが小人らしい。
トールの娘を花嫁に貰おうとしたが父親(トール)に妨害される。
太陽の光が弱点。
・アングルボザ(Angrboða):
ロキの妻。巨人族。
フェンリル、ヨルムンガンド、ヘルの母。
・インギャルド:
邪のインギャルド。 王の名。
和平締結を欺き、十二の王を殺害した。
・イズン(Iðunn):
若返りの力を持つ『黄金の林檎』の所有者。
ブラギの妻。
・ヴァーリ(Váli):
オーディンとリンドの子。
殺されたバルドルの復讐のために拵えた子。
ヘズを殺しバルドルの復讐を遂げる。
・ヴェルザンディ(Verðandi):生成するもの
ノルンの一人。
現在担当。
・ヴィーザル(Viðarr):森
オーディンの息子。
フェンリルを倒しオーディンの敵を討つ。
・ヴィリ(Vili):
オーディンとともにユミルを倒した一人。
・ヴィゾールヴ(Viðolf):森の狼?
巫女の祖
・ヴィルメイズ(Vilmeiðr):破壊者の意志?
妖術使いの祖
・ヴェー(Vé):
オーディンとともにユミルを倒した一人。
・ウートガルザ・ロキ(Utgarða Loki):
巨人族。ロキとは別人。
様々な幻術を操ることができる。
神々(トール・ロキ)を相手に騙しとおして逃げ延びた猛者。
・ウルズ(Urðr):編むもの。織姫。
ノルンの一人。運命、宿命、死。
過去を司る。
・エーギル():
海神
・オーディン(Óðinn):
北欧神話の主神。多くの名と逸話を持つ。
知恵を得るのに貪欲で手段を問わない所がある。
ブルより生まれ、ユミルを殺害し世界を作る。
ラグナロクにはフェンリルに食われ戦死する。
また、ヘイムスクリングラでは王の名であるとされる。
別名ヴォーダンは水曜日(Wednesday)の語源。
・カルル(Karl):自由農民
ヘイムダルとアンマの子で自由農民の祖先
・ガングラティ(Ganglati):
ヘルの館の下男。
・ガングレト(Ganglot):
ヘルの館の下女。
・ガンダールヴ(Gandálfl):
魔法の心得のある妖精。小人。
・グナー:
十四番目の女神。
フリッグの使者として様々な世界を駆け巡る。
・コールガ(Kólga):冷たい波?
海髪エーギルとラーンの九人の娘の一人。 浪の擬人化。
・シギュン(Sigyn):滴る
ロキの妻。ナリ、ナルヴィの母。
ロキの顔に滴る蛇の毒液を桶で受け止めている。
・スヴァルトヘヴジ(Svartrhevð):黒い復讐?
魔法使いの祖。
・スクルド(Sculd):税・債務・義務
ノルンの一人。
未来を司る。
・スルト(Surtr):黒い
炎の巨人。ムスペルの国境を守る者。
ラグナロクの時、フレイに勝利し世界を焼き尽くす。
・スレール(Þræl):奴隷
ヘイムダルとエッダの子で奴隷の祖先
・チュール(Týr):
大胆、恐れ知らず。
フェンリルに右腕を差し出して封印した。
火曜日(Tuesday)の語源。
・トール(Þórr):
雷神。豪快な性格。
隙あらば巨人族の頭をかち割ろうとする。
親友(ロキ)に妻を寝取られる。
ラグナロク時、ヨルムンガンドを倒すも毒を浴びて倒れる。
木曜日(Thursday)の語源
・ナリ(Nari):
ロキとシギュンの子
ロキ捕縛の際、狼に変えられたナルヴィによって腹を引き裂かれる。
彼の腸はロキを縛るのに使われた。
・ナルヴィ(Narvi):
ロキとシギュンの子。ヴァーリという説もある。
ロキ捕縛の際、狼に姿を変えられ、兄弟であるナリの腹を引き裂いた。
・ナール(Nár):死者
小人の名、もしくはラウフェイの別名。
・ナンナ(Nanna):
バルドルの妻。
バルドルの死を悲しみ死んでしまう。
・バルドル(Baldr):
オーディンとフリッグの子。
ヤドリギ以外では世界中のどんなものからも傷つけられない存在。
ロキの策謀によってヘズに殺害される。
ラグナロク後には蘇るとされる。
・ビューレイスト(Býleistr):
ロキの兄弟
・ヒルド(Hildr):戦
ヴァルキューレの名。
・ファールバウティ(Fárbauti):
巨人。ロキの父
・フォルセティ(Forseti):
あらゆるもめ事を調停する。
バルドルとナンナの子。
・ブラーイン(Bláinn):黒
ユミルの別称。
・フリッグ(Frigg):
オーディンの妻。女神の最上位。
・フレイ(Frey):
ヴァン神族。フレイヤの兄。
神々からアールヴヘイムを与えられる。
金曜日(Friday)の語源。
・フレイヤ(Freja):
ヴァン神族。フレイの妹。
美と愛の女神。
・ブリミル(Brimir):騒ぐもの
ユミルの別称。
・ヘイムダル(Heimdall):
神々の見張り役。未来視ができる。
ラグナロクの始まりをギャラルホルンで知らせる役目を持つ。
ロキと戦い相打ちとなる。
・ヘズ(Hӧðr):戦
盲目の戦神。ロキに騙され兄バルドルを殺害する。
ヴァーリによって敵を討たれる。
ラグナロク後にバルドルとともに復活する。
・ヘル(Hel):隠すもの
ロキとアングルボザの第三子。
冥府の女王。死後の世界において絶対の権力者。
・ヘルブリンディ(Helblindi):
ロキの兄弟。
・ミーミル(Mimir):考える人
知恵の泉の番人。オーディンの伯父にあたる。
オーデンの目の対価として知恵を授ける。
・ヤルル(Jarl):候
ヘイムダルのモージル子で貴族の祖先
・ユミル(ymir):荒れ狂うもの
(霜の)巨人族の祖。
単為生殖(?)が可能。
ニヴルヘイムの寒気とムスペルの火の粉が混ざった雫から生まれた。
アウズフムラの乳を飲んで生活している。
オーディン達に敗れ、体を解体され世界の礎にされる。
・ラウフェイ(Laufey):
ロキの母
・ラーン(Rán):
海神エーギルの妻
・リーグ(Rígr):王(アイルランド語)
ヘイムダルの別名。
・リーヴ(Líf):生命
ラグナロクの生き残り。ホッドミミルに隠れ朝露を食べて生き残る。
ラグナロク後の人類の祖先となる。
・リーフズラシル(Lífðrasir):生命を維持するもの
ラグナロクの生き残り。ホッドミミルに隠れ朝露を食べて生き残る。
ラグナロク後の人類の祖先となる。
・リンド(Rindr):
ヴァーリの母。オーディンがバルドルの復讐の為に産んだ。
・ロキ(Loki):閉じるもの、終えるもの
北欧神話のトリックスター。
世界の終末をもたらすものであり、火の人格化ではないかともいわれる。
オーディンの義兄弟(血の契りを交わす)
数々の問題を起こし封印されるもラグナロク時に脱走し巨人側につく。
■登場人物2(動物・植物・他)
・アウズフムラ(Auðhumla):
牝牛。苔をなめる。
ユミルの次に生まれ、ユミルに乳を与える存在。
・ゲリ(Geri):
オーディンの狼
・ニーズヘッグ(Niðhǫggr):怒りに燃えてうずくまるもの。
閃光を放つ黒い飛竜。
フヴェルゲルミル(ニザフィヨル?)に住む。
ユグドラシルの根を噛み、死者(罪人?)の血をすすっている。
ラグナロク後に死者を乗せ舞い上がるらしい。やがて撃沈。
・フェンリル(Fenrir):
ロキとアングルボザの第一子。
大きい狼。チュールにより封印される。
ラグナロクの時に解放され、オーディンを喰らう。
・フギン(Huginn):
思考を司るオーディンの鴉
・フレキ(Freki):
オーディンの狼
・フレスベルク(Hræsvelgr):死体を飲み込むもの
鷲の姿をした巨人。
ユグドラシルの上から風を吹かせる。
・ムニン(Muninn):
記憶を司るオーディンの鴉
・ユグドラシル(Yggrdrasill):恐ろしき者(オーディン)の馬
世界樹。
・ヨルムンガンド(Jörmungandr):
ロキとアングルボザの第二子。
ミズガルズ(世界)の大蛇。毒を吐く。
ラグナロクの時に、トールと相打ちになる。
・ラタトスク(Ratatoscr):かじる歯
リス。ユグドラシルを駆け回る。
フレスベルクの言葉をニーズヘグに伝える。
・レーラズ(Læraðr):保護する者
樹の名。ユグドラシルの別名?
葉は山羊ヘイズルーンと牡鹿エイクスュルニルの餌になる
■地名
・アースガルズ(Ásgarðr):
九つの世界の一つ。アース神の世界。
・アールヴヘイム(Álfheimr):
九つの世界の一つ。妖精(リョースアールヴ=エルフ)の住む世界。
フレイが管理している。
・イアールンヴィズ(Iárnviðr):鉄の森
変わることのない原古の森。
人間界と巨人界の間にある。
・イザヴェル(Iðavöllr):休みない活動の野
ラグナロクから生き延びた神々の相会の場。
・イェロヴェリル(Iörovellir):砂の平地(ゲーリング訳)、戦の原(ヨーンソン訳)
・ヴァナヘイム(Vanaheimr):
九つの世界の一つ。ヴァンル神の住む世界。
・ヴァルグリンド(Valgrind):死者の門
戦士たちがくぐるヴァルハラの門。
・ヴィーンゴールヴ(Vingólf):
ギムレーの別称
・エーリューズニル(Éljúðnir):吹雪の館?
ヘルの館
・オーコールニル(Ókólnir):寒くない
ブリミルという巨人(ユミルとは別人?)の館(酒(麦酒)を飲むのに適しているらしい)の下にある場所?
・ギムレー(Gimlé):火、保護、天
火に対し保護された場所。
・ギンヌンガガップ(Ginnungagap):奈落の口
世界の始まりにある闇。
何もない世界。
・グニトニル(Glitnir):輝きの館?
フォルセティの館。
柱は黄金、屋根は銀でできている。
・グラズヘイム(Glaðsheimr):喜びの世界
黄金の館。
・スヴァリンスハウグ(Svarinshaugr):スヴァリンの岡?
グランマル王の居住地のある岡の名
・スヴァルタールヴァヘイム(Svartálfaheimr):
九つの世界の一つ。
黒の妖精(デックアールヴ=ダークエルフ)の住む世界。
または小人族やドワーフの住む地下世界。
・トロイア(Troja):
アースガルドという砦の別称(スノリのエッダより)
・ナーストレンド(Náströnd):死者の岸
・ニザヴェリル(Niðavellir):暗い野
下界の北方にある。
シンドリ一族の館がある。
・ニザフィヨル(Niðafiǫll):暗い山並み
ラグナロク後にニーズヘグが飛び立つ
・ニヴルヘイム(Niflheimr):
九つの世界の一つ。極北の世界。
ムスペルの対極にあり、極寒。
・ニヴルヘル(Niflhel?):
九つの世界の一つ。冥府の世界。
ニヴルヘイムと同一視される場合も。
・ノーアトゥーン(Nóatún):港
ニョルズの館。船の屋敷。
・ビフレスト(Bilrǫst):欺く道
世界をつなぐ虹の橋。
ラグナロクの時、ムスペルの軍勢が渡り崩壊する。
・ビルスキールニル(Bilscírnir):瞬間だけ輝くもの。不滅のもの。
トールの館(スノリ) ヴァルハラの館(グリームニルの歌)
・フヴェルゲルミル(Hvergelmir):沸き立つ鍋
泉。すべての川の源泉。
ニーズヘグが住む。
・ファランダ・フォラズ(Fallanda Forað):落下の危険
エーリューズニルの入り口の敷居
・フラーナング(Fránangr):輝く入り江
ロキの逃亡先
・ホッドミミル(Hoddmímir):
ラグナロクの時、リーヴとリーフズラシルが逃げ延びた場所。
二人はここの朝露を飲んでしのいだという。
・ミズガルズ(Miðgarðr):
九つの世界の一つ。人間達が住む世界。
・ムスペルスヘイム(Múspellsheimr):
九つの世界の一つ。炎の世界。
炎の巨人族がすむ。
・ユーダリル(Ýdalir):いちいの谷。
ウルの住居の名。
・ヨーツンヘイム(Jǫtunheimr):
九つの世界の一つ。(霜の)巨人族の世界。
■武器・装備・道具等
・グレイプニル(Gleipnir):
絹のようになめらかで柔らかい紐の足枷。
フェンリル曰く細いらしい。
素材は猫の足音、女の髭、山の根、熊の腱、魚の息、鳥の唾。
フェンリルを縛る事に成功した。
・グングニル(Gungnir):
オーディンの持つ槍。
敵方に投げる事で勝利をもたらすとされる。
・ギャラルホルン(Gjallarhorn):
ヘイムダルのもつ角笛。
ラグナログの時に吹き、神々に戦いを知らせる。
・ケル:病床
ヘルの館にあるベッド
・勝利の剣
もともとはフレイが持っていた剣。
これを持っていればスルトに勝てていたらしい。
婚約の際に手放した。
・ダーインスレイヴ:
・ドローミ(Drómi):
フェンリルを縛るための鎖(2回目)
レージングの倍の強度を誇るが容易に引きちぎられる。
勢いよく抜け出す事を「ドローミを脱した」という。
・スキーズブラズニル(Skíðblaðnir):
フレイの持つ巨大な船。
折り畳み持ち運びが可能な優れもの。
船の中で最も優れているといわれている。
・スルト:飢え
ヘルの館にあるナイフ
※巨人スルトとは別
・ナグルファル(Naglfar):
死者の爪で出来た世界最大の船。ムスペルにある。
ラグナロクの時に出航する。
・ブリーキンダ・ベル:輝く災い
ヘルの館にあるベッドのカーテン
・フング:空腹
ヘルの館にある皿
・ミストルティン(Mistilteinn):
若いヤドリギで作られた矢。
バルドルの殺害に用いられた。
・ミョルニル(Mjölnir):
トールの持つ鎚(ハンマー)。
数々の巨人の頭をかち割ってきた。
・レーヴァテイン(Lævateinn):
剣。ティン(杖)という語から杖という説も。
スルトの剣と思われるが、所有者は妻のシンモラ。
・レージング(Læðingr):
フェンリルを捕縛するための鎖(1回目)
容易に引きちぎられた。
勢いよく抜け出す事を「レージングから逃れた」という。
■その他
・ヴェト(Vetur):冬
・グネーヴァル(Gnævar):
高く駆ける者の別称。
女神グナーから
・ディーアル(Díar):
神殿の最高首長の十二司祭。
・ノルン(Norn):
運命の女神。
複数形はノルニル(?)
・ラグナロク(Ragnarøk):
神々の大いなる運命。神々の黄昏。
北欧神話における神々と巨人族の最終決戦。