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【エッセイ】ロングバケーションに憧れて

 2024年7月10日 
 
関東はよく晴れている。予報によると今日も30度を超えるらしい。



 
朝、いつもより薄着で歩いてみても、いつもより汗ばむ。



こんな夏の様な晴れた日は、甘すぎないサイダーが飲みたい。



 

その時にかける音楽は何だろう、意識して選ばなければどうせ私のことだ、きっと大瀧詠一のA LONG VACATION』を選ぶだろう。



 
午前中に一通り聴いて、夕方に『恋するカレン』をもう一度聴こうか。時間によるけども、その時にはさっぱりしたクラフトビールが飲みたい。



 
夏と現代が不似合いに感じるようになったのはいつからだろう。



夏なんて季節はもっと曖昧で良い。現代は全てがハッキリしすぎて在る。
 

私にとって夏と言えば漫画『タッチ』の明青と須見高の最終戦。主人公 上杉達也と新田明男の対決の実況がラジオから鳴り響くあのプールだ。



 

蜃気楼がゆらめく暑さと強い太陽の元では、時間も共に歩みを止める。


ラジオ、クリームソーダ、半月型のパイナップルと赤い小さな花、時々鳴り響く水が弾ける音。ストーンズの『ベガーズバンケット』も良い。






 
おっと、しかしそのシチュエーションでは止めていた煙草が恋しくなるではないか。


あの甘味は今も変わっていないのだろうか。




 


今年も相変わらずこうしていつかの夏に恋文を書く。きっとまた何枚も書く。
 
 


2024年7月10日 "ロングバケーションに憧れて"

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