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ルーマニアの秋の味覚(2)*旬の緑の胡桃+赤桃のジャムづくり
この時期だけの味覚、緑の胡桃
前回の記事では、ルーマニアの秋の定番、「ムスト」づくりについて書いてみました。
ルーマニアの秋の味覚には、この時期にしか楽しむことのできないものがもう一つあります。それは「緑の胡桃」。
初めてルーマニアを訪れた時に、おばあちゃんが裏庭の胡桃の木を長い棒でバシッ、バシッとたたき、実を落としてご馳走してくれたことは、懐かしい思い出です。
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緑の胡桃は、宗教的な日である9月14日の「十字架称賛の日(Day of the Cross)」に収穫します。胡桃がちょうどその日あたりに熟れるということと、胡桃の実の割れ方が十字になっているから、とのことです。
緑の胡桃が味わえるのは、この日から10日〜2週間くらいのみ。その後はだんだん実が渋くなっていきます。
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緑の胡桃のお味は?
今回もちょうどこの時期に来ることができたので、また旬の生胡桃を食べることができました。
この若い実を、ローストせずに渋皮を手で剥きながら食べます。
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剥いた実は乳白色でとても綺麗。渋みがなく、優しい味です。
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渋皮を剥かずにパクッと食べようとしたら、慌てて止められてしまいました。渋皮はヨードが含まれているので、たくさん食べると良くないから、とのことでした。
実りの秋はけっこう忙しい
前回お伝えしたムストを作っていた日は、実は並行して赤桃のジャムづくりもお手伝いしていました。
「今日は忙しいからね」と言われ、腕まくりして準備。
お隣さんに大量にいただいたという直径6、7センチの赤い桃の中身は濃い赤紫色。日本やイギリスでは見かけたことがないものです。香りは良いものの、柔らかく甘く熟れることはなく、ジャムにするしかないとのこと。
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家族がそれぞれ色々な作業をする中で、私は洗った赤桃の皮を剥いて、種を取って実を切るという部分を担当。なかなか減らない大量の赤桃たちに、「いま・ここ」に静かにとどまることなく、早く、早くと先を急ぎがちな自分の性格を見せつけられる私。
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なぜ横にいるこの猫のようにゆったりできないのだろう、などと自問していると、更なる試練が。固い赤桃がやっと剥き終わりそうだった私に追い討ちをかけるように、親切なお隣さんがまた同じくらいの量の赤桃を届けて下さったのでした。
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ジャムづくりが心の修行と化すルーマニアの秋。
大鍋でジャムづくり
やっと切り分けられた実を、ロンドンの自宅にあるものとは比べ物にならないような大鍋に入れて、お砂糖をなじませた後、煮込みました。ルーマニアではどこのお宅にもこのような大きなお鍋があり、大量に収穫されるフルーツのジャムを作ったり、保存用のトマトジュースを作ったりします。
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準備した赤桃の実の3分の2くらいはジャムに。残りはジューサーにかけて酸っぱいジュースにして、甘い葡萄ジュースとのカクテルにして楽しみました。
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ようやく瓶に詰めてジャムが完成。ウールのブランケットで包んでしばし粗熱を取りました。帰りにひと瓶だけいただくことになっていて、あともう数本、宅配便でロンドンまで届けてくれるそうです。
出来上がったジャムは、きれいな赤紫色で、爽やかで甘酸っぱい味でした。
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食べることが好きなので、どうしても食べ物の話ばかりになってしまうのですが、またルーマニアで珍しいものを見かけたらレポートしてみたいと思います。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
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