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kindness〜未来のポピュラーミュージック

「僕が音楽を作る時は、ジャンルやカテゴリーに囚われることなく、とにかく“良い曲”が基準になる。〜“良い曲”という大きな括りにした方が、〈新しい発見〉もあるし〈音楽の楽しさ〉をもっと理解できるはずだから」〜 kindness〜

〈インタビューより引用〉

恐れ多いが、僕も全く同じ意見、同じ思いだ。
僕は本気で思っている。

結論はkindness(カインドネス)こそ未来の音楽ポップミュージックだと言える理由が彼の音楽の中にある。

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【kindness】
イギリス出身のシンガーソングライター、DJ、プロデューサー、楽器やプログラミング、写真家でありモデル業もこなす、本名〈アダム ベアアンブリッジ〉のソロプロジェクト。

R&B、ファンク、ディスコ、HOUSE、現代音楽、チルアウト、lo-fi、インディロック、ワールドミュージック…複雑に入り混じりながらサンプリングを駆使しした、サウンドは2010年代を牽引した。
2013年リリース〈ブラッド オレンジ〉のアルバム「Cupid Deluxe」では共同プロデュース、作曲で参加2016年リリースの〈ソランジュ〉のアルバム「A Seat At The Table」5曲、共同プロデュース、共同作曲、楽器やエディットで参加など近年の音楽シーンに重要な立ち位置を確立し、いつしか、【オルタナティブR&B】と呼ばれた。

関わった楽曲の詳細は不明だが同アルバムに収録されているkindnessに近いブラッドオレンジの楽曲

kindnessがソランジュに提供した楽曲の中の一曲がこれだ

そんな“未来の音楽”は今年9月6日リリースされた「Something Like A War」で完成された彼の最高傑作だ。3枚目から順に聴いていこう。



「Something Like A War」

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【前作の2作のすべてが詰まった最高傑作】


前作から5年待ちに待ったニューアルバム。収録曲は現在の活動拠点はロンドンだが、以前の拠点であったニューヨークですべて録音され、様々なミュージシャンやヴォーカリストをフューチャーし彼のヴォーカルと絡み合い ジャンル、サウンドが融合した一つの音楽になっている。

サンプリングはもちろん、2枚めのアルバムのアンビエント感やビート感を残しつつ、一作目のローファイ感もあり彼、特有の静かな中にも熱いフツフツしたグルーヴ感は健在で、2作の間を突き抜ける内容だ。過去最高にフューチャーしたミュージシャンは多いが【kindnessの音楽】である。
ちなみにトッドラングレンの楽曲もサンプリングソースとして使われている。

深く聴くほど彼の言う【音楽の新しい発見】がそこにある。


【Otherness】

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【2014年にリリースされた未来を行き過ぎた2010年代の大名盤】

アルバムの始め数曲は90年代のサウンドが流行した近年を先取りしたような内容で、シンプルさと複雑が絡み合う現代音楽的なサウンド。
ニュージャックスイングを思わせるビートに大きく広い空間を震わせるアンビエント感、そして美しいコーラスはいつ聴いても新鮮に聴こえるだろう。
ワールドミュージックの要素も取り入れ始め、異国感さえ感じる。このアルバムで未来の自分ポップミュージックを決定づけたと思う。


【World,You Need A Change Of Mind】

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【デビュー作 正にタイトル通り未来のポップミュージックへの解答】

1曲目の80年代のクラフトロックを思わせるインスト曲で始まり、2曲目では重ねられた打ち込みドラム、サンプリング、彼特有の分厚くて美しいコーラスに驚かせられるカバー曲。
5曲では緩やかな疾走感ディスコファンクを聴かせ、緩やかなHOUSEビートにピアノとシンセが絡むミディアム曲。ダンスミュージックな作り方がここで確立し、この時代のローファイサウンドと一線を置いている。

その後もジャズ、ニュージャックスイングの曲をサンプリングしたインスト曲やキレのあるビートのファンクロックまで、全体的にレコードに針を落とした様なローファイな触感と様々な音楽をコラージュしたサウンドは彼のルーツを辿れる“カオス”なアルバムだ。


《まとめ》

【未来のポピュラーミュージックを創るのは心の変化が必要】

彼の冒頭のインタビューでも言ったとうり、彼自身世界中の音楽を受け入れる寛容な心があるからこそ、囚われない音楽が出来るのだろう。そして、聴く側のそれを受け入れる寛容な心があれば、【音楽の本当の楽しさ】を自らの心の中に創ることができると、kindnessの音楽は導いてくれる。

ポピュラーミュージックの“ポピュラー”は“民衆”“大衆”と言う意味だ。つまらない感情や思い込みで【差別】するのはもう古い。人と人を繋げられるのは【音楽】だと僕は思っている。
国籍、時代、ジャンル問わず聴き、それを自らの音楽に落とし込み奏でる彼の音楽は永遠に続き世界を繋ぐことだろう。
そして、いつか僕もその一人として。

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〈写真:Apple Musicから引用〉


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