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Ampeg
ずいぶんと昔の話ですが大学時代にAmpegに憧れてV4Bを使用していました。
ライラックレインボーズという部外連に所属するロックサークルに所属しており、大きな部室が与えられていたためそこに置いていました。
ヘッドが25Kgくらいとキャビが70Kgという恐ろしく重たいセットでしたが、合宿ともなると後輩に運ばせるという鬼畜な先輩でした(笑)。
さてこのアンプ、もちろんプリもパワーも真空管の所謂フルチューブアンプと呼ばれるモノで、ヴォリュームが半分以上を超えると音量はそのままで歪みばかりが増すという代物。100Wのマーシャルを使うギタリストに負けじと歪ませながら頑張ったものです。
しかしながら当時のSUNNやYAMAHAといった同じ100Wのトランジスターのベースアンプが歪んでいく感じとは全く別の感覚でした。
トランジスターアンプは歪ませるとやや不快な音色になるところが、チューブアンプはそれほど不快でもなくむしろ心地よさを味わえました。
現代では歪みの成分による心地よさを科学的に立証されているようですが、当時はそんな情報もなくただ漠然とそういった感覚を味わっていました。
楽器やオーディオの世界では真空管至上主義というオカルトに近い世界が存在しますが、原音を忠実にという世界からはかけ離れて余計な歪み成分を意図的ではないにしろ付加することで心地よい音を探求するというもの。
自分は若き日に経験した音色が忘れられなくてチューブアンプを使用していますが、いつまで経っても懐かしくも心地よいサウンドが得られるというのが手放せない理由です。
現代ではDAWのデジタル技術により真空管やオープンテープレコーダーをシミュレートするプラグインが多数リリースされていますが、理由はやはり心地よさなんでしょうね。