「虎に翼」の寅子と優未の関係をみて
〈虎と翼〉の母と娘
先週から続く、寅子と娘・優未の関係をみて
なんだか振り返ることがいろいろあって
ちょっとnoteしときます。
①いい子を演じるようになった優未の立場
②寅子のワンオペの母としての立場
どっちの角度からも、ちくりと胸がいたんでしまいます。
①いい子を演じるようになった優未
立派なお母さんだものね〜
女性の社会進出が稀有な時代に、女性初の裁判官になるなんて
寅子にはどれほどのご苦労があったことか計り知れません。。。
社会が認める立派な母を前にして
母というか周囲の期待もあるのでしょう
優未は正しい娘を演じていきます。
私も正しい娘を母や父の前では演じていました。
ある時期までは、、、
狭い町で、先生の一族に生まれ育って
小学生の頃は、母は同じ学校の先生で6年間。
母の求めること
周囲が求めること
もしかしたら勝手にそれを感じとって先回りして
いい成績をとり、責任感が強く、ルールを侵さないように
努力をしていきます。
中学になり解放されると、今度は極端にグレ始めます(笑)。
いつも反発するような顔や態度で
周囲を落胆させていきます。
虎に翼の優未をみていて、なんだか疼くような閉塞感を感じました。
ありのままそのままの自分を見せられない時
正しい自分を演じるか、極端に反発するかになり
自然体で生きる選択肢がなくなってしまうんですね。
そんなメカニズムをあらためて自分ごととして気づきました。
ただ優未には、花江や従兄弟たちがいて、甘えることができました。
私も生後二週間からお世話をしてくださった近所の子守のおばちゃんが、素の自分で甘えられる場所でした。ありがたかったです。
②寅子ワンオペの母としての立場
寅子の前ではすっかりいい子の顔をするようになった優未
寅子はといえば、
一家の大黒柱で稼ぎ頭であり
仕事が好きなこともあり
上司にも恵まれ、海外視察などのチャンスにも恵まれ、一躍時の人となっていきます。30代の半ばくらいなのかしら。
一人で子どもを育てるとなるとまず
✔︎夕方、定時に帰れるかどうか
✔︎お迎えに行けるかどうか(現代だったら)
✔︎夜ご飯の準備をできるかどうか
まずこのハードルがありますよね。
ここができないとなると誰かに頼まないといけません。
誰かに頼む選択をするということは、夜遅い残業や、接待や仕事も兼ねた食事会や飲み会にも参加できることになります。
責任を持つ立場になると、定時までの仕事だけでは到底成り立たないのが昭和という時代。。。もちろん平成も。。。
大黒柱として稼ぐということと子どもとの時間をたっぷりとることができることは反比例してしまうのです。
二人で新潟へ
家族の手がたくさんあるなかで、甘えてきた寅子だったかもしれません。ちょっと調子に乗っちゃってたかもしれません。
でもでも女性が一人前に認められない社会で、やっぱりそれも責めることはできないです。
今回、新潟へ
母と娘の二人で行くことを決断したとき
うんうん、うんうんと頷いてしまいました。
はちゃめちゃでも毎日責任をとる
シングルで5歳の息子を育てることになった時
実家に住んで、母たちに頼るかどうか悩んだ時があります。
だけどじぶんのズボラな性格もよく知ってるし、仕事も嫌いじゃない。
きっと母に甘え始めたら、息子のことをなにもかもまかせっきりになるかもしれない。そしたら、息子との間に、溝ができてしまうかもしれない。
めちゃ大変かもしれないけど、バタバタ走り回りながら、息子に不便もかけながら、やっぱり毎日の責任は私がとっていける生活をしよう。。。
35歳の私は決意をしたのでした。
とはいえ、たくさんの人にお世話になったなぁ
仲間やシッターさんにお迎えや、ご飯をお願いすることもあったし、出張の時は母に助けてもらったり
余裕のある自分時間はほぼなかったような
彼も一人の時間も多く、甲斐甲斐しくお世話できる家庭ではなかったこと申し訳なかったな
一個だけ約束したのは、
寝る前に息子が好きな絵本を2冊選んで読むこと
金魚が逃げた〜ど〜こに逃げた〜
なんて読み聞かせながら私が寝落ちすることもいっぱいありました。
すっかり彼も社会人
あの時のバタバタと、気持ちのせめぎ合いはもう遠い記憶になってましたが
朝ドラで久しぶりにリアルに感じることができました。
本家に嫁いだ母、教師もしながら家事もめいっぱいやって
今思えば、その苦労は計り知れなくて。
女性が子育てと仕事を両立していくことの大変さはまだまだ問題山積みだけど、母の時代より制度としては確実に変わりましたよね。
〈虎に翼〉はそんな心の機微を丁寧に描いてくださっているドラマです。
今回のテーマだけでなく共感ポイントがたくさんあって、毎日夢中になってます。
来週は優未がすこしずつ解けてきそうな予感。。。
涼子様も玉ちゃんも気になりますね。
これからも楽しみです。
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