♩Lesley Duncan - Love Song

イギリスのシンガーソングライターである。詳しくは知らないがエルトンジョンによるカバーで有名になったらしい1969年にリリースされたこの曲だけは、Lani Hall のカバーも含め、時々聞く。Wikipedia によると1963年にファーストシングルをリリースしていて、同時にバッキングボーカリストとしても活動していたようである。

ラジオでも頻繁にプレイされ、スターになる可能性は十分にあったようだが、スターダムを追い求めることもなく、ステージで歌うことさえも躊躇する方であったようである。推測だが、気が向いた時に歌を作り、コーラスの手伝いすることが純粋に好きだったのであろう。憂いのある love song だが、歌詞は無防備で真摯である。

♩Lani Hall - Love song
https://www.youtube.com/watch?v=FM_mZ9mr3DM

[追記]

冒頭の文章を確認したく、久しぶりに漱石の「草枕」を繙いた。いつも通り、隙のない文章に感心しつつ、ほんの少し読み進めたら、詩人 Shelly の "To a skylark" という作品の一部を引用していることにはじめて気づいた。同様に、常日頃、多くのことを見逃しているのだろう。見たいもの、見えるもの、そして、見えてくるもの。

We look before and after
 And pine for what is not:
Our sincerest laughter
 With some pain is fraught:
Our sweetest songs are those that tell of saddest thought

<漱石訳>

前を見ては、後えを見ては、物欲しと、あこがるるかなわれ。腹からの、笑といえど、苦しみの、そこにあるべし。うつくしき、極みの歌に、悲しさの、極みの想い、籠るぞ知れ。