大学研究者必見!知っておくべき知財の基礎資料をINPITが公開
日々の研究活動において「知的財産(知財)」について考えたことはありますか?研究成果を社会に還元するためには、知財の知識が欠かせません。
そこで、INPIT(独立行政法人工業所有権情報・研修館)は、大学研究者向けに知財の基礎情報をまとめた「これだけは知っておきたい知財基礎~大学の研究者のために~」を公開しました。
今回は、INPITが公開している資料の概要、知財知識の重要性、そして知っておかないと起こりうるトラブル事例についてご紹介します。若手研究者の皆さん、この機会に知財への理解を深めてみませんか?
INPITの提供している情報とは
INPITのウェブサイトでは、以下の資料をダウンロードすることができます。これらの資料は、研究の段階からスタートアップ設立や社会実装までを視野に入れた、充実の内容となっています。
研修カリキュラムマップ:社会実装のステージごとに、必要な知財知識・スキルと、それを学ぶための教材を整理した一覧表です。研究の進行状況に応じて、何を学ぶべきか一目で分かります。
シラバス:学習目標や計画をまとめたもので、効率的な学習をサポートします。各ステージでの知財スキル習得に役立ちます。
研修教材:具体例を交えながら、必要な知財知識・スキルを分かりやすく解説しています。自学自習はもちろん、講義や研修でも活用できます。
J-PlatPat教材:特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」の活用方法をまとめた教材です。特許情報の検索や活用方法を学ぶことで、研究に新たな視点をもたらします。
なぜ、大学研究者も知財の知識を持っておくべきなのか?
研究成果の保護と活用
新しいアイデアや技術を知財として適切に保護しなければ、当然、他者に利用・模倣されるリスクが生じます。知財の知識を持つことで、自分の研究成果を知的財産権として保護し、産業界との連携や事業化への道を開くことができます。
キャリアの幅を広げる
知財の知識を持っている研究者は、企業からの評価も高まります。産学連携プロジェクトやスタートアップの設立など、活躍の場が広がるでしょう。
法的リスクの回避
自身のアイディア保護も重要ですが、他者の権利侵害回避も非常に重要です。他者権利調査等の対策を行わないと、知らずに他者の知財権を侵害するリスクが高まり、結果、法的トラブルに発展する可能性があります。基本的な知財知識を持つことで、上記リスクを未然に防ぐことができます。
知らないと直面するトラブル事例(※あくまで仮想事例です)
若手研究者のAさんは、画期的な新素材を開発し、その成果を論文として発表しました。しかし、特許出願の手続きを全うことなく1年が経過。そのため、新素材の情報は公開情報として誰でもアクセス・利用可能な状態となってしまいました。
論文発表から1年半後、Aさんは、この新素材を使った機能性衣服の開発を目的とした大学発ベンチャーXを設立しました。Aさんは、イベント、展示会や大企業とのマッチングイベントにも積極的に参加し、そこでも新素材の宣伝を大々的に行っていたところ、売り込み先の1つであった大手企業Yが、この新素材を使った機能性衣服を発売。Aさんは自分の研究が無断で利用されたことに気づきましたが、特許出願をしていなかったため、法的に対抗する手段がありませんでした。
Aさんが研究成果を公開する前(または公開後一定期間内)に特許出願をしておけば、Y社による新素材を使った機能性衣服の販売を防ぎ、X社による独占販売を実現できた可能性があります。また、特許出願を行っていることは、ベンチャーキャピタル等からの出資を受ける際のアピールポイントにもなり、資金調達をスムーズに行えた可能性もあります。
今回は残念な結果となりましたが、Aさんに知財の基本知識があれば、このような事態を避けることができたのではないでしょうか。
知財知識を身につけて研究を次のステージへ
読者の皆さん、知財は難しそう、と敬遠していませんか?
しかし、そんなことはありません。INPITの提供する教材は、初心者にも分かりやすく構成されています。知財知識を身につけることで、研究の可能性は無限に広がります。
研究の成果を最大限に活用
産業界との新たな連携を創出
自身のキャリアアップにもつながる
この機会に、ぜひ「これだけは知っておきたい知財基礎~大学の研究者のために~」を活用して、知財について学んでみてください。
未来の研究を支えるのは、あなたの知財への意識と行動です。知財の基礎を学び、研究を次のステージへ進めましょう!
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