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第1話(運命の転換点—前編)


ダブル主人公。リシアと妹

 ある喫茶店で、長い黒髪の女子がのんびりと窓際の席に座って、外を二羽の蝶が飛んでいくのを眺めてから、テーブルのカップを左手で持ち上げて、お茶を味わおうとした瞬間、何かに気づきました…

 ふんふんふん~♪……えっ!?もう始まったの?(ゲホゲホ)…皆さんどうも、私はリシア。でも昔って、「餃子ちゃん」と呼ばれたこともあるだけど……まあ、とりあえず、よろしく♪

 あれ?その名前って、なんかちょっとおかしいと思うの?えへへ~今思えば、確かにそうですね。やあ~だってさ、かつてお父さんとお母さんがやってた中華屋さんで、一番人気があったのは、まさに「餃子」だったからな!…うん?

=【アハッハッハッ~――】=

 …うむむむ……こら、何笑ってんのよ!きっ、君たちもわかるだよね、特に熱々の餃子が出てきたら、テンション上がるその瞬間!それから箸でつまんで、特製ソースにつけたら、パクッと一口かじると、ジューシーな肉と香りが口の中に広がって、餃子だけの異世界に夢中になってしまうんだ。

 ぅあ~食べたい…羽根付き餃子とか、水餃子とか、棒餃子とか、今すぐ食べたいんだぁ!!

『ちょ…!?ちょっと~!お姉ちゃん今何をしているの!これはグルメ番組じゃないよ。しかもまだ説明してる途中なんだから、いきなり「暴走」するなんてダメなの!』

 えっ?!あははっ~……。ごめんごめん、つい……まあ、ということで、私ここの餃子が大好きなので、だから彼らはこの可愛い名前をつけてもらって、しかもこの店の看板娘になってきました!

 とはいえ…彼らは私の本当の親じゃなくて、お世話になっている人、つまり「養父」と「養母」なんだ。私がまだ幼い頃、彼らは山で薬草を採っていた時、崖の下で怪我した私を見つけ、家に連れて帰って治療してくれたんだ。目が覚めたら、自分が何も覚えていないことに気づいだ。それでも、優しい二人は行き場のない私を引き取ってくれました。

 どころで、彼らには可愛い娘がいます。マルコ―「丸い顔をした子供」という意味なんだ。むふふ~名前の通りに、本当に可愛い女の子だ。暇なときは、たまに彼女と近くの外で遊びに付き合って行く。まあ、野良犬に追いかけられたこともあったけど、その都度、なんとか神様に助けてもらって、逃げ切ってたんだ…

 うん?いやいや!私だって、仕事以外は遊ぶことばかりじゃないんだからね!たまには仕事が終わったら、武道館に行って基本の体術を習ってるんだ。護身術ができたら、いつか弱い妹を守れるようになるはず…

 あっ!?ところで、お父さんとお母さんは料理屋さんを始める前に、二人はすごい人だったんだ。じゃ、ここで少し紹介しましょう!お父さんの名前は「ルーク」、かつては帝国の鍛冶屋だったんだ。武器の製作・修復と強化に才能があったけど、国の戦争に嫌気がさして、この辺りの町に逃げてきたんだ。

 お母さんの名前は「マティナ」、元は無名の見習い魔法使いだったんだ。しかしある日、彼女がこっそり禁断の暗黒魔法を学んでいたことを学園長にバレちゃって、追い出されちゃったんだ。

 その魔法「万源吞蝕(エクリップス)」はすごく危険で、うまくコントロールできなければ、他人や自分の命を奪うことにもなりかねません。そこの魔導師たちは、彼女が外でこの禁術を使い続ければ、いずれ大勢の命が失われる可能性があることを恐れ、その体に封印術をかけた。

 あの日から、お母さんは他の魔法を使えることができるけど、体内の魔力はその後も成長せず、新しい術式を学ぶこともできなかった…

 二か月後、彼女はこの村にやってきたんだ。ただ、その頃は人間に危害を及ぼす魔物が現れていた。そこで彼女が魔物に襲われていた子供を助けようとしたら、突然、見知らぬ男が勇者のように目の前に現れ、こうして二人は出会いました。手を取り合って魔物を退治した後、運命に導かれたお二人は恋に落ちて、この村に住むことになって、料理屋さんを始めたんだ。商売も上手くいって、結婚三周年には可愛い赤ちゃんが生まれたんだ~♪

 因みに、この料理屋さんでは、お父さんとコックが料理を担当しているんだ。お母さんはカウンターと注文、帳簿の仕事をしている。そして君達、この料理屋さんを甘く見るなよ!なぜなら、後ろに台所があるほか、なんと鍛造室がいるからですよ!そして二階には私達が住んでる場所なんだ。

 前に言ったみたいに、お父さんは人を傷つける武器を作るのは嫌いだったけど、それでも、彼は強力な道具を作ることに興味を持っていた。だから暇な時にはいつも鍛冶場にいて、いろいろの「調理器具」を作っていたんだ。えっ、「武器」じゃなくて、「調理器具」だぞ!(笑

 それにして、お父さんが作った調理器具の中に、気になる「秘宝」があるんだ。それは一般的な調理器具よりも大きくて、お母さんと一緒に製作に協力しなければならず、完成するまでに何年もかかるという特別なやつなんだ。

 その名は【双姫(そうき)】。大きな鉄棒を二本合わせた刀箸で、中には何が珍しい鉱石が入ってるらしい。二つ合わせると、「鉄箸」みたいになるんだ。

 この二本の鉄の棒は、私たち姉妹のように、将来は色々なことで離れてしまうかもしれないけれど、一緒にいれば無限の可能性が拓けると、彼らは作った時に言ってたんだ。二人も、これが最高傑作だと自慢しています!

 うんん…しかし、その「傑作」は見た目はすごいんですけど、実際には何の役にも立たなかったので、結局、お母さんはその鉄棒を裏庭の土に刺して、糸を結んで物干し台にしちゃったんだ。あの時、私は父さんの心の不満と悲鳴を聞いたようだった…

 まったく、この二人は何を考えているのか分からないなぁ~本当に…

 はい~はい!以上が私がこの家に来てからの数年間の話なんだ。もっと詳しくは後にしましょう!これ以上続けると、きっと「うるさい」と言われるだろう…

 でも正直、私達の暮らしは豊かじゃないけど、家族は私のことを大切にしてくれて、本当の娘みたいに扱ってくれたんだ。その優しい気持ちに、家族に愛される幸せを感じられたんだ!

 これからもずっと、ずっと~みんなと一緒に暮らしたい!そう…心の中でずっとそう望んでいたんだけど、しかし…

 =【あの残酷な夜が来てから、すべてが変わってしまったんだ――】=

◇―――――【数年前】―――――◇

=【⑥番席…⑥番席…?!】=

「お嬢ちゃん、さっき注文したものはまだ?」
突然、前の席に座っていたお客さんが尋ねられました。

「?!はい!えーと~すみません、まだ準備中です!はい、お客様。お待たせしました~ご注文の肉まんです!」

「えっ?!あの…これは注文していませんよ」

 その驚きの表情と反応を見て、私はもう一度トレイの注文用紙を確認しました...

「あ、あれ……?!そうなんだ。ここに書かれている数字は⑥ではなく、⑨だったのか……えへへ~すみません、間違えちゃった_且(^◇^;)>」

 そして同じタイミングで、隣のお客さんが、うちの店の定番を追加注文してくれました…

「なあ、餃子姉ちゃん。この『満貫餃子』なんか、もう一つください~」

【説明:『満貫餃子』とは、羽根付き餃子3つ、揚げ餃子3つ、棒餃子3つ、水餃子3つ、そして蒸し野菜餃子2つの、計14枚の餃子が一皿に盛り合わせられたセットで、麻雀の満貫を象徴するという意味があります】

「はい、かしこまりました!^^」

 料理を客の前に置くと、私はすぐに注文を取りにカウンターに戻りました。

「すみません~八番席には『満貫餃子』を追加でお願いします!」

 リクエストを聞くと同時に、コックが出来立ての料理をカウンターに運んできました。

「了解!じゃ、これも頼むぞ!」
「はい~!」

 まさか註文したばかりなのに、他の客が注文していた料理が目の前に現れました!そして料理を持って歩いていると、カウンターで働いていたお母さんの文句が聞こえてきました...

「はい、お釣りです。ありがとうございました!…はぁ~休日をうまく選ぶわね、あいつら…」

「あはは~だよね……こんな忙しい時間に彼らの協力がなくなると、本当に息が切れてしまいそうです……T^T」

「まったく…いきなり『用事』があるなんて、きっとデートとか、どこかに遊びに行ったんでしょう!明日になったら、やつらが休みの理由をちゃんと聞かせてもらうわ…?!」

 ♪~♪~♪…話している最中に、謎の電話がかかってきました。

「もしもし、【郷気食溢(ごうきしょくいつ)】中華屋さんです!はい、そうそうそう、はい、はい。(,,・∀・)ノ」

「…あっ、いけない!早く料理を届けないと……」


 はあ~今日はとても忙しい一日でしたね。それにしても、一部の店員さんは今日急に用事ができて、休んじゃったんだ。だから朝食を済ませてから、すぐ下の中華屋さんに手伝いに行きました。

 ところが、ついさっき、母さんが村長の助手からの電話を受けたんだ。それは村長の誕生日パーティーの準備で、私たちに連絡して、数日前に予約した餃子の状況を確認するためのものだった。

 台所にいる皆さんの協力のおかげで、昼を回って、やっとこの珍しい注文を完成させました!それからの私は、裏の庭から自転車を取って、村長公邸まで「餃子軍団」を安全に届けようとした。それに、家の薬草も尽きかけていたので、母さんは私に山へ行って、薬草と料理用の特別なスパイスを取りに行かせてもらいました。

 行ってくる前に、お母さんはお弁当を渡して、道中で食べさせてくれた。そして日が暮れる前に戻ってくるように言われました。準備ができて出かけようとすると、マルコはいきなり店から出てきて、「いってらっしゃい、お姉ちゃん♪~」と言った。その無邪気な笑顔、元気な声で、本当に可愛い子だよね~

 任務を終えた瞬間、心も背中の重荷も半減しました。ところが、さっき配達の途中で、なんと村長本人と会いました。親切な彼は私をパーティーに招待してくれたし、おなかいっぱいになってから帰れと言ってくれました。こんな喜びの日に、彼のその気持ちを拒絶するに忍びませんし、しかも目の前の山海珍味が私を誘惑していた。それに…今日は私の誕生日でもありますから!(実際は彼らと出会った日)

 だから、その……えへへ~結局、私の理性は負けました!もう~帰ってから、またダイエットしなきゃですね(〃>ω<)…ぁはは、まあいいか!

 村長さんときちんとお別れをしたあと、私は母の言いつけどおり、前の山へ薬草とスパイスを採って行った。そして帰る途中、森の中で長い階段を見た時、頭の中でふと何かを思い出した…

 前にこの近くで薬草を採取した時も、この階段を見たことがある。あの日は雨が降っていた。雨宿りの場所を探して、何も考えずに階段を駆け上がった。その先には、古い造りの神秘的な寺院が建っています。そこには一人の尼僧と巨大な白い狼が住んでいる。

 そして今日も、ここを通りました。それからふと、自転車のかごに入れたお弁当をまだ食べていないことを思い出した。今はまだ食べられますが、しかしお弁当を食べると夕飯が食べられなくなる……

 …それに~今夜は豪華な夕食を用意して、私の帰りを待っているって、お母さんから聞いたんですよ!ゥウん…じゃあ、このお弁当はどうしたら……

 そう考えているうちに、今の空がだんだん暗くなってきて、情熱的な太陽も暮れかけてきたことに気づいたんだ。

「ずっと山に住んでいる彼らは、ちゃんと食べているのかなぁ……しゃ、このお弁当を彼らにあげようか!よし、まずは挨拶に行こう!」

 目の前の石段をゆっくりと上っていくと、ようやくあの寺院が見えてきた。しかし……

「えっと…お邪魔します、誰かいませんか?…あの、すみません~」

「あの~お姉さん、いる?」
「…ねえ~いないか……」
「窓を押し開き)ほら、照れなよ。おいしいものを持ってき……?!うわああ~蜘蛛だ!!

 あれからずっと探しましたが、誰も見つかりませんでした――

「うんん……おかしいわね~一体どこ行ったのかしら……あっ!二階……」

 のろのろな足音とともに、階段がきゃらきゃらと音を立てて、私はやっと二階に着きました。だけど、そこにも階下と同じように、人影もなかった。そして……

「えっ?!何なんだ、この光……?!」

 部屋の中には、なんと超巨大な紺色の結晶が現れました。結晶が宙に浮かんで、ゆっくりと回転している。でも、なぜこんなものがここに…

 私は自分の好奇心を抑えきれず、前の晶鉱に少し手を触れました。その一瞬で、私は謎の異次元空間に入り込んだような気がした。あたりは真っ暗だったが、目の前に青い炎が浮かび、それから、耳元で見知らぬ人の重い声が聞こえた。

【哀れな魂よ―汝、命を失いたくなければ、疾う疾うこの村を離れろう!】

 その言葉を聞いた直後、私はなぜか意識不明の状態に陥ってしまいました。目が覚めると、自分が再び寺院の二階に戻ってきた。

「何なんだ、今のは……夢か?しかし、この不思議な感じ、そしてあの忠告…なんか嫌な予感が……えっ?!ちょっ…嘘でしょう!もうこんな時間?まずい、帰らなきゃ――!」

 私は窓の外の空を見て、びっくりしました。まあ、あの尼僧が見つからなければ仕方がない。私も急いで寺院を出て、自転車で家に帰りました…


 一方、村長さんの祝宴も、華やかな花火でお開きになりました。招待されていたお客さんたちも、次々と去っていきました。ところが、何人かの村人が帰る途中、突然数人の兵士と、将軍を先頭とした軍隊が現れ、ゆっくりと近づいてきました。

「いやあ~今日は楽しかったぜェ!このような飲み放題の幸せな時間が、永遠に続けたいなぁ~……あれ?!」

 見たこともない軍隊が自分たちの前に立ちはだかっていることに気づくと、酔っ払った村人たちが体を揺らしながら悪態をつき、彼らを睨みつけていた。

「…おいおい~道をふさいでいるぞ、どけどけ!あっ、ひょっとして、村長さんの誕生会に行こうとして、道に迷ったのか?ほらよく聞けよ、お前ら。今から行けば、皿洗いや残飯の片付けを手伝いに行こうと思ったら、まだ間に合うかもしれんぞ~あはははっ――!」

 それを聞くと、周りにいた仲間たちも思わず吹き出しました。しかしこのとき、兵士たちを率いていた隊長も、なぜか笑みを浮かべていました……

「…ほーお~そうか、今日はこの村の御頭さんの誕生日か?なら確かお祝いする価値がありそうだな~実は俺様も、ここの村長さんのために贈り物を用意したんだ。でもなぁ、あいつ一人だけがもらったら、結構つまらないだろう!こういう楽しいことって、やっぱここの皆さんと分かち合うべきなんだよな。そうだろう?」

 それを聞いて、うとうとしていた酔っ払いたちが目を輝かせました。

「ぉお~マジかよそれ。よっしゃあ~!今日はめっちゃツイてるぜ!村長パーティーに参加できて、無料のバイキングまであるって、しかもプレゼントまで貰えるのか?それじゃ、一体どんな贈り物なのか、おい。いつまで隠してるつもりなんだよ?ほら、さっさと出せ!」

「やれやれ…焦ったんだな、お前ら。まあ、実はべつに珍しい贈り物じゃねえけど…でもな、みんなで楽しめることは保証できるだぞ!」

 話が終わったら、この男は背後から武器を取り出した。相手が突然真剣になってきたことに気づいた酔っ払いたちは、少し正気に戻って、顔色もいきなり変わってしまった…

「なっ?!…おいてめぇ、一体何をするつもりだ!」

【えへへ~さて、本物の宴が始まるぞ!この地獄への切符を、お前ら一生最後の贈り物と思って、しっかり受け取ってくれるよなぁ――!】


 ずっと台所で忙しくてたのルークは、炊きたてのアヒルの丸焼きを食卓に並べると、お肉の美味しい香りが居間に広がった。

「ふう~よ―し!これでおかずは全部そろったぞ。あとであの『お姫様』が帰ってきたら、一緒にご飯を食べよう!」

 マティナはきれいなタオルを持って、ルークに顔の汗と汚れを拭き取らせます。

「はい、お疲れ様。ねぇあなた、先日買ったケーキは?」
「うん?!ああそうだ。ったく、なんと忘れちまった……おっ?!」

 ルークが台所の冷蔵庫にケーキを取りに行こうとした時、自分の娘が大事そうに持ってきた。

「ねぇパパ、ケーキ持ってきたよ~^^」(手が震えている
「?!ほら気をつけて、あとはパパに任せておいて(ケーキを受け止める)…あれ?もう置く場所がないんだ……んじゃ、しばらく隣のテーブルに置いておくか!」

「…っていうか、なんか今回の量が少し多すぎじゃない?四人分と言っても、さすがにこれは……」

「うん?あははは~―!なに、そんなこと心配すんなって!食べきれなかったら、残った分は明日でも温めて食べ続ければいい。それに何よりも、娘の誕生日はな、毎年盛大にしなきゃなんねぇよな~!ほら、そうだろう?マルコちゃん♪~」

「うんうん!ヾ(❀^ω^)ノ゛」

「…はぁ~参ったわ……はいはい~好きにしろよ」

「?!ぉお~本当に好きにしていいのか?今その言葉をずっと待ってたんだ!そんじゃ、今から上質なワインを取りに行くからな!」
「えっ?!こら、待ちなさい!ぁあもう~コイツったら!」
「うう~お姉ちゃんいつ帰ってくるの?マルコお腹がもうペコペコだよ…」

 それを聞いたマティナは、やさしくマルコの頭を撫でる。

「ほら、もうすぐ帰ってくるから、すこし待っててね~」
「うむ…わかった……ねぇママ、あの色とりどりの小さな蝋燭って、どこに置いたの?ケーキの上に飾りたいなぁ~^^」
「えっ?!今ですか?……ちょっと早すぎでしょ…」
「ねぇ~お願い~―」

 マルコがママの手を揺らして甘えるんです。

「……ぁあもう~分かったわよ。引き出しに入れてあるから、今持ってくる。ただし~蝋燭をともすなら、お姉さんが帰ってくるまでね~」

 そう言って、マティナはカウンターに向かいました。

「は―い~!えへへ~自分のかわいい似顔絵ケーキを見た時、お姉ちゃんはどんな顔をしているのかなぁ~」

「…やあ~きょうはこれだけで…うん?」

 ルークが酒を運んできたとき、マルコはケーキの縁に小さな蝋燭を立て始めていた。

「…おおっ、動きが早いなぁ。ずいぶん待ったんだろう?」
「うんうん^^」
「でもな、マルコ、何本立てるか知ってる?」
「あれ(´・ω・)ノ…そう~だよね。じゃあパパ、これ何本挿しますか?去年はたしか……えーと~」

 マルコはその蝋燭のをつかんでいた小さな手が、ぴたりと止まった。

「ほほ~…今年は八本挿しますよ」(撫で撫で
「ぉおう~わかった( ˙꒳˙)!」

 答えをもらうと、マルコはまた働き始めた。しかし、それを聞いたマティナは、なぜかいきなり小さくため息をつきました。

「ほんと、時間がたつのは早いもんね…いつのまにか、あの子も八年間、私たちのそばにいてくれたんだ~」

「あの、姉ちゃんの本当のパパとママのことって、まだ何の便りもないの?」

 マティナは仕方なく首を横に振りました。

「ぇえ…実は私たちも、ずっと村の人たちにひそかに情報をたずねていたのですが、しかし今まで、なにも……」

「そんな……自分のママとパパと一緒に暮らせないなんて、姉ちゃんかわいそう~(Q^Q)」

「うん?おいおい…急にどうしたの?君達。娘の誕生日にそんなことを話して、本当にいいのかよ?もし彼女が戻ってきて、その顔を見せたら、夕食を食べる気持ちがまだあると思うのか?」

 ルークにそう訊かれると、マティナとマルコは急に口をつぐみました。

「そうだよね…ごめんね、あなた…」
「パパ、ごめんなさい…」

「はあ~…とにかく、誕生日パーティで、しかめっ面をしては禁止、そして喜びの気持ちと笑顔にしな。分かったか?」

「……わかった^^!」
 二人は指先で口もとを押し上げながら、ぎこちなく笑って言いました。

「よし!おっ、あと一本か……じゃ最後の一本は、パパに任せてな~」

 ルークはケーキの置物を見て、少し考えた後、娘の手から蝋燭を取り上げた。

「えっ?!ねぇ、何をするつもりなの?」
「えへへ~パパはな、今自分なりの方で、『楽しい雰囲気』を醸し出すぞ!」
「それ…どういう意味?」
「ほら、よく見ろよ!最後の一本ってな、こういう挿してこそか正解だ――!」

 ルークが手に持っていた蠟燭を素早くケーキの上に立てたとき、二人はその言葉の意味を悟ったようだった……

「?!こっ、これは0///0…」
「うふ…あははは~!パパ意地悪すぎるよ、あはははは~―!!」

 マルコはそれを見てから、腹を抱えて笑いました。

「へへ~どうだ?こうすれば、きっと彼女を驚かすことができるだろう~」

 まあ、蠟燭をケーキに立てることは普通のことですが、しかし、彼が蝋燭を挿入した場所は、どこか言いにくい箇所でした…

【ねぇあなた…今ちょっと二人だけで話したいことがあるんだから、私と台所についてくれるっていいかしら~^^】

 この一瞬、マティナの全身から、急に不気味な気配が漂ってきました。それを気づいたルークが、すぐにその蝋燭を外しました…

「?!…い、いや~結構です!ほら、やっぱここで我が娘を待っている方がいいと思うなぁ~(;゜3゜)」

=【…ゴゴゴ―ゴゴゴゴドカン!】=

 次の瞬間、外で大きな音がして、居合わせたみんなを驚かせました…

「?!びっくりした……一体何かあったの?」
「まぁ、きっと花火の音だろう。忘れたのか、今日も村長さんの誕生日だぞ!」
「そっ、そうなの……ところで、あの子はまだ帰ってこないわね。まさか道に迷ったかしら…」
「うんうん。マルコも心配たよ……」

 マルコは椅子に座って足を動かし、両手で小さな顔を抱えていました。

「…し、しかし…前に山に行って薬草を採り時も、よく連れていったし、しかも行ったり来たりしても同じ道だった。それに、彼女は何度も自分一人で行っているじゃないですか!」

「はいはい~…少し落ち着け。俺が今探しに行く。もしかすると、彼女もすでに帰る途かもしれんな」

 妻と娘が心配そうな顔を見て、ルークは椅子の背から上着を提げて身にまとい、それから明かりを手に持って、家を出ようとしました。

「じゃあ、気をつけてね」
「パパ、行ってらっしゃい。知らないオオカミさんにだまされちゃだめだよ!」
「なんだそれ…んじゃ、行ってくる。……うん?!」

 彼が玄関に近づいた突然、村人たちの悲鳴が耳に響きました……

「ばっ、化け物だ!!ぐああぁぁ――!!」
「やっ…やめろ…誰か、助けてくれ!やああぁぁ~――!!」
「ギーー?!はっ…早く逃げろ――!!」

「?!いっ…今の声…」
嫌な予感がどんどん近づいてくると、ルークの顔色が一瞬で変わった…

=【…ゴゴゴゴゴゴゴ―!!】=


 ふう~やっと山の麓にたどり着いた!ずっと自転車を踏みながら、足の筋肉が痛くなってきた。でも今は雲がいっぱいで、もう雨が降りそうだ。急がなくちゃいけないよね!

 まさか自分はそう思いながら道を急ぐ時、突然街中に火花と煙が立ち上り、しかも激しい爆発音が聞こえてきた……

「?!こ、これって…一体どういうことなんだ…」

 こんな驚くべき光景を見たとき、私は本当にビックリしました。でも今の私は、自分の家族に何かが起こるのではないかと心配しているから、他のことは考えずに、ずっと前に進んでいった。しかしその道中で、気がかりなことが…

 目の前に現れた村人たちは、次々と血に横たわり、周りの建物も知らない者たちに破壊されたんだ。私ちょっと生存者を探してみたが、残念ながら彼らはもう…

『…うっ、うそだ…なんだよこれ…?!』

 その後、遠くから何度も大きな音が鳴り響きました。そして、今度の爆発の場所は、なんと私の家の方向だ!!

【いや…何なんだよ、今のは……そんなことって、きっと嘘だよね…】

 心が乱れて、私は家族の無事を祈りながら、自転車で家の方に向かいました。でも、きっと大丈夫だと思います。いくらなんでも、彼らその実力で、たとえ目の前にどんな危機があっても、きっと妹を無事に連れて逃げられる力があるはずだ…

 うんうん、大丈夫。皆が無事であれば何よりだ!
 と思った瞬間、自転車の車軸を支えるチェーンが急に切れた。そのせいで、さっき山で摘んだばかりの薬草や弁当もカゴから落ちてしまった。私自身もバランスを崩して転び、右足をすりむいてしまった。しかし……しかし、それでも私を止められない―!

 あと少し…もう少しだ……

 そのまま怪我をした体を抱えながら、やっと家の前まで辿り着きました。でも…ここはまだ私の家なのか――

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