12月13日は「大掃除」開始の日です。
アメリカやイギリス、ドイツでは大掃除はするの?
現代では12月は忙しすぎて、大掃除ができない人も多くなっているようですが、それでもやっぱり12月に入ると「今年こそは大掃除しないと」と言う気持ちにはなりますね。
そういえばいつから大掃除が日本人にとって共通の行事になったのでしょうか。
「それはだって1年の終わりだからでしょう?」
と僕は人類にとっての常識であるかように思っていましたが、調べてみると世界では、実はそんなに大掃除をする習慣がないんです。
アメリカでは、
「なんでわざわざ寒いときに掃除するの?」
と極めて合理主義な考え方だそうです。
イギリスには大掃除の習慣はあります。
これは有名で「スプリング・クリーニング」と呼ばれていて、名前のとおり冬ではなく「春の大掃除」です。
春になって冬の間に使った暖炉の掃除とともに、部屋の大掃除をするようです。
ドイツには大掃除の習慣はありません。
毎日掃除するために、ヨゴレないから大掃除の必要が無いらしいのです。
こうみると「年末大掃除」は、やっぱり日本独自の文化なのですね。
江戸時代からはじまった大掃除
では、日本は、なぜ、寒い12月に大掃除をするようになったのでしょうか?
大掃除をやり始めるようになったのは、江戸時代からといわれています。
はじまりは江戸城でやっていた大掃除が一般にも広がったのだそうです。
当時は、かまどを使っていたので「すす払い」といわれていました。
期間も決まっていて、12月13日から12月31日まです。
この期間は、大掃除とともにお正月の準備期間でもあったようです。
江戸城ではじめた大掃除が一般にまで広がったわけですが、それがなぜ、日本の文化として定着したのでしょうか?
その理由は、大掃除をする目的そのものにあったのです。
「年神様」をお迎えするための国家行事としての大掃除
では、そもそも年末大掃除はなんの目的ではじめたのでしょうか?
それは、新年に「年神様」をお迎えするためだったのです。
「としがみさま?」
今ではあまり聞いたことがない名前ですね。
年神様というのは、一年を司る神様です。
主に「豊作」と「家内安全」の願いを聞いてくれます。
現代で言えば、豊作は「ビジネス発展」かもしれませんね。
お正月自体が、年神様をお迎えするための最重要行事であるのです。
門松は、年神様が入り口に迷わないためにつける目印ですし、しめ縄は、年神様が出入りする入り口、つまり結界の役割をします。
鏡餅は、やってきた年神様が、座る場所です。
年神様が宿った鏡餅を割って家族で食べることで健康が守られると言われています。
昔の日本では、年神様をお迎えすることが最も大切なことだったのですね。
神様をお迎えするためには、まず環境を清めるために大掃除がされていたのです。
それは、寒くても忙しくても12月にやる必要がありますね。
1年間の汚れをとって、翌年の豊作の願いと感謝を込めて「年神様」を新年に迎えるために、大掃除をしました。
まさに開運のための大掃除だったのです。
実際に江戸の街はキレイだったようですし、その環境整備の精神が長い間、江戸を繁栄させていました。
国家開運のための日本の行事として、年末大掃除をしていたんです。
すごいと思いませんか?
大掃除によって夢をかなえる集中空間をつくりましょう!
現代に置き換えると、12月13日には内閣総理大臣がテレビ放送を通じて、国民に開運を目的とした大掃除開始宣言をするようなものです。
そう考えると大変なことを江戸時代はやっていたということですよね。
やっぱり長く発展を続ける国や企業、家庭は環境がキレイなのです。
逆に、破滅滅亡するときは環境が乱れます。
ローマ帝国が滅亡するときも、街中、ゴミが溢れていたのだそうです。
倒産する会社も汚くなるし、離婚する家庭も同じく部屋が乱雑になっていきますしね。
そうじ力的に解釈すると、乱雑で汚い部屋に住んでいる人は「あれもこれも」と迷うことが多くなり、エネルギーが分散していきます。
取り組んだ仕事や実現したい夢も、中途半端で挫折します。自己実現能力が著しく低下するんですね。
一方、キレイでスッキリした空間に住んでいる人は集中思考になって、自己実現能力が高まり、集中して夢をひとつひとつ実現していきます。
江戸時代には国レベルで集中空間を作っていたことになります。
265年間発展繁栄し続けたわけですね。
さあ、今年こそは、1年間で滞ってしまったエネルギーを一掃し、2021年に向けて集中空間をつくって夢を叶えるためにも、年末大掃除をしていきましょう!