・ビバリー・ヒルズコップを久々に視聴して
P:もう本当に下手すれば地上波以来、二十年ぶりくらいの視聴になる。親友のT君を招いて年末年始に刑事映画&アニメフェスを個人的に開いたのだが、彼が普段以上のアルコールを摂取してダウンしてしまったので、視聴候補である今作は見るに至らなかったのだ。
なんならこの機会に子供の頃見たビバリー・ヒルズコップをもう一度視聴しようと思った次第なのである。
評点は90点、個人点となる【はなまる】を差し上げる。やっぱり面白かった。エディー・マーフィー、あんたは本当に最高やで。
R:本作は1984年に公開されたエディー・マーフィー初主演作品となる、刑事モノの映画である。
定番のカーチェイスに始まり警告なしにぶっ放すガンアクション以上に、エディー・マーフィーが演じるアクセル=フォーリィ刑事(CV 山寺宏一?)のマシンガントークが冴え渡っている。
シナリオ設定としてはいたって王道で、優秀だが素行に問題のある刑事が、久しぶりに再会した幼馴染を殺害され、その復讐のために休暇を取って事件の捜査を開始するという話である。
車のマフラーにバナナを詰めてエンコさせたり、ハッタリかまして素性を誤魔化し通すなど奇策の限りを尽くす主人公に笑いが止まらない。目的こそ復讐だが決してダークな雰囲気を与えず、コミカルかつシメるところはシメるメリハリの効いた脚本演出になっている。
視聴時間トータル100分と短く、ラッシュ・アワーよろしく前半部分は捜査そのものというよりも、捜査を妨害してくる地元の刑事とのやりとりがメインになるが、実はそのやり取りそのものが伏線となり、後半に活躍する脇役の刑事であるデカード部長刑事やビリー=ローズウッド刑事らの個性を引き立てている点も抜け目がない。
いわゆるヘイトを買うようなキャラもヴィランに限られており、尺の都合か物語としてはいささかあっけない幕切れとなったが、それでも爽やかな視聴後感が得られる名作となっている。
E:前述したラッシュ・アワーとは異なり主人公こそ一人だが、仲間となるもうひとりの幼馴染のジェニーや地元の刑事二人の協力体制もアツい。案の定囚われのジェニーが人質となり、アクセルがピンチに陥るも乱入してきた警部補らに合わせて蜂の巣にされるヴィクターに涙が止まらない。
散々悪役冥利に尽きる立ち回りをしておきながら、ラスボスとしてはあまりにもあっけない。中ボスのショットガン男との戦いのほうが命をかけたヒリつく銃撃戦が味わえたのにと思わざるを得ない。
しかし結局のところヴィランたちは主人公の引き立て役が物語上の機能であり、それ以外のものであってはならない。
そういった意味ではこれくらいでいいのかもと思えなくもない。
P:本作は思い出補正もあったのか、他の作品ではストーリ進行上意味の薄いと判断したシーンは初見であっても容赦なく飛ばす私であったが、今作はほぼ飛ばさずに視聴することができた。
これはシナリオメイキングにおいて、無駄な演出を控えて尺を効率的に使うということができている証左に他ならない。
私自身もこういった無駄のないシナリオメイキングをしたいものである。
久々に視聴する機会を得て、新たな気持ちで本作品を楽しめたことは僥倖である。今後もエディー・マーフィー主演の作品を視聴し続けていきたいと思っている。