焙煎度による圧力の変化について
前の記事「圧力について」では
ROKPRESSOで一番コントロールに苦戦する
二つの圧力のコントロールについて書いていました。
今回書くテーマは「焙煎度と圧力」
焙煎度によって、様々なポイントがずれてきます。
9気圧まで内圧を高めるためには、どうすればいいのか、を焙煎度の変化によってまとめてみました。
ROKPRESSOの圧力
ROKPRESSOは、水と粉を触れさせ、ガスが放出され、上から押し込む事で、バスケット内の圧力を上げていきます。
これは、粉が粗ければ「サッと」落ちていき、力が流れていきます。
粉が細かければ、水は詰まり「グッと」、反発力のようなものをレバーに感じるようになります。
実際、レバーを戻す時に「跳ねる」ように上へ戻ります。
ずっとROKPRESSOを使っている方は、こんな疑問を感じたのではないでしょうか?
浅煎りだと軽かったのに、深煎りだと固い。
焙煎によって若干圧力の掛かり方が変わっている。
僕がこれに気づいたのは、同じ豆の焙煎違いを淹れている時だったと思います。
最初は、焙煎度違いで味にどんな違いが出るのかなと思っていましたが、感触から全く違う事に驚きました。
同じ「圧力」を作る事に苦戦し、焙煎度での圧力の変化をどうコントロールするか、
一つ目、挽き目
細かくしていくと、より圧力を掛けることができます。
二つ目、圧力の上昇率
初めから最高圧力に持っていくようにするのか、緩やかに上昇するのか。
グラフの形を変える事で、味が変わります。
三つ目、エイジング
焙煎された豆は、日が経つほどにガスが抜けていき、クレマを出す事が難しくなってきます。これも焙煎度によって、最適なタイミングが変わるので、注意点です。
四つ目、量
多ければ固く感じ、少なければ弱く感じます。
僕はあまり変えないポイントですが、マニア向けの抽出などをするときに変えるポイントです。
三つの焙煎度のまとめ
浅煎り
まずは、一番浅い焙煎の豆をROKPRESSOでするときに気をつけていることをまとめていきます。
浅い焙煎の豆は、焙煎プロファイルによって、多様な焙煎アプローチがあり、プレス出来る(エスプレッソで良い味が出せる)ものと出来ないもの(ROKPRESSOでは厳しい)があります。
なので、ROKPRESSO初心者の方にはオススメはしない豆です。
「浅い」ということは、「水分だけを綺麗に抜く」ということを一番に考えて焙煎されているのではないかと、焙煎士と話していると思います。
その上で、香り、クリーンさ、甘さなどの豆の引き出しを短時間でまとめることが意識されています。
ポイントは三つ
1、繊維が硬い=砕けにくい ➡︎ 挽き目をより細かく
2、ガスが少ない=豆の量が少ない ➡︎ 豆の量を多くする
3、ガスが少ない=日が置けない ➡︎ 長くても7日までに淹れるのがベスト
繊維が硬い
コーヒー豆の繊維が伸びきる前に、熱を中まで通しているため、かなり硬い状態の豆がほとんどです。手挽きミルで一回挽くだけで疲れます。笑
ガスが少ない
繊維が伸びていないことは、隙間が小さく、与えられた熱の時間が少ないため、ガスの含有量が少ないです。
ガスの含有量が少ないため、ガスが抜けていくのも早く、焙煎日から7日までに抽出するのがベストかなと感じます。
例えば、こちらの浅煎り
いつも通りの、挽き目(ザッセンハウスのミル中煎りポイント)と豆の量(15g)で抽出すると、こうなります。
抽出が20秒ぐらいで終わってしまい、プレスしてからも落ちるのが早く、内圧が作れていません。改善が必要になります。
レシピを修正し、今度は、挽き目をより細かく(3クリック)、豆の量を増やして(15.5g)いきます。
するとこうなります。
動画見るとわかると思いますが、最初のものとは、点滴の落ち方に粘性が出てきたと思います。それは、バスケット内で内圧が高まり、乳化をしていることになります。(途中、扇風機の風でなびいています。笑)
抽出後のクレマにも、その感じが表れていて、少し色も濃ゆくなりました。味も香りも、これ以上は責めていけないギリギリのポイントになり、この豆としては良い一杯になりました。
これが浅煎りを淹れる際の基本的なポイントです。
中煎り
中煎りは、お店によっては浅煎りの焙煎度に入るようなものも並べられているので、判断基準が難しいです。シワが少し残っていて、豆に膨らみを感じるものが、中煎りになるのではないかと思います。
ROKPRESSOでは一番淹れやすい豆です。
レシピはこの焙煎度を基準に作っていくほうが良いです。
そうすれば、焙煎度によってポイントを合わせやすくなります。
浅煎りから始まったので、浅煎りと比べると
挽き目を、浅煎り一発目のポイントに戻して、豆の量を15gに戻します。
中煎りではこちらの豆を使います。
抽出するとこんな感じになり、茶色に濃ゆい色模様が通ります。
通称「タイガースキン」と言われ、良いエスプレッソの一つの目安とされ、この焙煎度で出やすくなってきます。
動画を見ると、浅煎りでは速かった抽出が、バスケット内で圧力がしっかりと作られ、じっくりと落ちてきます。
ガスの含有量が十分にあり、エイジングもちょうど良い、飲み頃のポイント
内圧と外圧をバランスよく作りやすい焙煎度なのでオススメです。
中深煎り
この焙煎度は、エスプレッソの世界にのめり込む人が愛すポイント。
そして、ROKPRESSOでも、手動の世界を広げてくれるポイント。
僕が焙煎するときも、照準はこのラインにあります。
中煎りよりもガスが多く、そして細かい。
圧力をしっかりと掛けることができ、エスプレッソならではの深い味わいを引き出してくれます。
挽き目を少し荒く
中煎りよりも、熱が与えられているので、繊維が砕けやすくなっています。
豆の量はそのままに15gで抽出します。
中深煎りでは、こちらの豆を使います。
豆も膨らみがありツルツルしていて、シワもしっかりと伸び、焦げ茶色をしています。
油が滲みでるか出ないかぐらいのポイントが、中深煎りになると思います。
エイジングも長くできて、短くて20日、長くて1ヶ月ぐらい、眠らせることができます。
抽出するとどうなるか
クレマも濃ゆくなり、そして動画を見るとエスプレッソが三層になっているのがわかります。この、トロリというより「ドロリ」として感じが、中深煎りの特徴です。高い圧力が長く掛かることにより、アロマがしっかりと出てきます。三層の一番下に眠るアロマをしっかりと抽出できている証拠で、飲み込んだときに口や鼻から抜ける香りに表れます。
まとめ
最初の四点をまとめるとこんな感じです。
挽き目
細かい 浅煎り<中煎り<中深煎り 粗い
圧力
掛かりにくい 浅煎り<中煎り<中深煎り 掛かりやすい
エイジング
短い 浅煎り<中煎り<中深煎り 長い
豆の量
少ない 中深煎り<中煎り<浅煎り 多い
ROKPRESSOでなかなかクレマ作れない、や、豆を変えたら感触が変わった、という方など、「圧力を作る」参考にしてもらえると嬉しいです。
これが、僕が普段の抽出で気にしているポイントです。
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ROKPRESSO MAGAZINE 2nd stage.
手動エスプレッソマシン「ROKPRESSO」から「ESPRESSO」を作るときに考えている事を文字にしています。 30mlの液体から生ま…
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