見出し画像

分☆析★白書 ~オレみたいになるな!しくじった事業の分析編~vol.2

第1部 コインランドリー

保有しているデータで分析してみた!の巻

Ωあらすじ

2017~2020年の間にコインランドリー店舗をオープンした。
しかし、2020年7月に撤退。
果たして、なぜダメだったのか?
どうすればよかったのか??
データ分析をもとに紐解いていく!

Ωシェア拡大できていたのか?

前回Vol.1にて、
【売上×天気】で相関関係を見てみました。
運営startから撤退までの期間、
コインランドリーを利用してもらう
市場シェアは拡大していたのか?
移動平均で確認してみます。

(★Dr.Sのためになる統計学入門)
  ☞移動平均とは、時系列データの傾向変動
  (トレンド)を把握する際に用いられる。
   売上や株価など中長期的に上昇傾向なのかが可視化できる。   

時系列データ:移動平均3ヶ月
時系列データ:移動平均6ヶ月

えっ?
むむっ??
オープンしてから撤退するまで、
ほとんど上に伸びてないぞ。。

移動平均6ヶ月の赤い枠の期間は、
ボトムアップできているが、
上限値伸びてないぞ。。。

ということは、
1)出店した地域、商圏内でのコインランドリー利用率に変化はない?
 (需要を喚起できてない)
  ※ただし、リピート率は多少増加したと解釈できる。
2)従来利用していた競合店のユーザーが、当店を利用していたのでは?
  ※コインランドリー利用率が一定だとすると。
 (競合店から顧客を奪った)

上記のような仮説が生じる。

店舗位置関係
※当店は矢印のあたり

競合店との直線距離では、1km近く離れており、
下の店舗との間には、踏切があり商圏は分断されている。
 ※ランチェスター戦略:地域戦略の商圏を分ける条件(鉄道と道路)

立地上では、上下2点を利用されていた消費者が
「当店の方が近いから」
という理由で利用していたということか、、、

Ωアンケート調査を検証

運営しているとき、
店舗内に紙のアンケートを置いて、
任意で書いていただけるものを来店していただいた
ユーザーに対応していただいた。
その結果を改めて統計的な視点から分析してみる。
 ※質問は自身で作成しました。

当店をどのように知りましたか?
認知:縦棒グラフ

認知経路として
アナログの【交通・近所(店舗の看板やのぼり)】で
約6割を占めている。
店舗自体が広告となっていたのと、
商圏が限られるコインランドリーにとっては
この数値は当然の結果だろう。

また、【ネット】経由は
特段SEO対策やリスティングはやっていなかったので、
Googleマップでの検索かと思われる。

【チラシ】はポスティング。
ラクスルでチラシを印刷して、
店舗に配送してもらい、
自分で商圏内を歩いてポスティングしていた。
平均2.5ヶ月に1度。
資金に余裕があれば業者に頼んだり、
毎月しても一定の効果はあるかもしれない。

商圏内は戸建てが7割近くを占めていて、
ポストに投函するために玄関まで近づいたとき
ワンちゃんの存在に気づいておらず、
「グルルッ、ワン!ワン!!」
と突然怒鳴られて
「うわぁ!?」っと声出してびっくりしたな~

今までコインランドリーを利用したことはありますか?

時系列データの移動平均で、
従来競合店を利用していたユーザーが
当店を利用するようになったという仮説2.の
立証する根拠となる数値かもしれない。

ただし、あくまで過去に利用したことがあるかどうかという
質問のため、確証と断定はできない。
 ※アンケートの質問の仕方が
  データ分析を前提としたものでないと
  「参考」レベルにしかできない。

当店をどのくらいの頻度で利用されていますか?

3日~週1日で利用していただいた
ユーザーの相対度数は0.52
この数値はありがたい数値ですが、
アンケートに回答方法が任意であり、
回答していただいた方が
よくご利用していただいているから
この数値になったとも解釈できる。

当店では何を利用されますか?

店舗の設備は、
・洗濯機8キロ:2台
・洗濯機10キロ:2台
・乾燥機8キロ:6台
・洗濯乾燥機:1台

「ふ~ん」で終わってしまうだけの情報…
これでは何もわからん。

Ωあれ?分析しようとしても…

ここまでいろいろ手元にあるデータで
分析してきましたが、
実は、、、
これ以上
分析できるものがありません!汗

いろんな統計学上の分析手法はありますが、
それ以前にその分析手法に必要なデータがない、、、

コインランドリーというアナログな業種とはいえ、
データ分析のためのデータがないとは。。。
※POSなどあれば把握しやすいですが、
 当時は近しいものもなく。
 いまはあるっぽい。ただ、かなりいい値段(*_*)
 初期投資に加えていたかは微妙なところです

分析に必要なデータ自体がそろっていない。
つまり、必要なデータを取得するための
設計がなされていない。(この自分自身も)

(★Dr.Sのためになる統計学入門)
  今あるデータから網羅的にデータ分析し、特徴を見つけ出す
  →探索的データ分析
  事前に立てた仮説を検証するアプローチ
  →確証的データ分析

  様々なバイアスや検定で誤った判断に
  つながらないように十分な注意が必要なのだ。

当時はそんな統計知識もないので、
そりゃそうです。。汗

Ωデータ分析は魔法?

いま現在保有しているデータだけを分析しても
「課題解決したいこと、わからないことが見える」
「売上向上につながるヒントがわかる」

みたいな幻想的なスキル・テクニックとして
認識されているからもしれません。

ただ、見てもらったように
データは目的をもって設計・収集しないと
手に入りません。
分析もできません。

手元にあるデータを分析しても
限られた情報しか得られない。
「ふ~ん」程度のレベルかもしれません。

まだデータ分析/統計学については
継続勉強・ビジネス応用研究ですので
コインランドリー事業をどうしたら
スケールできるのかは
いろんな企業さんを見ながら考察していきたいと思います。
※コインランドリーで唯一グロース市場に上場してるのは
 Wash Houseさんですね。

ψ番外編ψ ~広告宣伝でやってみたこと~

運営している当時、
店舗認知を目的としてやってみたことはこちらです。

●チラシポスティング
●FB広告(openしてすぐに2回ほどのみ)
●Googleマップ

また、
店舗内イベント、参加費無料で
・F-1グランプリ(ファミコンソフトで誰が一番上手いかを決定する)
・手作りアロマイベント(バスボム/アロマスプレー手作り体験)

こちらを企画。
目的としては、

■未利用ユーザーへの店舗認知獲得
■オフラインプラットフォーム構想の実現(次回、記載予定)

手作りアロマイベントは、
原材料費やアロマインストラクターの費用は
全額当社負担で
参加人数は限定でやってみました。

手作りアロマ体験イベント
※都合により画像は編集しております

意外と好評だったのと、
当日は自分も参加しましたが
おもろかったです!

次回、第1部コインランドリー vol.3!
売上予測分析とデータ分析のために重要なこととは?の巻
ダテにしくじりしてねーぜ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?