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終活をするのはまだ早い?始めるべき理由と2つのポイント

考えたくない万が一、でもいつか必ず起きてしまう万が一。

大切な人の万が一なんて考えたくないものだけれど。
お葬式のことを話し合うなんて縁起でもない、と避けてしまいがち。
しかし、そういう日が来るということは、この世に生を受けたその日から決まっているのです。それも、いつ、どんな時にそうなるのかなんて、本人にもわからないこと。

まだ、元気なうちは大丈夫。

でも、元気な今だから考えられることや、事前に考えておいたからこそできることもたくさんあるのです。

お葬式は残されたご遺族が、亡くなった人のためにできる最後のこと。そういう日が訪れたとき、悲しい気持ちと向き合いながら、さまざまな準備や手続きを行います。もしも今日、家族が危篤を告げられたとしたら?回復の見込みは薄く、処置の限界を告げられてしまったら…回復の可能性を信じながらも、迫りくる最期への覚悟も必要になります。そんな時、冷静に物事を考えられるでしょうか。身の回りの準備は?お葬式は?費用は…?

保険・互助会の証券、通帳や印鑑がどこにあるのかも、本人だけが知っている場合、慌てて探す必要があります。悲しんだり、思い返したりする時間はどこにあるでしょう。それでも後悔のないお別れができるでしょうか?

お別れまでの限られた時間の中、心残りのないお見送りをするために必要なのが事前準備なのです。
必ず押さえておきたいポイントは大きく二つ。

1.       葬儀社を探すこと

 現代では多くは病院や施設でお亡くなりになる人が多く、そういった場合は病床や部屋を空けるために移動を急かされるケースが多々あります。病院や施設側から紹介を受けることもありますが、後に高額な請求につながる可能性もあるので、安心できる葬儀社を決めておくだけでも安心です。また、病院や施設からご自宅でご安置するのか、それとも式場でご安置するのか、故人様のお帰り先まで決めておくとスムーズです。

【葬儀社の探し方】

・病院からの紹介
・知人の紹介
・広告
・ネット検索
・葬儀社を紹介している会社からの紹介(葬儀の窓口は、これにあたります)

アクセスの仕方や式場の雰囲気、予算などから気になる葬儀社があれば、相談の電話をしてみるのもいいでしょう。事前に予約をすれば式場内の見学もさせてもらえます。葬儀にかかる費用や、寺院様へのお布施の目安もわかります。あらかじめ必要な費用を準備でき、また反対に予算に応じた葬儀の内容を相談しておくこともできるので、万が一の時、突然のことで気が動転した中でも心にゆとりが生まれます。自身の葬儀について考える場合でも自分の希望や想いを反映した内容で依頼ができ、安心です。

2.       遺影写真を決めておく

遺影写真とは、故人の生前の姿を映した写真や肖像画のことです。

亡くなった人の顔写真や肖像画を残す習慣ができたのは江戸時代。浮世絵が遺影のはじまりと言われています。礼服をまとった引き締まった表情での写真から、近年ではそれぞれの思いや個性を反映した写真が主流となりました。旅行や出かけたときなどの思い出の1シーンを使用することもあるようです。

従来は亡くなってから準備するのが一般的でした。葬儀の準備に追われる中、遺影にふさわしい写真を探し、写真会社に背景を合成してもらうなどの作業を葬儀までに済ませなければなりません。

元になる写真はなんでもいいという訳ではなく、顔が傾いていたり、目線がこちらを向いていなかったりと簡単に見つからないもの。お葬式の準備は時間が限られているため、急遽探すにはなかなか難しいことなのです。

【写真選びのポイント】

 ・ピントが合っているか
(背景や服装、一緒に映り込んでいる人などは、遺影らしく加工することは可能)
・故人が大きく映っていること
(引き延ばした際にぼやけてしまうこともあるので、大きく映っているものを選びましょう)
・遺族が気に入っている写真であること
(一番は遺族が故人の写真として気に入っているかどうかも大切。ご葬儀後の法要や日頃仏壇に手を合わせるときにも故人の写真を見ながら偲ぶ機会も多いからです)
・できるだけ新しい写真を選ぶ
(亡くなった年齢まで生きた証にもなりますので、できるだけ最近の写真から探すのがいいでしょう。亡くなる前などの闘病生活などで、様子が変わってしまうこともあるので、いいものがない場合には故人自身の希望や遺族としての希望の気持ちを含めてOKです)

前述の2つのポイントだけでも抑えておけば、少なくともご葬儀についてはバタバタと決めなくて大丈夫なので安心です。

お祝い事のように、事前に時期が分かっていれば、支度を始めるタイミングは明確ですし、心の準備もできます。しかしながら、ご不幸に関してはどうしても突然のことで、前もって用意することができません。取り乱してしまうこともあるでしょう。故人のためにも、残された遺族のためにも、元気なうちから話合っておくことが大切です。


イラスト/野沢菜

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