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ティムールスケープシフト概要と採用カード

■はじめに

タイトルの通り、ここでは最近使用しているティムールスケシの概要と採用カードに関して紹介していきます。執筆理由は自分の思考整理、あとは最近スケシ関連の記事を見ないなーと思ったため。

■ティムールスケシとは

12枚のtime warp呪文(後述)を駆使して土地7枚を並べ風景の変容をキャストするか、イリーシア木立のドライアドがいる状態でヴァラクート含む6枚以上の土地を複数回セットし勝ちを目指すデッキ。

■採用リスト

土地26(山11枚)、クリーチャー4、呪文30

■プレイ指針

大概のデッキ相手はこちらが受けに回る。火+氷、差し戻し、成長のらせんの12枚を駆使して擬似的なtime warpを繰り返しセットランド権を得続ける。(以下この12枚をtime warp呪文と呼称)
コントロールデッキのように盤面を完全に掌握する事が目標ではなく、あくまで勝利条件に辿り着く事が目標。とにかく土地7枚又はドライアドが絡む噴火まで生き残ることが最重要課題。
ただし一部のデッキ相手は徒競走になる。例としては緑トロンやアミュレットタイタン。time warp呪文は走ってる相手の足元にバナナを投げつけて躓かせるカードなので積極的に投げつけよう。


ここからは個別カードの話。

■溶鉄のなんちゃら、ヴァラクート

漂流自我の指定で名前をはっきり言われないがち

基本的な話は省略。うどん氏がヴァラクート噴火システムの全てを語ってくれている最高の記事があるのでそちらを参照されたし。
ヴァラクートの噴火システムと噴火ケアについて - 麺類メモ/Udon's Memo (hatenablog.com)
今回は青スケシ視点から見えるヴァラクートという風景について書き散らす。

青スケシに入る山の枚数は11〜12枚。26〜27枚の土地の内、7枚並べた上で風景の変容をキャストするという事は、7枚土地が並んだ時点で場と手と墓地の山の枚数は5〜6枚以下とする必要がある。6~7枚になってしまった場合は、土地を8枚並べて30点噴火を目指す。(山1枚を残してヴァラ2枚+山5枚をサーチで30点)

土地を4〜5枚並べた時点で、ヴァラクートと山を大量に素引きしてる時がある。その際は素起き誘発ヴァラクートによる盤面コントロールに思考を切り替える。6枚以上の山+ヴァラクートが並び、2〜3回ヴァラクートが誘発する状態で盤面を落ち着かせた後、風景の変容をキャストすれば、残りのヴァラクート2枚+山1〜2枚をサーチし9〜18点などを狙う事も可能。(そのままサクった山をレン6で拾ってセットランドすると追加9点)
何が言いたいかと言うと「山引きすぎてスケシで噴火できないえーん」とか言って諦めないでねってこと。

セットランドでプレミすること山のごとし(ヴァラクートだけに)

裏を返せば、対戦相手はスケシ側のセットランドによってプレイ指針が分かりえるという事。RGタイタンでも森持ってくるか山もってくるかで、スケシルートかタイタンルートかで予想がつく事と一緒。

■風景の変容

えもい初版イラスト

一昔前は白日スケシが流行っていたが、続唱デッキが幅を利かせている今では、対策カードとしての3テフェが白日の下ににもぶっ刺さる。ならば直接唱えんとして風景の変容4枚入りティムールスケシを選んだのが理由。
力線の束縛が出た当時いの一番に力線入り白日スケシを握ったが、3テフェに分からされすぎてしまった。
ただ直近ではヨーリオン禁止により4cオムナスが数を減らし、同時に3テフェも数を減らす事が予想され、白日スケシも再び候補に挙がると考えている。

このカードを唱える際に気を付けてほしいのは、解決時にマナを出すタイミングはないという事。7枚土地があってこのカードを唱えるのであれば、解決後に動かれる事を見越して先に浮きマナを出してから唱えた方がよいケースが多い。

■イリーシア木立のドライアド

足立区の公園にいそうなおじさん

イリーシア木立のドライアド込み土地6スケシブッパは先に述べた徒競走相手のみにする(それも大体メインのみ)。それ以外の相手にはスタック除去などリスクが大きいので、返しに負ける以外で、裏目が1つでもあるなら控えること。

このカードをキャストするタイミングについて
・土地が3枚並んだ状態で2回縦置きセットランドできる場合
→このデッキは2マナのカード12枚でタイムワープを狙うデッキであるため、2マナ立てる事が重要
・土地4枚が並んでおり、ハンド又は場にヴァラクートがある+2回セットランドできる場合。最後のセットランドはフェッチが望ましい。
→イリーシア木立のドライアドで誘発する3点を必ず当てて盤面を遅延させたいため。4マナ時点では2マナアクションを2回行いたい場面も多く、またイリーシア木立自体が打ち消されるリスクを考慮し、結果的にこのパターンになりがち。

マナ加速なし3tにこいつを出すのは徒競走してる時に考慮するくらい。

・このカードはエンチャントである事を構築時に意識する事。他のエンチャントやファクト(例えば力線の束縛)を入れる事は、相手にディッチャ系スペルを入れる事に裏目がなくす事になる。ドラコ+束縛のカスクラやサーガ+アミュレット+イリーシア木立のアミュタイを相手にした時の心境を思い出してほしい。

・サイド後は疑似的な月対策にもなる。
気を付けてほしいのは、スタック激しい叱責で追加セットランド権を失っても、虹色の前兆効果はなくならないという事。詳しいことはジャッジに聞いてね。

・本命の勝ち手段はスケシである事を念頭に置きながらプレイする
このカードによってヴァラクートが誘発するタイミングという事は土地7枚まで目前。このカードを使って相手のカードを引き出す、更に盤石な盤面でスケシのプレイを目指す事を意識する。

■火+氷

モダホラ級カード

このデッキをネクストレベルに押し上げた影の立役者。古えの時代、ティムールスケシプレイヤーは青トリプルシンボルを捻出しながら4マナ使ってタップワンドローをしていた。ところが今はどうだ、2マナでタップワンドローし、しかも土地まで寝かせる事ができる。
このカードによって構えながら状況に応じてタイムワープする呪文が12枚体制となり、デッキの再現性が非常に高くなった。

ここでtime warp呪文について言及しておくと、重要なのは
「手数を減らさずに土地7枚まで伸ばす」事である。
ゆえに火/氷の火で倒せる相手も戦闘開始時に氷でタップドローでターンをずらすプレイが多い。(例:ラガバンは放置すると逆に対戦相手が擬似的なタイムワープを得るため火で対処するが、ダウスィーの虚空歩きには火を使わず氷で寝かせてクロックをずらす)

更にこの呪文がすごいのは、稲妻含めて8枚(レン6合わせると12枚)の1〜2マナ圏除去をデッキに入れる事が可能になった事。先手であれば12枚のカードでラガバンを迎え撃つ事が出来、非常に心強い。(後手は腹くくれ)
必要に応じて除去として機能しながらtime warp呪文として活躍するこのカードは正に影の立役者。

更に更に、この火モードが相手のライフを2点削る事ができる事。
土地7枚まで伸ばしてスケシを決めても18点。普通これだけで人は死ぬが、人ではない緑トロンなどはこれでは死なない。そのバケモノ相手にとどめの一撃を刺す役割も担っている。

更に更に更に、これは独創力コンボも用いるテクニックだが、エンド時に氷で相手の土地を1枚寝かせる事で、後半腐りがちな呪文貫きを機能させやすくする事ができる。スケシに呪文貫き採ってる人少ないけど、火+氷4積みなら入れる価値はある。

■差し戻し

打って気持ちいい、打たれてむかつく

古えより存在するtime warp呪文。
使い慣れてない人へ一言アドバイス(自戒を込めて)。
「差し戻しをプレイする時、常に自分の呪文を差し戻す可能性を考えろ。」
例1:スケシに対してピッチでネゲーションされた時、差し戻しでネゲーションを戻してもよいが、盤面的にターンを返しても問題なければ、自分のスケシを差し戻してワンドロー、ターンを返した方がよい。(戻したネゲーションをさらにピッチで切られる可能性がある)
例2:サイド後、ハンドに帳と差し戻し。セットランド権はあるが土地がない。この場合、帳プレイ→帳に差し戻しする事で差し戻しをサイクリングする事が可能。

その他、相手が帳で差し戻しを弾いても1ドローはできる事を忘れずに。

■成長のらせんと探検

スケシ界ではティムールスケシが唯一採用
time warpの蔑称(つまりtime warp)

分かりやすく土地を伸ばすカード。
差し戻しや火+氷を構えて何もなければエンド時成長のらせん。
あまりにデッキにかみ合い過ぎている・・・。

ただサイド後はサイドアウト候補に挙がるカード。
サイドから妨害札を入れるという事は、間接的にtime warpして試合を長引かせる事と同義であり、他のtime warp呪文と比較してもできる事が限られているため、サイドアウト候補に挙がりやすい。
大宮強豪のちょこづけ君の言う通りでした。ちょこづけ、お前は強いよ。

■表現の反復

いずれ投獄されるその日まで

全てのフォーマットに登場するといっても過言ではない最強カード。
・・・というのは一般論で、正直申し上げると、ことティムールスケシについては割と邪魔に感じる場面が多く最強とまでは感じない。

理由は割と明白で、
・基本森を置いている状態でこのカードをキャストすると、立っている色マナに縛りが生じがち。
・ティムールスケシの今のリストにおいては能動的に使える1マナ域のカードが4枚、それも場面を選ぶ稲妻だけ。2マナ圏もリアクションカードが多く、捲れによってはアドが取れない事も多い。
・土地が詰まり気味の時はありがたいが、逆にマナフラ気味になる事が多いこのデッキでは、追放するカードが土地であっても嬉しくない事が多い。

と、実はそこまでデッキにかみ合っていない。
とはいえ後半のトップ時や、苦手なハンデスデッキ相手へのプレッシャーとしては申し分なく、多くのスケシでは4枚採用されている。
上記理由により私のリストでは3枚に減らし、代わりに探検を1枚追加している。

■レンと6番

あ、死ぬのお前じゃなくてヨーリオンなんだ?

項目作ったけど語るに及ばんカードだった。
重なるので3枚採用とかにしていた時期もあったけど、このカードはマジックをする上で避けられない「マリガン」というシステムに対し非常に強い。
言うなればシステムに介入しているカードであるといっても過言ではない。

更に言えば当たり前の話だが、スケシというデッキはセットランド権を行使できないと急に敗北ムードが漂ってくる。土地26枚と大量のtime warp呪文を入れても土地が止まる時は止まる。そんな負けパターンの1つを確実に潰してくれる最強カード。

おまけに火同様、2回マイナスを本体に叩き込めば土地7からの18点噴火の帳尻合わせも可能。

採用枚数は4枚。サイド後含めて減らすことはない。

デッキ構築の注意点として、フェッチの枚数は8枚を下限とした方がよいという事。これは先行2ターン目までにフェッチを引く期待値が1.0を上回る最低枚数であるため。

■稲妻

マジックで一番好きなカード

土屋さんのボルト算を覚えているか。
知らない人は名作「のぶおの部屋」第一回RUGデルバー編を読んでいただきたい。
のぶおの部屋 -第1回 RUGデルバー(前編)- | 【晴れる屋】記事|MTGに関する読み物を更新 (hareruyamtg.com)

このデッキ、というかヴァラクートデッキは基本的にボルト算で、
イリーシア木立ルートではヴァラクートの誘発回数を計算しながらプレイしていく。デルバーならアタックする回数だが、このデッキにおいてはそれがセットランドする回数に置き換わる。

稲妻というカードは特にイリーシア木立ルートで役に立ってくれる。
イリーシア木立の誘発があと1回足りないという事は日常茶飯事だが、このカードはその残り1回を補ってくれる。
ゆえに不必要に相手のクリーチャーやPWに投げない事。放っておいて顔面に投げつけた方がよいのではという事は常に念頭に入れてプレイすること。

■呪文貫き

the 汎用性



火+氷の項で述べたように、相性が良いため採用。
今モダンやってる人は分かると思うけど、呪文貫きが刺さらないデッキは殆ど存在しない。

独創力やメイン血染め月のUR猿が流行っている今、このカードを採用しない手はないと考えている。

この前までは貼る側のデッキ握ってたんだけどね。


特に血染めの月について、貼る側としての心理は「早く基本土地が並べられないうちにポン置きしてイージーウィンしたい」と、こうなる。
つまりサイド後であっても呪文貫きは月に対して有効になる場合が多い。月というカードが対戦相手のキープ基準にもなりえるので尚更だ。

■終わりに

サイドボードカードの選択理由や入れ替え方針などはまた気が向いたら書きます、というかまだ固まりきっていないという実情もある。

ここまで読んで頂いた方、ありがとうございました。(終)


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