【✏】えんぴつ堂#612~#653
使用の手引き… https://note.com/souffle_lyric/n/n0ba1320f658a
ごゆっくりどうぞ!
【612】
【✏️】
凍りついた刻を抱いて
姫君は海深く沈む
寒冷の過去と
争いの未来と共に
氷の中に自らを封じて
懐中時計の鎖は錆びず
歴史は平和へ舵を切った
姫君は今も
何処かの水底で微笑んでいる
災禍を逃れた今の中で
凍れる嘆きを強く背負って
【613】
【✏️】
すきなことがあるひとが
とくいなことをもつひとが
できることをしているひとが
うらやましくなったから
資料請求?一日体験?
何でもいいんだ
さがしてみようって
行動起こしてみようって
失敗したって構わないから
やってみたくなったんだ
【614】
【✏️】
一人で見る風景の中に
貴方を置く
手を小さく差し出してみれば
ホントに寄り添ったように思えて
笑みが零れて
いない貴方にきゅうと甘える
好きすぎて
早く連絡をくれればいいのに
大好きな漫画の中から
飛び出してきて
好きすぎるから
【615】
【✏️】
冷笑、嘲笑、哄笑
たくさんの笑みの中で
真実の笑顔を求めてるよ
ああ、またぶつかった営業スマイル
だけど諦めたくない
子供のような笑みを覚えてたくて
今日も僕は君をくすぐる
今日も僕は繰り返し冗談を言う
【616】
【✏️】
忘れられた「ありがとう」が
泣いているのは淋しいから
記憶の森に探しに行こう
全部は無理でも
あの時のエピソード
どんな顔してた?
どんな声だった?
一つずつのありがとうを探して
【617】
【✏️】
時は満ちるの
萌えた芽は戻らない
何が起こるんだろう?
頬が染まるような楽しみと
枯らしてしまいそうな不安と
それでもこの芽を育てていこう
芽を見る瞳はときめいている
憧れを夢見てときめいている
【618】
【✏️】
夢の中で
初めまして、と挨拶を交わした
笑顔の可愛い少女
きっと幻影だろうけど
もう会えはしないだろうけど
目覚めを頑張る原動力になってる
もう一度会えたら驚くかな
こんなに成長したよって
私の中の少女
私の中の私
【619】
【✏️】
飲めるようになった粉薬
怖くなくなった夜道
喋れるようになった居場所
大丈夫、少しづつ
すこおしずつ進化している
小さく唱えて
自分の存在を抱きしめる
急がなくてもいいんだよ
【620】
【✏️】
まずは深呼吸をして
目に映るものを見つめようか
からだに触れるものを感じようか
たくさんの自然と
人の手がかかわっている
もう一度深呼吸をして
願ってみようか
かかわった存在全てが
これから出会う存在みんなが
幸せでありますように
【621】
【✏️】
流星群のあらゆる星が
願い事を聞き届けなくても
ボクの心には届いているよ
オリオンが見ている前で
ボクの涙も流そうか
朝風に冷えたらこっちにおいで
星々の眠る間に
ふたりだけの夜をもう一度過ごそう
【622】
【✏️】
神秘の森
摘めない花
ひそやかな世界
バスケットを持ってピクニック
お気に入りの湖を目指すの
幻の動物達が
びっくりしないように
しー…、と唇に指を立てて
【623】
【✏️】
魂に咲く花は
誇るにはまだ小さくて
だけど手折るには綺麗すぎる
魂に咲いた花
ここまで成長したんだね
そっと見せあってみよう
汚い花弁も華やかな花弁も
それができるのがキミだから
キミと共鳴して咲いた一輪
【624】
【✏️】
埋め合わせをさせてほしいと
何度も謝る君を見て
仕方ないなと言いながら
内心少し嬉しかったり
今日の残り時間は少なくなったけど
次のスケジュールは
一緒にたっぷり埋めようね
【625】
【✏️】
嘘ついてるって分かったよ
慣れない事なんてしなくていいよ
でもきっと事情があるのだろう
残念だけど
何かを守るために
そんな嘘ついてるんだろう
震える唇、泳いでる目
消え入りそうな声
そんな真実
嘘はいつだって
真実からできてる
【626】
【✏️】
…さあ、走り抜けよう
薄氷のように脆くて
暗く崩れゆく地面と分かっていても
目指したい場所に続いてるんだ
瞳に映したい景色があるんだ
きっともうすぐ夜は明ける
深呼吸して見据えたら
大丈夫、スピードを緩めずに
さあ、走り抜けよう
【627】
【✏️】
売上、数字、ノルマ、広告
少しさよならして
さよならして
さか、みち、かぜだけ感じて
そよ風ペダルを踏み込むよ
花咲く丘に鳥のさえずり
大好きな人に
いい事がありますようにと
願いながら
願いながら
【628】
【✏️】
部屋を真っ暗にして
抱き枕をかかえて
いっぱいいっぱいの今日だったけど
1gの希望は捨てたくないよ
息を整えて
どうか素敵な時間が来ますように
繰り返し、巡って
夜よおはよう、おやすみなさい
【629】
【✏️】
ありがとう
隠さず思いを話してくれて
嬉しかった
隠さず泣き顔見せてくれて
気がついたら
同じ涙で笑ってた
そばにいよう
臆さずもう一歩、
もう一歩ずつ
隠れんぼでシャイな未来へ行けるよ
【630】
【✏️】
「この“好き”、あなたのですか」
見知らぬ人が拾ってくれた
僕が落とした“好き”の言葉
だけどどうすればいいんだろう
破局した帰り道なんだ
こっそり捨てようとしてたんだ
ありがとうと受け取るも
内容の無い“好き”
意味は、空っぽ
【631】
【✏️】
「だめ」と「いい」が
ぶつかりあって
からまりあって
「だいめい」になった
いいところが絶対にあるよ
だめなところだってみんなあるよ
だいめいを、タイトルを、
名前を背負って
両手に抱えて
口笛を吹きながらあるこう
【632】
【✏️】
蚊よ、いつまで居るんだ
風邪菌よ、いつまで居るんだ
ネガティブよ、いつまで居るんだ
今日きみと会う約束はドタキャン
苦しめるものよ、いつまで居るんだ
負けない勇気よ、ここに居て
【633】
【✏️】
ふたたびの恋は
それなりの傷を抱いて
静かに始まる
それでもまた
恋する道を歩けるって
信じてるの
一途に
どうぞよろしくね
微笑みかけるちからは
何度でも湧くって信じていたいから
【634】
【✏️】
砂に描いたハートマークは
消えたって消させないの
ふたりの記憶の中
ふざけてるように見えて
結構……ホンキです
波よ、打ち寄せてもいいよ?
やっぱりもう少し待って!
焦れったい水着の影が
もうちょっと近づくまで……
【635】
【✏️】
バラしたりバラされたりと
今日も浮世は忙しい
胸には薔薇の造花をさして
何事もないよう笑ってる
バラバラバラと散らばる人間
優しさと愛の間に挟む
思惑疑惑てんでばらばら
【636】
【✏️】
書いては消して
打ち込んでは消し
君への文章決まらない
おやすみ、だけでいいはずなのに
おやすみ、だけじゃ足りなくて
都合良い連絡も来なくて
胸の奥が締まるよう
今宵の暗い闇のよう
こんなにも不器用なのに
伝えたいって気持ちだけは
can't delete...
【637】
【✏️】
不穏の赤
不安の赤
罪のような赤
一羽の鴉は案内人
燃え盛りを塗り重ねた
この夕暮れの終焉はいつか…
嘴が嘘をつく、嘘をつく
君一人だけ残して
飛び立っていく…
【638】
【✏️】
泣きたい時にはそばに居て
お金が少なくても
いい事少なくても
それが嬉しいの
泣きたくなったらそばに行くね
我慢を多くしないで
演技を多くしないで
名前を呼んでね
泣きながら生まれてきたみたいに
きっと生まれ変われるから
【639】
【✏️】
マニュアル通りに口角を上げた
作り笑いも役立つけど
感じたままの心からの笑顔を
いつになっても忘れないで
鏡無しでは
自分の笑顔を見られない代わりに
微笑んでくれる人がたくさんいるよ
【640】
【✏️】
横顔、笑った顔
人差し指の仕草
忘れられない言葉
照らしてくれるような声
真夜中も寂しくないように
ハートの中のノートにぺたり
いとおしさを配置
不器用でもいいの
コラージュ帳を作りましょう
会う度に増えていく
君にも見せたい、ココロコラージュ
【641】
【✏️】
卵のようなその夢の
優先順位は何番目?
生活や思いや都合との
やるせない矛盾が生じるけれど
どうか捨ててしまわないでね
心のすみっこであたためていようね
いつか
思いもよらない形できっと……
【642】
【✏️】
霧中 夢中 霧の中
どこへ連れていくの?
指を絡められて
靴音ふたつ、踊るように
舞踏会場から遠ざかる
初めて出逢ったあなたは
少し危うげな王子様
「どこへ行くの?」
振り返って微笑むひと
理性はゆっくりと
霧に包まれる
【643】
【✏️】
裸のままで着飾って
愛情、優しさ、夢、誇り
陽の当たるバスルームで
シャワーを浴びたら
今日の衣服と
アクセサリーを纏いましょう
私を待つ未来という
エントランスに入るため
【644】
【✏️】
待ち合わせ場所、佇んでた自販機
缶コーヒーを飲みかけて
温まる右手と喉
空を見上げて
神様に向かって吐く息は白くて
あとどれくらい飲みかければ
久々のキミに会えるだろう
【645】
【✏️】
風の音よ
全てのひとの
苦しみの涙をさらって
優しくそよいで
強く力づけて
【646】
【✏️】
「猫集会に出ていたの」
本当にそう?
「毛繕いしてから逢いたかったの」
本当にそう?
「昼寝してたの」
そうみたいだね
僕が買ってあげた
キャットタワーには見向きもしない
悪びれもせずひょいとすり抜け
魅惑の香りだけ残して
また行ってしまうんだ
【647】
【✏️】
橙、桃、紫、グラデーション
どんなリップよりまばゆく
夕焼けがキミの唇に宿る
くらり
とても勝てそうにない
「ねぇ」、の言葉も暖かい
どうかもっと名前を呼んで
優しすぎるパレットを広げて
【648】
【✏️】
手に入れても
喪っても
それでも変わらず世界は廻る
それでも構わず世界は巡る
だけど
僕の風景は大きく揺れるよ
波立ちながら
変わらない世界の多面を見る
【649】
【✏️】
キミの味方になりたいから
同じ時間を分けてほしくて
いつでも話して
いつだって感情を叫んでいいよ
【650】
【✏️】
世界中の皆の
「もう一度逢いたい」の想いが
夢を創造したのかも
現実に逢えない人
現実にはいない人
だからわたしも眠ったら
そうとは忘れて
夢の中を歩くのです
誰か、誰かに出逢うために
【651】
【✏️】
業に入っては業に従え
時には抗って
時には受け入れて
旅をしているんだ
それぞれの炎を背負いながら
【652】
【✏️】
引き出しに眠るレターセット
まっさらで、しんとして
誰に書く事になるんだろう
どの筆記用具を用いて
どんな喜怒哀楽を綴るだろう
誰が為に
誰が為に
【653】
【✏️】
ぼくらが決めた暦の区切り
ぼくらはどう思い終えるだろう
祝って、眠って、静かに過ごして
またひとつ切るゴールテープ