NFTは"投機"から”消費”へ。10月度NFT市況分析
SoudanNFTのはやっち(@HayattiQ)です。
この度、現在の日本のNFTにおける市況を分析し、市況トレンドの情報を発信いたします。この2021年10月において、日本において発生したNFTトレンドは主にこれから述べる4つに集約されると思います。
投機から消費へ変化するNFT
2021年9月において、いわゆる投機的動きが日本のNFTにおいて発生し、多くのNFTが買われて高騰しました。フロアプライスも1日単位であがっていき、ありとあらゆるNFTに高値がついたと言えます。
こちらは日本のトップクリエイター onirgirimanさんのNFTのフロア価格です。9月末から10月上旬にかけて投機的相場が発生し、大きくフロア価格があがりましたが、10月の中旬から下旬にかけて価格が落ち着いています。他のNFTもこのような動きをしているものが多く、NFTを購入して利益をすぐに得るのは難しい状況になっています。
この要因として、新規参入クリエイターが大きく増加していることがあげられます。10月に入り、フォロワー数が1万人を超えるイラストレーターの方が多数参入しており、購入するNFTの作家さんが分散化している傾向にあります。
ただ、バブルが終わり、だれも買わなくなったのかというとそんなことではなく、むしろNFTを購入する人も広がりをしめしています。そのうえで、いま購入している方たちは、値上がりを期待するのではなく、作者との繋がりを期待する、いわゆる「消費」として買っている人が多いです。これは高額商品でも同じです。
SoudanNFTでも、多数のクリエイターさんがファンと交流しており、その中で応援したいクリエイターさんのNFTを買う動きが広く認められます。こちらの「愛乃嘘子」さんは、SoudanNFTにてファンコミュニティを作っており、作家さんとファンの間で密接なコミュニケーションが行われています。
今後、アートNFTにおいては、クリエイターとファンをつなぐ「ファンコミュニティ」としての流れが来ると見ており、SoudanNFTでもクリエイターさんとファンの交流を強める施策を多数打っていく予定です。
また、こういった消費価値や、NFTにおける体験価値を狙うNFTも出始めています。たとえば、こちらのCrypto Fukidashi NFT Projectにおいては、NFTを買ってonCyberに飾ることにより、好きなキャラクターを喋らせることが出来るという「体験」に重視をおいており、一枚あたりの価格も安いです。
今後、NFTを買うこと自体による楽しみが広がっていき、一般の方々がNFTを楽しめるようになっていくと思います。
大型クリエイターの参入と、高額落札
さいとうなおきさんがfoudationで初めて出品したNFTが、約600万円で落札されたことが大きなニュースになりました。彼のNFTは、第二作目も約500万円で落札され、コンスタントに大きな金額を叩き出しています。
このさいとうなおきさんの実績を見て、フォロワー数が数十万人の大型クリエイターが多数NFTに参加しました。虫麻呂さんや、三可 九丸さんといった大型クリエイターさんは、それぞれ数十万円から数百万円と、大きな金額で落札されています。
ただ、こちらの大型落札が今後も続くかは不透明です。現在のところ、こういった高額NFTを買う方は一部の大型仮想通貨投資家に限られており、購入者は多くありません。また、彼らが買うときの発言を見ても、値上がりを狙う「投資」と見ておらず、「好きな作家の作品を所有」と見ていると感じます。その一部の投資家が、今後同レベルの作家さんが数十人出てきたときに全て買う可能性は少ないため、いわゆるご祝儀相場の側面も強いと推測しています。
写真や絵画など、イラスト系とは違うNFTの増加
9月時点においては、売れているNFTというのはほとんど、旧来からのコレクティブ系か、もしくはイラストレーターによるアートNFT(とりわけ萌え絵)でした。
ですが、このアートNFTの成功に着目した異業種進出組が多数見受けられ、こちらも一定の成功を収めています。
例えば、写真家であるKiwoku Andさんが自身の写真のコレクションを発表されました。こちらは、自身のNFTにかける想いなどが多くの人の目にとまり、サイバー展示会という魅せ方の上手さもあいまり大きな話題を生みました。発行するNFTも現段階ですべて買い手がついています。
また、こちらのGalvaさんは抽象絵画のNFTを販売されており、売れております。こちらの世界も、今後注目です。
Foundation進出クリエイターの増加
こちら、先日書いた記事でも書きましたが、有力クリエイターさんを中心にFoundationへの進出が相次いでおり、実際にOpenSeaより高値がついていることも多々あります。
Foundationは、一点物を主流とするアーティストさんにとって非常に優れたマーケットプレイスとなっております。今後、どこまでトレンドが続くかわかりませんが、クリエイターさんは招待枠をぜひ確保してほしいと思います。
最後に
NFT業界は動きが早く、11月も様々なトレンドの変化が想定されます。
最新の状況についてはSoudanNFTで話し合っておりますので、ぜひみなさんご参加ください。
また、各自のNFT投資の投資判断は自己責任でお願いします。