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きょうの聡太くんとヘドロ飼い主 2023/3/1

 3月になった。
 今月の20日は聡太くんの誕生日である。
 もう子猫氏じゃなくなるんだなあ、と思う。猫氏を襲名するのだ。
 聡太くんはまだ1歳になっていないし、1歳になったところでなにかが大きく変わってしまうこともないのだろうが、しかし1歳、つまり大人というのは大きな節目のような気がする。
 わたしだって20歳の誕生日に、ラズベリー味のタバコを買ってきて、クラクラするのを体験した(なおそのあとタバコはいっさい吸っていない)わけで、大人になるというのはいろいろできることが増えるということではないだろうか。
 まあ20日までは子猫だ。子猫として扱わせてもらう。そしてたぶん子猫でなくなっても「チビちゃん」とか「おチビ」とか「お小さい方」とか呼ぶのだと思う。

「ひなたぼっこ、きもちいいんですよ」


 聡太くんがぜんぜん興味を示さなかった木製の爪研ぎ板を、ぼろっちくなった段ボール製爪研ぎ板の横においたら、無事に興味を示してバリバリしてくれた。やったぜ。
 きのうきょうと暖かい日が続いているので、聡太くんはお布団潜入をせず2階の部屋で暴れたらしい。暖かい日といってもまだ寒いと思うのだが……。
 暖かいので雪もだんだん解けてきた。そろそろ春なのだろうな、と思うのだが、天気予報にはまだ雪マークがついている。もうこれ以上降ってほしくない。それでも鳥の鳴き声も春めいてきた。暖かい季節はもうすぐそこだと思うとウキウキしてくる。
 最近、家族でしみじみと聡太くんをながめて、「でっかくなったねえ」とみんなで言っている。我が家に来たときはちっちゃな赤ちゃん猫だったのに、いまではもはや貫禄のようなものまで出てきた。
 あと2ヶ月ほどで聡太くんが我が家にきて1年になるのかと思うと、まさに光陰矢の如しだなあと思う。1年があっという間すぎる。わたしもババアになったんだなあ、と感じる。
 聡太くんは父氏の膝で寝ている。聡太くんは我が家に来た初日も臆さず父氏の膝に行ったひとだ。なにか通じ合うものがあるのかもしれない。
 しかし薄目を開けて寝るのは怖いからやめてほしい。

あくびして口を閉じるところ。


 さて、3月になった。3月といえばカクヨムのKACコンである。今年も「なんとかなれーッ!」の気持ちで完走を目指そうと思っている。
 わたしはこのコンテストの完走ぐらいしかリワードを得る手段のない底辺カクヨム作家なのだが、去年これでもらったリワードのおかげで文庫本を一冊アマゾンでポチれたので、真面目にやるだけが取り柄のわたしである、よほどなにかないかぎり完走できるのではなかろうか。
 その真面目さを学業に活かしていたらもうちょっとマシな人生を歩めたのだと思うのだが、しかし病気を拾ってしまったのでこういうヘドロみたいな人生を送らざるを得ないわけで、学業を真面目にやったとしても病気を拾っていたら同じ人生だったのではなかろうか。
 最近、高校のときに言われた悪口は、統合失調症による幻聴だったのではないだろうか、と思うようになった。そう思えばあのいけすかない一個下の同級生を許せるというものである。
 いつまでも怒っているのは愚かだ。いまごろきっと、一個下の同級生たちは職について忙しくキャリアを積みながら結婚して子供がいて、という暮らしでもしているのだろう。
 もう完全に人生に無縁なひとを、いちいち恨むのは愚かだ。もっとハッピーなことを考えて生きていきたい。

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