きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん及びヘドロ飼い主 2024/10/21
この間、ソファに横になっていて具合があんまりよくなかったので、気分を明るくしようと一曲歌おうとしたところ、自分の布団で寝ていたはずの聡太くんがムクっと起きて顔をパンチしにきた。目をつむっていたので来るのがわからず、思い切り顔を爪の出た手でバチンとパンチされてビックリしてしまった。
どうやらうるさかったらしい。「うるさい」とたしなめられてしまったわけである。どちらかというと「やめなさい」だろうか。
顔を叩いたら満足したらしく、「お膝くるか?」と聞いたら「いりません」という顔をして去っていった。聡太くんの前で歌うときはなるべく小声にしようと思う。
母氏がいうにはたまちゃんは深夜に「あの、おなかへったんですけど」と起こしに来て、顔をつついたそうだが、それは肉球で「おそれいりますが……」という感じで、聡太くんのパンチはそういうレベルのパンチではなかった。完全なる猫パンチだった。爪が全開だったので大変痛かった。
キャラクターぬいぐるみで好きなライトノベルのキャラクターを作ろうと思ってちょっとずつ資材を集めているのだが、それを始めるにあたりちょっと刺繍の道具やリボンの入っているカンカンを整頓しよう……と、茶の間に持ってきて開けてみた。わたしの部屋は蛍光灯で劣化するドールさんがいるからである。
すると聡太くんはすっ飛んできて「なんだこれは! なんだこれは!」と刺繍糸を噛み始めた。やめなさいと取り上げてフタしたわけだが、やっぱり聡太くんのいるところで裁縫をするのは無理だ。うん、知ってた。
たまちゃんはミシンを使っていても平気な顔をしていたし、聡太くんだってもうパソコンに興味を示して激しいチョッカイをかけてくる子ではない。そりゃ子猫のころはパソコンを起動すると「なにそれ!? たのしいやつ!?」と襲いかかってきたが、今ではパソコンを出しても「ふーん……」という顔をなさる。
だから裁縫もワンチャンネコチャンあるかと思ったがやっぱりワンチャンネコチャンなかった。無念。
どうして猫という生き物はカメラを向けるともぞっと動くのだろう。動いていない隙を狙ってカメラを構えても、「あっ、ちょっとおもいだしたんですけど」と動き出す。写真をたくさん撮りたいのに失敗写真を撮ることが多い。
というか暑い時期と寒い時期で撮れる写真がぜんぜん違う。暑い時期はフローリングに落ちている写真が撮れるし、寒い時期はテーブルの上に堂々と座っている写真になる。
落ちていれば白パンツことお腹のホヨホヨが撮れるし、テーブルの上にいれば変な顔が撮れるので、どちらにせよ楽しいのだが、それでもカメラを向けると「おもいだした、やることあるんだったわー」とモゾモゾ動きだす。君にやることなど何一つなかろうに。
きょう人間であるわたしは歯医者に行かねばならない。最初はただ取れた詰め物を治してもらうために行っただけなのに、いつの間にか親知らずを抜き、残りの親知らずも抜くか決めてください、と言われたが、確かわたしは問診票の「治す範囲」のところで「問題が起きている歯の周辺」に丸をつけたはずなのだが。
しかも親知らずのうち一本は横に生えていて通っている歯医者では抜けないので抜くなら市立病院への紹介状を書く、と恐ろしいことを言われてしまった。やめてほしい。
まあ人間の歯は局所麻酔で抜けるからいい。猫は全身麻酔しなければ歯の治療ができないらしい。
歯といえばたまちゃんが食器を血まみれにして我が家に激震が走ったことがある。「ど、どうした!?」と思ったら歯が抜けていたのであった。他にも歯が傾いてカタギでない顔になったこともある。
聡太くんも口臭があるので歳を取ったら歯が抜けてくるかもしれない。まだずっと先のことであるが。