きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん及びヘドロ飼い主 2022/10/31
世の中はハロウィンで浮かれているというのに、わたしは耳鼻科に痰切りの薬を出してもらいに行っていた。耳鼻科で痰を出してもらえるわけではなく、しかも耳鼻科のドクターいわくググって出てくる痰出しの方法はだいたい寝たきりのお年寄り向けのものだそうで、頑張ってゲロゲロするしかなさそうだ。
耳鼻科から帰って、ついでに買い物をして、いったん帰って聡太くんをキャリーバッグに入れて獣医さんに向かった。チョッキンの手術跡に血がにじんでいたからである。昨日はややおさまったようだったが、今日見たらまた血がにじんでいて、やっぱり信頼できるいつもの獣医さんに見てもらったほうがいいよね、ということになったのである。
聡太くんは例によって道中、絶望の叫びをあげていた。「だせー! ここからだせー!」というアレである。聡太くんは外側からキャリーバッグの匂いを嗅いだりするのは好きだが、入れられるのは断固拒否のようだった。こいつも知恵がついてきたんだなあ……と思った。
いつもの獣医さんに到着すると、獣医さんはいままさに近所のガソリンスタンドに灯油を買いに行くところだった。とりあえず先に見てもらえることになった。
「本当なら手術した獣医さんに診てもらわないと」と言われたので、「悪い噂聞いちゃって……」と半分くらい事実のことを言った。
まず最初に「聡太くんの前足と後ろ足をそれぞれ両方掴んで、ゴロンさせる」という難関ミッションが待ち構えていた。いつもの獣医さんは獣医さんがワンオペでやっているので、チョッキンしてもらった獣医さんみたいにスタッフの人がなんでもやってくれるわけではない。どうにか診てもらうと、「本来なら2、3日で治る傷がかさぶた(ちなみに獣医さんは「かさびた」という懐かしい語彙で説明してくれた)になっている」ということだった。塗り薬と抗生物質が出た。よくならなかったらまた来て、ということだった。
要するに軽い医療ミスではないだろうか、と、絵の先生みたいなことを考えたが、まあこういう場合もあるのだろうと思うことにした。人を恨んでもどうしようもないし、たまたま聡太くんが傷を気にしてなめてしまったのかもしれないし。
聡太くんはキャリーバッグに入って帰るときも「いやだ! はいらぬ!」と頑張っていた。たまちゃんだったらそそくさとキャリーバッグに入っていたのだが、聡太くんはまだ「帰る」ということがよく分からないようだ。
代金を払って帰り際、獣医さんに「ちなみに●●先生のところ去勢手術いくらだった?」と聞かれたので、「手術自体は1万2000円で、もろもろ検査とか込みで2万7000円でした」と答えた。
レジは印字紙をどうにか買えたそうなのだが、時々調子が悪くなるらしく、薬を買いにきた人の計算がややこしくなってしまったようで、「レジ寿命なんじゃないですか?」と言ったところ、獣医さんは「やっぱり動物病院やめろってことなのかな〜!!!!」と愉快そうに言っていた。獣医さんは父氏とタメであと3年で古希である。しょうがないかもしれない。
とりあえず頑張って聡太くんに抗生物質を飲ませねばならない。たまちゃん相手にさんざん飲ませたからきっと大丈夫だ。ありがとうたまちゃん。
獣医さんは聡太くんを見て「大きくなったねえ」と言ってくださった。なんだか嬉しかった。
しかし耳鼻科と獣医さんのダブルヘッダーで耳がベコベコ鳴る。早く仮面ライダーとガンダムを観て聡太くんと昼寝をしなくては。