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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2024/10/18

 きのうの昼、聡太くんは超健康なUNKOを出した。思わず感心するほど立派なUNKOであった。
 聡太くんと暮らしていて嬉しくなる瞬間でも格別なのが健康なUNKOを出したときだ。聡太くんは基本的にお腹ゆる太郎くんなので立派なものをプリッと出すと「素晴らしい!(将トレで詰将棋を解いたときの、名前の元ネタのひとのややこもった声で)」と言ってしまう。
 健康はなににもかえられない素晴らしいものだ。これからも健康なブツをプリッと出していただきたい。

 どこからか家にアブが入ってきた。きのうのことだ。聡太くんはお昼寝の体勢だったが、アブが気になってずっとヒャンヒャン言ったりキョロキョロしたりしていた。
 どうやらアブが気になってあんまりしっかり昼寝もできなかったらしい。とにかくずっと、アブがブーンと飛んでいるのを顔で追いかけていた。
 アブはいったいどこから入ってきたのだろう。寒いからあちこちがっちり閉めてあるのだが。この寒さだから寒さから逃れるために家に入ってきたのかもしれない。
 とにかく聡太くんはアブへの好奇心が激しく高まり、追いかける! 唸る! 暴れる! をやっていた。刺されるからやめてほしいのだが、そんなことが聡太くんに分かるはずがないのであった。

 猫という生き物はこういう「蛮勇」みたいな性格がときどき表面化するのだが、それでたまちゃんは若いころ家に入ってきたスズメバチを仕留めたことがある。
 なんでそういう危ないことをするのだろう。もし刺されていたら大変なことになったに違いない。
 猫は昆虫や節足動物とエンカウントすると勝てる前提で勝負を挑むところがある。聡太くんがやってきた年のカミキリムシとの戦いもそうだし、今年なんだか騒いでるなあと思ったらゲジゲジと戦っていたこともある。どうしてそういうことをするのだろう。お利口に人間に教えることはできないのだろうか。まあ猫はそういう生き物だから仕方がない。

「あんよをね……よくなめなめするんですよ……」


 そういうわけできのうは家族全員、なんとかしてアブを仕留めようと躍起になっていたのだが、我が家は家族全員運動音痴なので簡単に仕留めることはできなかった。
 祖母が存命であったらハエ叩きで一撃バチンとぶっ叩いて倒せたかもしれないが、祖母はわたしとちょうど60違うので生きていたら95歳だ。流石にそうなるとハエ叩きを現役で使っているとは思えない。
 アブはゆうゆうと茶の間を飛んでいて、灯りに誘われてみたり柱に止まったりしていて、聡太くんはずっと「ヒャンヒャン……ヒャンヒャン……」と謎の声を出してアブを見ていた。
 この「ヒャンヒャン……ヒャンヒャン……」というのは庭に小鳥がいるのを見ているときも出す声である。たまちゃんもよく庭を見てこの声を出していた。なにかでこの声は母猫が子猫に狩りのしかたを教える声だ、と聞いたが、それでは聡太くんがヒャンヒャンする理屈が通らない。

 ティッシュペーパーを何枚か手にとり、止まっているアブにそっと近づいて捕獲を試みたのだが、捕まえようとした瞬間アブはブーンとどこかに行ってしまい、聡太くんは羽音を聞いてヒャンヒャンする。父氏がチラシを丸めてアブを狙うが、バシンと叩いたときにはもうどこかに行っている。
 家族全員運動神経クソザコナメクジにも程があるぞ。ついでに言うと聡太くんも猫としては比較的運動が苦手なタイプなのではないかとわたしは思っている。なんせ生まれついての飼い猫なので。
 夕方になったらアブは大人しく高いところに止まっていたのだが、ストーブを焚いたらまたブーンと飛び始めた。仕留めようと家族全員頑張ったがダメだった。
 聡太くんよ、どうか深夜にアブと戦って流血してくれるな。そう思いながら寝て、いささか眠いながら朝こっぱやくに目が覚め、茶の間に向かったところ母氏がもう起きていて、アブを仕留めたと言っていた。ストーブを焚く前なら寒くて動きが鈍る、ということもあるのだろう。
 とりあえず聡太くんが流血していなくてよかった。頼むから虫さんに戦いを挑んでくれるな。

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