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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2025/1/29

 聡太くんはササミはもういらないらしい。きのうの夜食べ足りない顔(たくさん食べさせたのだが)をしていたので、「しばらく食べてなかったササミ食べるか?」と聞くと「ウニャ」と答えた。きっとササミが食べたかろうと思って、冷凍庫に入りっぱなしだったササミを出し、レンチンして小さくちぎって小皿に盛って出してやった。
 聡太くんはしばらくすんすん匂いをかいで「……ちがう」というリアクションをしたので、つまんで鼻先に持っていったら切れっぱしを一口食べたが、そのあとは「ぼくこれいらない」であった。
 人間が食べてるのを見たら食べたがるかな、とひとかけら食べてみせても「ぼくこれいらない」であった。断固拒否である。おいしいのに。
 というか聡太くんは最近とてもきれいにカリカリとカルカンパウチを食べる。猫は慣れない食べ物を好まない生き物のようなので、満腹していればササミに興味がなくなるのも致し方ない。
 そういうわけでまだたくさんある冷凍ササミはサラダにでも入れて人間が食べよう……ということになった。ムキムキになってしまうではないか。

 猫も人間と同じで他人が食べているとお腹が空くらしい。
 聡太くんは食事をわりと残すのだが、人間が食事を始めるとてけてけ食器のところにきて、「あんがいおいしいですねもぐもぐ」と食べる。それは朝でも昼でも夜でも同じだ。
 根底はきっと食いしん坊なのだ。しかし食べるうちに美食家になってしまったのだ。そんなにおいしいものなんて食べさせていないのだが。
 しかし「聡太くんにもわかるおいしいもの」というのは確実に存在する。たとえばシーチキンの缶詰をぱきゅっと開けると「いまなんかおいしいやつあけましたね!?」と台所にすっ飛んでいく。
 でも聡太くんの知っているおいしいものなんてシーチキンくらいなのかぁと思うとちょっとかわいそうだ。たまちゃんはもっとおいしいもの(お刺身とか鶏肉とか焼き魚とか)をよく知っていたからである。いや食べさしちゃいけないのだけれど。

「たたかえとがんだむがいっている……」


 ここでナゾをひとつ。
 きのう、叔父上から「ダンダダン持ってくよ(おじさん構文割愛)」と連絡があったので、借りていたジークアクスのパンフレットを出し、叔父上がくるのを待っていた。
 少しして玄関チャイムが鳴らされた。聡太くんはビックリした勢いでわたしの足に飛びかかり、爪を立て噛みつき、玄関に出るまで執拗にわたしの足を狙って攻撃をしかけてきた。
 なんでじゃ。ふつう人が来たら猫はすっと隠れて出てこないのではないのか。なぜ突然興奮して襲いかかってくるのか。痛いのだが。
 聡太くんはいっとき、玄関チャイムを「たのしいたのしいわくわくたいむのあいず」だと思っていた。そこから少し知恵がついて「おっかないひともくる」と覚えたのだろうか。だとしてもわたしの足に襲いかかる理由がわからないし、なぜか狙われるのはわたし1人なのだ。解せぬ。
 そもそも猫にお利口にしていろというほうが無茶なのかもしれないなあとは思う。しかしネットをさまよえばお利口な猫ちゃんはわんさか出てくる。大人しく爪を切らせたり大人しくお風呂に入ったり大人しくブラッシングされたりしている。この違いはなんなのだろう。
 聡太くんは「ぼくはおりこうなので……」という顔をするのだがちっともお利口でない。人間に襲いかかる猛獣である。この痛さなら本気の本気で向かってきたら人間なんていとも容易く⚪︎されるだろう。でも本気で襲いかかってこないのはやはり人間が好きだからだろうか。
 そういうわけで太ももに穿ったような傷ができた。端的に言って痛い。なんでそういうことをするのか。叔父上ならついこの間のお正月に、青年1号を連れて遊びにきたではないか。なんならついこの間も玄関まで来たではないか。なんだお前〜。

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