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きょうの聡太くんとヘドロ飼い主 2023/12/20

 きょうはわたしのモニョモニョ回目の誕生日である。特にめでたい歳でもないのだが、どうぶつの森を起動すれば村人たちが盛大に祝ってくれるだろうし、家族からの誕生日プレゼントも受け取った。なお聡太くんは朝から「はげしめのあくてぃびてぃ」に夢中で、わたしの手をガリガリ噛んで傷跡をプレゼントしてくれた。ありがたく受け取ろうと思う。
 なんというか、最近毎年誕生日のたびに「こうしてここに生きているというのは途方もないことだなあ」と思う。少なくとも2年ないくらいの高校生時代に何度か「もう死んでしまおう」と思っていたので、こうしてのんびりとおばさんをやっていることには驚きしかない。
 あのとき死ななかったからこうして生きているのだ。まあ校舎三階の窓から飛び降りたところで簡単に死ねるものではないだろうし、処方されている向精神薬で死ぬには飲みきれないくらい飲むことになるのだろう。
 死ななくてよかった。死ななかったから聡太くんと一緒にいられる。

「ぬく〜い」


 そういえばおとといの晩、父氏が完全なるへべれけになっていたのだが、よほど疲れていたらしく寝たら寝言を言っていた、と母氏が教えてくれた。
 それも「そうくん」を連呼していたらしい。父氏は親戚に「そっちゃん」と呼ばれている人がいるので、聡太くんを「そうくん」と呼んでいる。要するに寝言で聡太くんのことを呼んでいたのである。
 母氏がいうにはわたしの名前を呼んだりたまちゃんの名前を呼んだりすることはなかったらしい。これが男の友情か、と錆喰いビスコの読書感想みたいなことを思った。
 聡太くんは我が家にやってきてすぐ父氏の膝でぐうすか寝たヒトだ。子猫にそうまでされて陥落されない人間がいるだろうか。なんだかんだ父氏も聡太くんが大好きなのである。
 わたしや母氏が買い物に行っている間に聡太くんが用を足すと片付けてくれるし、よく椅子や書籍のスピンの奪い合いをしているし、なんだかんだ仲良しである。父氏によると寝ているときに顔をなめられたりもするらしい。おまえは犬か。

サバトラ猫一歩前へ。


 きのう、母氏と買い物に出かける支度をしていると、聡太くんは玄関までついてきてしまった。もちろん外に出ないようにがっちり鍵をかけて出かけたが、帰ってきたら廊下のドアが閉まっていて、要するに聡太くんは玄関に閉め出されていた。
 玄関を開けてドアまで行ってみると、完全に閉まっているわけではなく、押せば開くようになっていたのだが、聡太くんはどうもそういうところがトロいので廊下のドアを開けられなかったようだ。
 なんで父氏はドアを閉めてしまったのかというと、単純に寒いからだ。廊下のドアが開いていると玄関の冷えた空気が入ってくる。寒いとストーブが余計な灯油を喰ってしまう。これは死活問題である。
 寒いのはいやだ、冬はきらいだ。灯油を買わずに済むならもうちょっとリッチな正月ができるのだ。リッチな正月の例としては、立派なカニをお正月のお祝い用に買えるのである。
 まあ聡太くんにはリッチな正月など関係ないのだ。聡太くんはいつも通りカルカンパウチとカリカリとササミが食べられればそれでいいのである。まさか「吾輩は猫である」の主人公みたいに餅を食べてみるわけではあるまい。
 とにかく聡太くんにおかれましては、暖かいところで過ごしていただきたい。猫は砂漠の生き物だ、暖かいところで溶けているのがちょうどいいのである。

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