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きょうの聡太くん 2023/10/17
きのうの午後耳鼻科に行くと、季節のせいか、子供さんを連れた親御さんがたくさん来ていた。幼児から高校生くらいまでとにかくたくさんの子供さんがきていて、キッズスペースに置かれたペット用ロボットをつついていじめたり、スマホでアニメを観たりしていた。
それを見ていて思ったのは、人間の乳幼児と猫はあんまり変わらないのではないか、ということである。
いやそんなことを言ったら世のお母さんお父さんに叱られるのは承知している。しかし小さいお子さんを見ていて、しみじみとそう思ったのだ。
わたしはアレルギーで吸入をかけていたのだが、吸入のコーナーは診察室の真横である。小さいお子さんが診察されるにあたりギャン泣きしているのを聞いて、「獣医さん断固拒否の猫じゃん……」と思ってしまった。
続きを聞いているとドクターが「アレルギーとも風邪とも言えない程度の軽い炎症ですねえ……」と言っていた。ちょっとしたことで心配になるのも猫とおんなじである。
吸入のあと代金を支払い、隣の薬局で薬を待っていると、そのお子さんとお母さんがやってきた。お子さんは椅子の上に座らされたが、靴も履いていないのに勝手に立ち上がってウロウロし、お母さんは「ばっちいから座ってて」と説得しようとするが当然わからない。お子さんは「どうぶつ!」と声をあげて動物の写真絵本を持ってくるように言い、でも結局スマホで子供番組を観ていた。
猫も説得してもわからない生き物だし、なにかを持ってこいと騒いでも結局別のものに夢中、というのはあるあるである。なのでそのお子さんを見ていて、「猫だ……」と失礼な感情を抱いたのであった。
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ただ決定的に違うのは、人間は成長して自己主張のやり方を変えてくるが、猫はずっと人間のお子さん、というか赤ちゃんのままであるということだ。
猫は永遠の子供である。大きくなって反抗期に突入することはない。ずっと人間が大好きだ。
しかしそれはつまり永遠に聞き分けよく人間の言葉を聞くことはないということだし、イタズラしても反省することはないということだ。
いいことなのか悪いことなのかわからない。しかし一つ言えるのは「可愛いから許される」ということだ。人間の子供は可愛くても許せないことがあるが、猫は可愛いから許されるのである。
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きのう聡太くんは行方不明になっていたボールを見つけてきた。投げてやるとバビョンと跳ぶ。かわいい。
聡太くんのボールは一個行方不明になると別の一個が出てくるシステムらしい。とても楽しそうに遊んでいた。
そしてきょうも見事なネコハラをしていた。テレビの前を堂々と塞ぐのだ。天気予報の指し棒に反応しているのかな、と思ったら気象予報士の腕に反応していた。根本から狩りにいくとはなかなか強い。
そのあと聡太くんは椅子のくぼみに収まり、スヤ……と寝ている。ときどき寝返りを打つ。幸せそう、の一言に尽きる。
わたしは聡太くんのお母さんにはなれないが、聡太くんが幸せでいられるよう尽力するつもりだ。