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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2024/12/30
聡太くんは噛みニケーションを図ってくる。……これは新しい造語を思いついたから書きたかっただけだ。よくないですか、噛みニケーション。
平和に暮らしているというのに、聡太くんは突如として猛獣となり、人間を噛み始める。これはきっと何らかの意思の疎通を図ろうとしているのではないか、と、小松左京のSFみたいなことを考えている。
小松左京といえば小松左京が猫について書いた本が図書館にあったので借りてきて読んだら、猫がかわいいという話にとどまらず知り合いが猫を食べた話まで出てきてゾッとした。さすが偉大なSF作家である、恐ろしい。
小松左京に限らず猫好きの作家、文章職人というのは少なからずいるようで、わたしもなんとか書籍化を果たしネコメンタリーに出たい。「金澤流都と聡太」のていで出るのだ。とっ散らかった我が家がえねっちけーの電波に乗って日本中に流れるのだ。興奮してきたな!
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きのう聡太くんはずいぶん久しぶりにカーテン登りをやっていた。わっしわっしとカーテンに爪を立てて登り、エアコンのあるちょっと奥まったところに「どっこいしょ」と寝転がったのだ(サムネがそれ)。フリーダムである。
しかしそのあと、「どうやっておりよう」という顔をして、「ニャーン……」と鳴いていた。後先を考えずにそういうことをするのはやめなさい。ちゃんと着地はしていたものの。
カーテン登りを元気よくやってくれるのは大変うれしい。「ぼくげんきなんですよー」というのを見るようだ。
そんなことをするくせに、きのうソファに横になっていたら充分快適なところから移動してきて、人間の上にどっこいしょと寝転がった。なんだお前、かわいいな……。
猫は不思議である、悪いことをしていたと思ったら突如甘えはじめたりする。聡太くんが我が家にきてからすごく不思議だなあと思うようになった。たまちゃんは派手な悪さをしなかった代わりに(よくよく考えれば若いころにいろいろやらかしたものの)、聡太くんのように人間にベタベタ甘えることもしなかったのだ。
たまちゃんとは一緒にお昼寝をしたことなどないし、母氏の布団に潜入しに行くこともなかったようだ(布団の上で足元に寝たりはしていたらしい)。
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きのう、ご飯を炊かなかったので、人間はおいなりさんを買ってきて食べた。
おいなりさんはたまちゃんの大好物だった。わりと歳をとってから、なにきっかけで食べさせたのかは忘れたが、おいなりさんの皮を好んで食べるようになった。
変なものを食べたがるので心配していつもの獣医さん(中島らも似の女医さん)に相談したところ、「歳とって甘じょっぱいものが好きになったのかな……?」とわからないようだったが、特に体に悪いものではないらしく禁止されることはなかった。
なんでおいなりさんの皮なんか食べたがったのだろう。猫は不思議だ。それ以来おいなりさんを食べるとたまちゃんを思い出すようになった。
最晩年、亡くなる前の日だったかその前の日だったか、カツオの刺身を食べたがって、食べさせたら喜んで食べたこともあった。キャットフードは食べてくれないのに、だ。たまちゃんが亡くなってから、お店で「脂がのっている」とシールの貼られたカツオの刺身を見るとうっとなるようになってしまったのだった。
だから聡太くんにもおいしいものをたくさん食べさせたい、と思うのだが、聡太くんはお腹繊細くんなのでちょっと無理だ。悲しい。
人間の食べ物は基本的に猫には毒なので、あげないのがいちばんいいのだが、動物がおいしいものを食べて喜んでいる顔を見たいというのは全世界共通なのではないだろうか。
しかし聡太くんは人間の食べ物どころかちゅーるすらお腹を壊しかねないのであげられない。どれだけお腹繊細くんなんだ。もうちょっと強くあれ。