きょうの聡太くん 2024/7/27
いつもの動物病院の獣医さんが難しい病気になって、今は遠くの地域でリハビリしているらしいと言うことは書いたと思う。
なのでいつもと違う動物病院で聡太くんのワクチンをワクワクチンチンしなくてはならない。街にはもう2軒動物病院があって、聡太くんをチョッキンしたところはヤブだという噂をよく聞くので、もう一方の丁寧だけど検査費がちょっと大きいほうにワクチンをお願いすることにした。
とりあえず前もって電話しといたほうがいいかな、薬の調達のことを考えれば平日のほうがいいだろうな、ときのう電話をかけてみた。電話口で、よそでワクチンを打っていたがその先生がお休みしていること、来週の月曜に行けると思うがちょっと怪しいことを伝えると、「いつでも大丈夫ですのでご都合のいいときにいらしてください」と言われてしまった。
いつもの先生はネオン街の小さな建物で動物病院を営んでいたので、こういうドカンとしたお願いは前もって言っておいたほうがよかったのだが、さすがに大きな動物病院なのでワクチンは常備しているらしい。
いつでも大丈夫というのはありがたいな、と思った。聡太くんのお腹がまだ若干不安だからだ。早くお腹すこやかになれ。
聡太くんは家族のなかでわたしがいちばん鈍臭いことをよく知っている。だから人間がマヨネーズ味のものを食べ終えるとわたしの食器をまずは狙う。
わたしは聡太くんが食器をなめても、つい実力行使する前に「だめ!」と大声で言ってしまう。もちろんそんなことでは聡太くんの好奇心は止まらない。そしてわたしは父氏や母氏に「声が大きい」と叱られる。理不尽だ。
もっとこう、さっと手をだして止めてからやさしく「だめ」と言えばいいのだろうか。まあなにをしても猫なので聡太くんをしつけることはできない。人間が用心するほかないのだが、わたしは鈍臭いので聡太くんの素晴らしい運動能力にはどうあがいても勝てない。
気をつけることはできる。たとえば買い物で買ってきた食べ物のなかで聡太くんの好きそうなものは買い物袋の底のほうに入れておくとか、食器をハンドクリームのツボで防御するとか。それでも鈍臭いので勝てないのだ。人類は猫に勝てない、なのだ。
なにをやらかしても可愛さですべて許されるのが猫のすごいところである。
一時期、聡太くんはえねっちけーのニュースのサウンドロゴが大好きで、「シャカリキドッカーン」と聞こえると「なんだなんだ」と見に行っていた。
しかし最近ではどうでもよくなってきたらしく、ご飯どきなどは無視することが増えたが、それでも普通に寝ていたりすると「なんだなんだ」と顔をあげてテレビを見ている。
氷ペットボトルも同じだ。最初に出してあげたときほど興味はないようだが、中の氷が「パキッ」などと音を立てると「なんだなんだ」と見にいく。そしてしばらく「ほほう……」と観察し、気が向けばチョッカイを出して結露で手足をビチョビチョにしている。それをなめてほしいのだが。
興味の対象が変わっていくのは人間と変わらないが、三つ子の魂百までというやつなのか、興味が薄れても気になることは気になるようだ。
そういえばXで以前見かけたのだが、コロナ禍に突入したころ「コロナがおさまったら恐竜の展示のある博物館に行きたい」と言っていた小さいお子さんが、とりあえず行動制限がなくなったころくらいにはもう恐竜でなくスーパーマリオに興味が移っていた、と聞いて、時間というのは残酷だなあと思ったのだった。
聡太くんは恐竜にもスーパーマリオにも興味はないと思うが、これからもっと大好きなテレビのサウンドロゴなんかが出てきたりするのだろうか。猫がテレビを楽しそうに見ているのはかわいい。