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きょうの聡太くん 2023/10/19
きのう昼寝をする前に、いつまでも溜めているのは嫌だったので「葬送のフリーレン」の録画を見ることにした。
テレビ真向かいのソファに座り、テレビとレコーダーの電源を入れ……とやっていると、聡太くんが来てわたしの手をガリガリゴリゴリと噛み始めた。
たぶん「おまえ、おひるねするんじゃないのかよっ!!」ということだったのだと思う。手がボロボロになった。そして可愛いので許される。
最近薄ら寒くなってきて、聡太くんはよくお昼寝を要求してくる。脚の上に乗られるのでたいへん重たいのだが、本人が楽しそうなので許されている。人間は布団かなにかだと思われているのだ。
聡太くんは自由だ。猫は自由の獣だ。しかし自由なのと甘えん坊なのは両立する。甘える自由をフルに使って甘えてくる。そして人間が気に食わないと噛むのである。
手の甲に噛まれたあとがいっぱいできてしまった。かわいいのだが噛まれると痛い。それもまた真理なのである。
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夜に一人で歯を磨き、吸入薬を吸い、アレルギーの薬を飲んで……とやっていると、聡太くんが見当たらなくなることがある。
そういうとき、茶の間のテーブルの下を覗き込んで、あれ? とやっていると、テーブルの下からシュババババ! と聡太くんが飛び出してくる。
何が楽しいのかわからないが毎日のようによくやる攻防である。モンハンのナルガクルガの如き動きでシュババババ! と飛びかかってくるさまは、まさにアニマル! 野生! という感じだ。
まあ聡太くんは野生では生きていけないタイプの猫である。大人しく家で寝ているのがちょうどいいのだ。シュババババ! と飛び出してきたらボールを投げてやると実に簡単に茶の間にすっと戻る。かわいい。
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きのうは藤井聡太先生の八冠記念特番を見ていて、テレビの中の人たちが「聡太」という言葉を連呼していたが、聡太くんはそれを自分の名前と認識しているふうはなかった。そりゃそうだ、テレビの人間を人間として理解しているかすら微妙なのだから。
しかし今朝は天気予報が始まってすかさずテレビの前に飛んでいき、指し棒の先のボールでなく気象予報士の腕を狙っていた。捕れなくて虚しいのではないかと思う。
聡太くんをテレビの前からどかして、朝ドラを観ていたら聡太くんは注目されたかったらしくネコハラを始めた。ボールを投げてもすぐ戻ってくる。しょうがないので大嫌いなハンドクリームのツボを置いてみたが、はたき落として戦い、結局テレビの前に戻るのであった。なんでこういうことをするのか。
きのう藤井聡太先生の八冠記念特番を見ていて、大変疲れた。2時間テレビを観るというのはこんなにつらいのか、と思った。
特番の途中聡太くんのおやつの時間になり、コマーシャルが挟まったらすぐ行こうと思ったらなかなかコマーシャルが流れなくて聡太くんは不貞寝の体勢に入ったりした。それでもどうにかコマーシャルでおやつを用意し食べさせた。
おやつのササミを用意しているあいだ、聡太くんはひたすらニャーニャー騒いでいる。細かく割いてやらないと食べづらかろうとスプーンで細かくするのだが、「いいからはやくくわせろ!」と騒ぐのである。困ったやつだ……。
困らされるのが楽しいというのは末期の猫奴隷だろうか。