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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2025/2/18

 きのうはたまちゃんの命日だったので、夕飯にカツオのお刺身を食べた。亡くなる前の日にたまちゃんが食べたがったような「脂がのっている」ステッカーなどは貼られていない、ふつうのカツオのお刺身であったが、それでもおいしいものはおいしい。
 興味深いのは聡太くんだ。聡太くんは人間が魚を食べていても基本的に「ふーん」である。興味がないのだ、そもそも食べられるとわからないのかもしれない。
 焼き魚のようにいい匂いがするものなら「なんかいいにおいがする」と興味を示したりはする。でも食べたがることはない。焼き魚ならたぶん食べさせれば「あんがいおいしいですねもぐもぐ」と食べるかもしれないが、お刺身は食べない気がする。たまちゃんはお刺身が大好きだったというのに……。
 まあ聡太くんは今朝ちょっとお腹がゆるかった。変なものを食べさせてはいけない。
 そういえば聡太くんは子猫のころを忘れたかのように、三角コーナーや流しの排水口を漁ることがなくなった。「ぼくそういうのきょうみないんで」という感じである。残したキャットフードや鶏肉の骨や魚の骨が捨てられていても漁ることがない。
 さすがお殿様。さすが徳川家光。さすが生まれながらの飼い猫。さすが聡太様。とまあ「悪役令嬢転生おじさん」の「さすがグレイス様!」みたいに言ってみたわけであるが、しかしそれは猫として褒められたことなのだろうか。猫というのはもっとこう、「野生味!」みたいでなくてはならないのではないだろうか。

 聡太くんは野生を捨てているなあと思うときがけっこうある。なによりまずはちょっと鈍臭いことだ。そこも生まれながらの飼い猫、徳川家光ゆえのことだと思うのだが、例えば戸棚の戸を開けて作業しているとき、たまちゃんなら一瞬ですっと入ったはずのところに惜しいところで入れない。
 それに見ていれば食べているか寝ているか、という暮らしをしている。たまに起きてきてボールをドツキ回していることもあるが、たいていどっかしらでスヤ……と寝ている。
 たぶんずっと寝ているのはチョッキンしたゆえのことだと思うのだが、だとしたらチョッキンするって恐ろしいことだなあと思う。いやチョッキンしないでアオーアオー騒がれたりスプレーされたら困るし、チョッキンしていなかったら乱暴で手に負えないと思うのだが。
 ヘソ天で寝ていたりするのをみるたび、猫としての何かを捨てている……と思ってしまう。そういうところがかわいい。
 まあインスタを見ていたら野良猫を家に上げた瞬間野生を忘れた話が流れてきたことがあるので仕方がない。猫というのはそもそもそういうものなのだろう。

ぺろーん。


 聡太くんはとてもフクフクしているのだが、太りすぎではなかろうか、と心配している。
 ゴロンゴロンに肥えているというわけじゃないから大丈夫だとは思うのだが、胴体にくびれがない。果たしてこんなおデブちんで大丈夫なのだろうか。痩せているよりはずっとかいいのだろうが。
 でっかい猫というのは正義である。子猫のころ聡太くんは「動物のお医者さん」のチョビの子犬時代のようにぶっとい手足をしていたが、ほどほどの大きさにしかならなかった。
 それは人間の腕がズタボロになるという理由から、生後6ヶ月で「鈴カステラが小さい」と言われていたのにチョッキンしたからかなあという気がする。もうちょっとホルモンを出させてあげればよかったなあと思うことがときどきある。でも人間の腕をズタボロにするのは勘弁いただきたいと思っていた。
 聡太くんは突如猛獣と化して、ガリガリガリガリ噛んでくる。チョッキンしてもこうなのだからチョッキンしなかったらさぞかし凶暴な猫に育っていたことであろう。人間の都合に付き合わせるのはかわいそうだが仕方がない。仲良く暮らすのが大事である。

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