きょうの聡太くん 2024/11/13
最近聡太くんは満ち足りている。満ち足りているのでカリカリを残すのだが、あとからちりぽり食べるのかなと思うとだいたい無視するので、食器を聡太くんの前においたり、ひどいと手のひらにカリカリをのっけて食べさせたりしている。
そうやって力いっぱい食べさせているせいか、なんというかいつでもお腹いっぱいの顔をしていて、食べ終わったあとよく「げぷ」とゲップをしている。とても人くさくてかわいい。
猫の魅力というのはそういう人くさいところなのではないかなと思う。猫の行動は人くさい。4本足で歩く仲間の犬は前脚を手のように使うことがあまりないので、せいぜい人間の布団で枕を使って堂々と寝ているのを「人くさいなあ」と思うくらいだが(Eテレの番組、「0655」の「いぬあるあるある」より)、猫は一挙手一投足すべてが人くさい。まるで中に小さいおじさんが入っているみたいだ。
なお食べ終わって「げぷ」と言っている聡太くんはちょっとおかしくていいのだが、食べたものを戻さないかちょっと心配だ。
このあいだ聡太くんが自分の布団で寝ているときに、足やしっぽをピクピクさせていた。猫も夢をみるのかあ、としみじみ面白かった。
どんな夢を見ているのだろう。お魚がいっぱい食べられる夢とかだろうか。それとも人間から見て気持ちよさそうに見えるだけで、足をピクピクさせるということは、モー(蒙古襲来、転じて遠くからくる災いを意味する秋田県の方言)に追いかけられている夢を見ていたのだろうか。
たくさんお魚を食べる夢だといいなあと思う。幸せであれ、健康であれと思う。夢を見るなんて人くさくてすごくいい。猫という生き物はたいへん愉快だ。
なお「スナドリネコ」でググると猫が泳いでお魚を追いかけている、猫が見ているたのしい夢みたいな画像が出てくる。しかも生成AIの作ったものでなくリアルの画像だ。泳いで魚を追いかける猫の仲間というだけですごいのにかわいいのだから猫の仲間は罪作りである。
きのうの夕方、父氏が大相撲を見るべく聡太くんを椅子からどかしたところ、ソファに座っていたわたしの足もとに聡太くんがきたので、「座る?」と声をかけて膝を叩いたのだが、聡太くんは「ちがうー」という顔をして乗っかってこなかった。
もしや、とソファに横になってみせたところ、「そうそうそれですよ、よくわかってますね」と足の上にどっこいしょしてきた。なんだお前〜。
人間を完全にアゴで使っている。あのちっちゃいアゴに毎日命令されているのだ! 口の中が見えそうなくらいちっちゃいアゴに!
聡太くんは比較的アゴが大きいか舌が短いからしく、舌が余ってはみ出していることはほとんどない。でもベロチラは猫あるあるらしいので、油断すればやるかもしれない。
なお聡太くんの舌は超ザラッザラである。なめられるととても痛い。父氏は毎晩顔をなめられているそうだがやっぱり痛いらしい。ちょっと面白い。
どうして人間は、人間の言葉で返事をするわけがない猫に、「どうした?」とか「なになに?」とか話しかけてしまうのだろう。
以前聡太くんにおやつとしてササミを与えていたころ、手から食べさせていたら軽くむせたような音を立てたので、「どうした?」と声をかけたのだが、聡太くんは猫なので「ちょっとのどにつっかえました」とか「かたくてのみこむのがちょっとむずかしくて」みたいなことはぜったいに言わないのだ。なんで「どうした?」と訊いたのか。
犬や猫に「どうした?」と話しかけてしまうのはあるあるらしいのだが、だとしてもなんでだろう。どうもしないのだ、そのとき聡太くんはただむせただけなのだ。
もしかしたら人間は犬猫に人間語で返事をされるのを期待しているのかもしれない。でも海外の人もご当地の言葉で犬猫に「どうした?」と訊いたりするのだろうか。ちょっと気になる。
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