きょうの聡太くん 2024/2/16
きのうの昼、母氏が推し活遠征から帰ってくると、聡太くんは「ぼくをおいてききにいったすみのはやととやらは、さぞかしぴあのがうまいんだろうね」とでも言わんばかりに少しよそよそしい態度で母氏の匂いを少しかいだあと、「さみしかったよう」と母氏にベタっと甘えにいった。
猫というのは飼い主が少し留守にして戻ってくるとちょっとよそよそしい態度をとるような気がする。犬なら「わーいかえってきた!! ごしゅじんさまだ!!」となるのだろうが、猫の場合スン……というリアクションをしたあと、「さみしかったよう」を始める気がする。
で、そのあと夕飯の支度をしている時間帯に、おそらく聡太くんがもとと思われる異臭が家じゅうに立ち込めた。粗相したのか、スプレーしたのか。本人からは匂いがしない。ファンヒーターの温風直撃地点にいても匂わないからだ。
なんというか珍味コーナーの匂いを悪臭にしたような匂いだ。聡太くんの口だろうか。家じゅう匂いを嗅いだがさっぱりわからない。そして夕飯を食べてしばらくして、匂いの元凶がわかった。
聡太くんがずっと座っていた、母氏のエプロンが臭っていたのだ。おそらく聡太くんについていた匂いは本人が舐めて消してしまったのだろう。匂いだけが残っていた。スムース・クリミナルであった。
夕飯のあと、聡太くんはもしかして慣れない匂いのする母氏に匂いをつけたかったんじゃないか、という話になった。ホテルのアメニティの匂いとか、ホテルの寝具の匂いとか、そういう匂いだ。
いまは入院中のいつもの獣医さんによると、猫も肛門のわきから最後っ屁ができるらしい。そこから出た匂いではないか。
猫というのは臭わない生き物だと思っていた。匂いをかぐと陽だまりやポップコーンの匂いがするのが猫である。ただ出すものはちょっと臭う。
それに聡太くんはチョッキンしたとはいえ男の子だ、ナワバリを主張したかったのかもしれない。
まあエプロンの洗濯で済むのだからそれでいいのだ。「お前〜!!!!」案件ではあったがこれくらいかわいいかわいい……ということになったのだった。
そういえば、この間我が家に維新號の肉まんあんまんセットがデンと届いた。親戚がよくおつかいものとして送ってくるのである。
そのお返しに、母氏は秋田市で「おばこなひでこな」という有名なお菓子を買ってきたので、早く渡しにいこう、ときのうの昼すぎにその親戚の家に向かった。
その親戚の家にはずいぶん前からコーギーがいて、そのコーギーさんはたいへんお利口でかわいい、ただし声のでかいコーギーさんなのだが、さすがにもう十何年前の話なので生きているか不安に思いながら親戚の家に到着した。
昔なら犬用のドアを開けて歓迎してくれたのだが、出てこなかったので生きていてもヨボヨボなのかな……と思っていたら、親戚いわく「やっと寝たところ」だったらしい。食べかけの犬用ごはん(ドッグフードでなく手作りのもの)が置いてあったりして、とりあえず生きていることは生きているようだった。
コーギーさんは17歳になったのだという。親戚によるとちょっと前に膵炎をやって、獣医さんに何度も何度も連れていったそうだ。
その話を聞いて、やはり聡太くんのために積み立てをしたほうがいいのでは……? と思った。ずっと考えていたのだ、なにか聡太くんのためにできることはないかと。
聡太くんもいずれ歳をとる。インスタでたまに見る「ミケちゃん25歳」のようなかくしゃくとした歳の取り方をするとは限らない。この先どんな病気を拾うかわからないのだから、備えておく必要がある。
さすがに最近テレビでよく見る投資をするには知識がないので、ただの積み立てにしておくつもりではあるのだが、それでもできることはやっておきたいと思うのだ。
障害年金をもらっている人間がなにを生意気な、とは自分でも思う。でもちゃんと、「聡太くんのお母さん」業を全うしたいのだ。来週の月曜、行けそうなら銀行に行ってみようと思う。