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きょうの聡太くん 2025/1/16
きのうの午前中、聡太くんが退屈している顔をしていたので、新しいボールを出してあげた。
聡太くんは「たのしいたのしいたのしい!!!!」と大はしゃぎして、茶の間じゅうをドタバタドタバタ、高いところから低いところまで走り回って、たいそうご機嫌さんであった。
いっぱい遊んでお腹が空いたのか、いつも「ぼくこれいらない」とやっているサプリメントのかかったカルカンパウチもモグモグモグモグ食べた。ペロッと食べた。腹が立つくらいきれいに食べた。なんだお前。
なおボールはどこかになくしてしまった。どこにやったんだろう。
きのうは絵画教室であった。行ったところ先生は「きょうくる日だって忘れてた!」と言い、あわてて教室兼画材展のスペースにストーブをつけていたのだが、夜にうっかり猫軍団のうちひとりを教室に閉じ込めてしまったそうで、UNKOを粗相したのがそのまま残っていた。
そこで初めて、わたしは「よその飼い猫のUNKO」を見たのだが、それは聡太くんのUNKOよりずいぶんモリモリっとした感じで、UNKOというよりDAIBENという感じのブツであった。いや同じだけど。
やはり聡太くんはお腹繊細くんなのだなあ、と思った。お腹すこやかおキャットさまへの道は果てしなく遠い気がする。
絵画教室で絵の具をペーパーパレットに出していると、先生がいないときに猫軍団いちのヤンチャ者が近づいてきてペーパーパレットに登ろうとしたので、「だめだよー」と言ってしばし抱っこしていたので、帰ったら聡太くんが嫉妬から悶絶するのではとちょっと期待したのだが聡太くんのリアクションは「ふーん」であった。ちょっと寂しい。
そして聡太くんはあくまでも天上天下唯我独尊を貫いており、よその猫というものに興味がないということがわかった。犬だとどうだろうか。犬好きの親戚が新手の犬を飼い始めたらしいので実験したいのだがなんにも用事がないのだった。もし行くことになったら犬のおやつを持っていこうと思う。
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聡太くんが茹でササミを「ぼくこれいらない」と無視するようになった。
人間も食べたい茹でササミをなぜ残すのか。探検隊はアマゾンの奥地へと向かわなかった。
とにかくいらないらしい。断固拒否している。しかしきのう試しにひとつまみ「ほれ」と手からあげてみたら「あんがいおいしいですねもぐもぐ」と食べて、皿からも少し食べたので、味を思い出して食べるかな? と思ったらそれ以上は食べなかった。
食べないのでとうぶんササミはあげないことにした。栄養はカリカリとカルカンパウチで取れているからだ。「ささみをください……」という顔をするまであげないつもりである。
なにか聡太くんに与えるのにちょうどいい食べ物はないだろうか。ちゅーるとかが妥当なのだろうがちゅーるは脂のカタマリなのであげたくない。いただきもののおやつはことごとく拒否、断固拒否した。この贅沢おキャットさまめ。
きのうは寒かったので、聡太くんはずっとストーブの前にいた。人間の膝よりストーブがいいらしい。床に寝そべったりテーブルの上で溶けていたりしたのだが、人間が夕飯を食べている真っ最中にテーブルの上でデロデロに溶けたのはさすがに困った。
テーブルの上で溶けたので食器やノンアルの缶が追いやられ、わたしはすみっこで食べざるを得なくなり、とてもきゅうくつだった。
なんというか、かの消えた漫画家・内田善美の名作「空の色ににている」の、主人公の布団に飼い猫が入ってきて「チィお前態度でかいね」と同じ感じだった。「聡太お前態度でかいね」である。
聡太くんはすこぶるでっかい、巨大猫とは言わないが大きな猫だ。どん! とテーブルの上で溶けられるとたいへん邪魔だ。
あるいはこれがよその猫と遊んできたことへのあてつけだったのだろうか……?