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きょうの聡太くん 2024/12/17
きのうも聡太くんはなかなか食べようとしなかった。
なんでだろう、具合でも悪いのだろうか……と思うのだが余裕で神棚によじ登るし噛むし、具合の悪そうな様子はない。インスタで見かけた「お腹が張って元気がないから獣医さんに連れて行ったらお腹いっぱいで眠いだけだった」みたいな様子すらない。元気そのものの動きをしている。
しょうがないのでカリカリに猫用かつおぶしをパラパラとかけてやったところ「これおいしいですねもぐもぐ」といった塩梅でぜんぶ食べた。単に味の問題なのだろうか。カリカリがおいしくないのは容易に想像できることである。
ついでに言うとおとといキャットフードに砂をかける動きをしたのは、食べるのが面倒だっただけかもしれない。「ぼくこれいらない」というのを言いたかっただけではないのか。
なんにせよちゃんと食べてほしいところである。「ぼくこれいらない」じゃないのだ。ちゃんとカリカリを食べてちゃんと栄養を摂ってほしい。最近太り気味ではあるものの。
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ちゃんとキャットフードを食べていただきたいところではあるのだが、おいしいものをたべてうまうま……としている姿も見たい。あまり変なものをあげるとお腹を壊すのでやっちゃいけないのだが。
きのうの人間の晩ごはんはサバの焼き魚であった。聡太くんは焼き魚に興味がないようだった。まあ仕方がない、そういうふうに育てたのだから。でも「なにかいいにおいはする」と思っていたらしいのはしっぽを真上に立てていたところをみるに間違いない。
でもサバを盗もうとはしなかったし、そういうところはお利口さんである。
しかし、である。聡太くんはおととい人間が食べていたコンビニのクリームどら焼きをかすめようと頑張っていた。どうしてそういうことをするのか。納得がいかない。お魚よりクリームが食べたいのだろうか。謎は深まる一方である。
冬になると庭木が葉を落として鳥が見やすくなる。
きのう聡太くんは父氏の椅子の背もたれによじ登り、シジュウカラを見てでっかい声で「ヒャンヒャン……ヒャンヒャン……」と騒いでいた。わたしはこの、猫の「ヒャンヒャン……ヒャンヒャン……」が好きだ。
なんでもこれは母猫が子猫に狩りを仕込むときの鳴き声だと聞いたことがあるのだが、そうなるとオス猫(ただしタマはない)の聡太くんがそれをする道理が通らない。これはきっとおいしくなさそうなものばかり食べている人間に対して「ほら、たべられるものがきたからたべなさい」と言っているのではないだろうか。
本当のところは本人しかわからない。猫は常にミステリーである。
父氏の聡太くんへの愛が止まらない。母氏が言うには「おとーさん、『聡くん夜寒くないかな』と言ってたよ」ということだった。どれだけ可愛がっているのだろう。愛が止まらない。
男の友情ということなのであろうが、あまりにも聡太くんのことを溺愛していてちょっと怖い。この間なんかどこに座ろうか考えている聡太くんをみて、父氏は自分の膝をぽんぽん叩いていた。膝にきてほしかったのである。これを愛と言わずになんというのか。
聡太くんはよく夜に父氏の顔をなめにいくらしいのだが、そんなことをされても大好きというのは聡太くんの人徳、猫徳? なのか、はたまた父氏が父性愛に目覚めたのか。わからないが仲良くしてやってほしいところである。
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こういう季節なので、母氏や父氏の知り合いからぽつぽつ喪中ハガキが届く。
きのう届いた喪中ハガキを見ていたら、差出人のところに家族の名前を並べ、最後に犬の名前を書き、それに続けて(犬)と書いているやつがあった。なんて愉快なやり方だろうか。いや喪中ハガキだから愉快とか言っちゃいけないんだけど。
こういうのを見ると動物は家族だなあと思う。なにか家族連名で名前を書く機会があったら「聡太(猫)」と書いてみたい。