きょうの聡太くん　2024/12/27

　最近聡太くんは古代ローマ人になっている。なにが古代ローマ人なのかというと、横になったまま食事をするという点で古代ローマ人なのである。
　キリストの最後の晩餐もテーブルで食べていたのではなくみんな寝っ転がっていたとなにかで聞いた。あの時代はローマ帝国が西方世界全体に広がっていた時代なので、おそらく世界のあちこちで寝転がって宴会をしていたに違いない。
　それはともかく聡太くんは横になったまま食べる。なぜか。カリカリやパウチを残して、「ほらカリカリ食べ」とか「ほらパウチ食べ」とか、そういうものを横になった聡太くんに差し出すと「しょうがないなあ……」と迷惑そうな顔をしつつ食べている。きみはいつからそんなに横柄になったんだい。まあ本当のローマ貴族や中国の満漢全席みたいに吐かないからいいのだが……。
　と思っていたらいま思いっきり吐いた。珍しい。なんというか「げっぷしたらそのままぜんぶでた」というようなゲロだった。まあ猫が吐くのは珍しいことではない、吐かなかった聡太くんが珍獣だったのである。
　そういえば続テルマエ・ロマエの新刊はいつ出るのだろうか。ずっと続きが気になっているのだが。

　聡太くんはよく水を飲む偉い子なのだが、きのうあまりにコペコペするので「大丈夫か……？　糖尿とか腎臓病じゃないよな……？」とググったところ、体重１キロあたり６０ｃｃ以上飲んでいたらそれは水の飲み過ぎらしい。
　聡太くんはおよそ５キロあるので３００ｃｃ以上で水の飲み過ぎにあたる。ググったところ慢性の腎不全だとかヤベェ病気がぞくぞく出てきて、ええ……となっていた。
　で。
　きょうちゃんと水の量を測って与えてみたところ、いつもの水の量で２００ｃｃくらいだった。ぜんぜん心配しなくてよかったのである。飲め飲め、水をどんどん飲め。

「きゅぴ……」

　１２月も２７日である。きょうが仕事納めのひともいるのではないだろうか。わたくしは月月火水木金金かつ毎日が夏休みの人なのでそもそも仕事納めが存在しない。我が家で唯一お給料をもらって働いている母氏はあしたが仕事納めである。
　そろそろ大掃除のシーズンだ。期待しているのは、大掃除をしたら聡太くんがなくしたボールが出てくることである。聡太くんはボールなくしの天才なので、おそらく家具の隙間などにボールを押し込んでそのまま忘れているのだろう。聡太くんお気に入りのボールである「銀の弟」の救出が待たれる。
　お正月は地元密着型ホームセンターの初売りにまだ見ぬ多肉植物と聡太くんへのリアルお年玉（要するにボール）を求めて行くつもりなのだが、ついでに猫用の食器も探してみるつもりだ。

　聡太くんが風呂を覗きにこなくなった。母氏が風呂のお湯を抜いていると「なにしてんの？」と行くことはときどきあるのだが、わたしが昼風呂をキメようとしていてもひたすら寝ていて興味なしである。
　思えば子猫のころは人間が風呂場でなにかしていると「なにやってんの？」と好奇心爆発で見にきたものだが、チョッキンしたころからずっと寝ているようになった。チョッキンすると運動量が減るというのはマジなんだなあ……と思ったし、健全な好奇心を摘んでしまった感じもしてちょっと申し訳ない。
　だから風呂から上がって脱衣所で着替えているとき、どこからかカリカリ……などと音がすると「聡太くんかな！？」と期待してしまうのだが、そんなことはないのであった。

スン……。

　聡太くんは父氏の椅子が好きだ、父氏の椅子はほどよくくぼんでいていかにも猫の好きそうなくぼみ方をしている。
　そこが聡太くんの指定席なのだが、きのうわたしがなんとなくソファに寝転がって、「そーちゃんおいでー」と声をかけたが、指定席のほうがいいらしく、微動だにしなかった。
　少しして父氏が２階から降りてきた。聡太くんをどかして自分の椅子に座ったところ、聡太くんは「しょうがないなあ」という顔をしてわたしのほうに来た。この面白いやつめ。