きょうの聡太くん 2024/3/28
きのうは絵画教室であった。絵画教室は先生の自宅でやっているのだが、絵の先生は猫原理主義者で教室にも猫がのそのそとやってくる。
先生の家の猫たちはみんなびっくりするほど丸々と太っている。食べたがるたびに食べさせているかららしい。太りすぎは問題だと思うのだがまあそこは絵の先生の基準なのでわたしがとやかく言うところではない。
絵の先生と雑談をしていて、聡太くんのかかとのハゲの話になったのだが、「別に血が出てるとかじゃないのにエリカラつけるのは過保護じゃない?」と言われてしまった。そして体重の話をしたら「ええっ!? 痩せすぎじゃない!?」と目をむいたのだった。
聡太くんのあばらのあたりに触った手触りとしては「ちょっと痩せ気味」くらいの感じではないだろうか。そしてかかとのハゲの治療を過保護だと言われたのは前回「猫が痩せた気がして心配して動物病院に連れて行ったら体脂肪が測定不能と言われた」と言っていたので盛大なブーメランだと思う。
どのみち人間は猫相手だと程度はさまざまながら過保護になるのだと思う。
それはそれとしてもうちょっと大らかに聡太くんの面倒を見たいとは思った。確かにエリカラをずっとつけているのは可哀想だ。夜には外しているのだが。
しかし聡太くんをチョッキンしたころよく書いたとおり、絵の先生は「猫が好きなシロウト」である。絵の先生が「ワクチンは子猫のころ2回打てば充分じゃないの? アナフィラキシーとかあるらしいよ」とか「ハゲなんて気にしなくていいのに」と言っても、それは獣医さんの見解とは違うわけで、絵の先生が「過保護」と言ってもそれはシロウトの意見であり、獣医さんに言われたとおりに治療するべきだと思うのだ。
まあ絵の先生は獣医さんに連れていってもよくならなかったことがあるらしいので、獣医さんを今ひとつ信用せず自分の経験に基づいて世話をしているのだろう。やはりそれもわたしがとやかく言うところではない。
獣医さんというのはとんでもなく難しい試験を変な語呂合わせを覚えて突破した人たちだ(ソースはかの名作漫画「動物のお医者さん」である)。もちろん態度はさまざまだが選ぶのはこちらなのだから、信頼できる獣医さんがいるならそれを信じるのが筋というものではあるまいか。
きょうも父氏は無限に高校野球を観ている。聡太くんが膝に乗ると重いらしく乗られないようにさまざまに工夫を凝らし、「椅子上の攻防、対局姿をお楽しみください」状態である。父氏は何年か前に膝のお皿が割れる怪我をしたので無限抱っこはつらいのだろう。
きのう聡太くんはとれてしまったふすまの取手を転がしてカランカランと鳴らして遊んでいた。楽しいらしい。
聡太くんが楽しいならわたしもだいたい楽しい。エリカラをつけられないように薄暗いところに隠れるのはやめてほしいのだが、そこは「知恵がついた」ということだ。
しかし知恵がついたならぜったいに嫌いな匂いのするコーヒーの匂いをかぐのはやめてほしい。人間がコーヒーを飲むたびにマグカップの匂いをかいでテーブルの上をサカサカしている。なにが楽しいだろう。猫はいつもミステリーなのであった。