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きょうの聡太くん 2024/9/18

 以前にも書いたかもしれないが聡太くんが新しい競技に夢中である。それは「ボールを母氏のバッグに入れる」というものだ。
 この競技自体は以前もやっていて、だから前置きとして「以前にも書いたかもしれないが」と書いたのだが、最近の熱の入れぶりがすごい。いちばん気に入っている「生き別れの銀の弟」をくわえて、母氏のバッグにそれを入れようとするのだ。
 母氏がバッグを移動させても、つまりムービングゴールポストされても気にせずバッグにボールを入れる。どこにバッグをどかしても一点取れることは変わらないらしい。競技用に、使っていないトートバッグを出してきたがどうしても母氏のバッグでないといけないらしい。
 動きとしてはラグビーのトライにちょっと似ている。もしかしたら聡太くんはラグビー部員なのかもしれない。そう思うといろいろと納得がいく。ちょっと暴れん坊なところがラグビー部員ぽいのだ。いやラグビー部員間近で見たことないけど。
 よその猫ちゃんもこういう謎の競技をしたりするのだろうか。

 きのう、茶の間のソファにかけて読書していたら聡太くんが膝に乗ってきたので、喜ぶだろうとナデナデしたら突如猛獣になってしまった。うるさかったらしい。
 インスタで流れてきた動画で見たのだが、猫というのは人間より圧倒的にアゴが強く、やる気になれば人間など首を噛みちぎって●すことができるらしい。この平和な生き物がそんなことをするのだろうか? と思うのだが、まあ動物園の虎の赤ちゃんなんかを見るとほぼほぼ子猫だし、ライオンが木陰でぐうたらする様子はほぼほぼ猫だ。
 つまり我々人間は、この小さな猛獣と一緒に暮らしているのだ。大型犬みたいな「大型猫」がいないのは人間が勝てないからだという。まさに猛獣だ。
 人間に手加減してくれることを感謝するしかないようである。

 最近ちょっと納得のいっていないことがある。いや最近ではない、父氏が退職してからずっとだ。
 たとえばいつも通りの平日、夕方に買い物から帰ってきて、テレビをぼーっと観ている父氏に「聡太くんUNKOした?」と尋ねると、UNKOしていない、という意味で「いや、大丈夫だよ」と答えることがある。それが納得いかないのである。
 聡太くんは我々人間と同じく生き物だ、生き物である限りUNKOが出るわけで、それは出していても大丈夫なのだ。むしろ健康なブツが出ていればそれほど嬉しくて大丈夫なことはない。
 まるでUNKOが悪かのようにそういう言い方をする。まあ猫のUNKOが強烈にニオうのは認める、しかしなぜ「出していない」という意味で「大丈夫」というのだろうか。
 納得いかない。聡太くんはUNKOまでかわいいのだ。

「あの……ゆでたまごください」


 最近聡太くんは好きなところで勝手に寝るようになった。母氏によると相変わらずお布団潜入をしに来るようなのだが、人間がさあ寝るか、となった段階ではごくごくふつうに好きなところでぐうぐう寝ている。
 以前はボールで誘導して茶の間に入れて寝ていたのだが、今や聡太くんはたいていの引き戸を開けられるので茶の間にしまうのは基本的に無意味である。だから夜のボール遊びはほとんどやっていない。
 勝手に、祖母が使っていた部屋の猫用布団だとか、物置の衣装ケースの上とか古いマットレスの上だとかでぐうすか寝ている。実に自由だ。キャットフードを食べたらあとはどこでも好きな場所に行って寝っ転がり、「おやつだよー」と呼んだときだけ「おやつですか!? おやつですね!?」とてってけてってけ戻ってきて、食べ終わると「ぼくはまんぞくです」という顔で好きな寝床に戻っていくのである。
 これが「大人猫になる」ということか。なんだか飼い主は寂しい。でもボールを投げれば子猫のころのようにバビョーンとジャンプしてボールをキャッチする。子猫であり大人猫なのだ。

 なおこの記事を朝活として書いているあいだ、何回か聡太くんに「あの、ぼーるなげてください」とボールを差し出された。楽しいらしい。

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