版画制作上達の近みち
気がつくと、版画をはじめてかれこれ25年の歳月が経過したのですが、
思い通りに制作がはかどるようになったのはそう遠い記憶ではないような
気がします。
学生時代は師匠がそばについてくれる中、指導に従い安心して制作していた
ものですが、自主制作が増えるにしたがって必ず失敗がつきまとってしまうものでした。
版もインクも単一では販売していないので、購入時はロット単位、インクも缶での購入。画材メーカーはほぼ一強なので単価としては、お米ひと袋よりも高価!
版画紙については1000円札に刷っているものなのです。。。
エッチングなどの凹版については拭き取り作業によって実質、半分以上はインクを廃棄しているようなもの。
本当に心が折れそうに(すでに何回も折れてますが。。)なります。
そんな中、やはり失敗は出来るだけ避けたいですし、イメージにどおりに仕上がって欲しいものですね。
そこでおススメしたい事は失敗の原因を探り、失敗データを蓄積することが非常に大切だと思います。自身は結構、コツコツとしたデータを集めるのが好きなので20代の頃からデータをノートにまとめていました。「夏場のインクつぶれ対策」、「浸し水の酸度調整」、「グランド流し引きのコツ」、「原材料の規格・経済寸法」などなど結構な失敗データを文書として残しており、読み返すとこれが今になってとても役に立つことになっているのです。
おかげさまで師匠の制作や授業、講習会にかばん持ちさせていただく事ができたのはラッキーな事でした。つまり近くで手伝いをさせていただくのですが、次につかう道具などをサッと用意したり、次の工程を図り何をしようとしているのかを判断することによって、身体で学ぶ事ができるのです。
インクの粘り音、スポンジの含水量、ローラーの扱い時の息づかいなど、
近くにいると様々な学びがあります。
そして古臭い話かもしれませんが2食分、食事を我慢した代わりの版画紙を涙ぐましく散らす事も必要なのです。
沢山、失敗をし後悔の念を改心につなげることができますし、失敗した時の無念な気持ちをすり潰す心の鍛錬にもなりますね。
◇ 失敗の原因を探り、データを採る
◇ 技術の盗み方を学ぶ
◇ 清貧のこころで涙をぬぐう
版画制作上達の近道 それは沢山の失敗を経験すること
正直、辛すぎますけど。。。(^-^;。
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