切手のないおくりもの
前回は僕に付き合ってくれてありがとうね。
面と向かってじゃ絶対あれは言えないだろなー
でも伝えておきたかったから、
もしもの時のメッセージって事で受け取って。
でも諦めてはないから。
悪あがきを続けてみるよ笑
今日こそは僕に優しさを教えてくれた人の話をするね。
この話は僕が高校をドロップアウトした頃の話がメインになる。
初めて味わう大きな挫折の時の話。
僕は広島県の高校へ野球をしに入学した。
一応俊足好打キャラで
やらしてもらってました〜笑
なーんて、ほざいとこ笑笑
でも高校へ進学しても発作は良くなる事はなかった。
原因も当時ははっきりせず、辞めなければならなくなった。
寮生活をしていた為、全部荷物をまとめて実家に戻る事になった。
ガキながらに親を心配させたくないとでも思ったんだろうか。
ものすごい元気なフリをした。
落ち込んだ様には見えたと思うけど落ち込んでないフリをした。
両親は「もっとへこむかと思った。」
なんて僕に言って来た。
この時点で僕の勝ちだ。
一本。
ちょっとでも誤魔化せたならいいか。
昼間は両親も妹も家に居ない。
その時にとことん悔しがればいいや。
誰にも見せたくないし。
ただこの状況で
1人だけ
僕の誤魔化しが通用しなかった。
その人は次の日、
昼間に大量のポップコーンを持って来た。
大皿にてんこ盛り。もう、山。
味は塩胡椒ふりふりでしょっぱいし辛い笑
濃い味好きだったもんね笑
料理してる姿見た事ないから、
唯一の得意料理だろう。
得意料理がポップコーン?笑
待って、めっちゃおもろいやん笑
ちょっと脱線させて笑笑
A「あなたの得意料理はなんですか?」
B「肉じゃがです」
C「卵焼きです」
D「ポップコーンです」
A.B.C「(΄◉◞౪◟◉`)」
イレギュラーすぎんか?笑
はぁーあ笑笑
しょーもなって思ってる人居るだろうから
この辺でやめとこ笑
話を戻すね。
その次の日、
「何しょーるや?遊び行こうやー」
次の日
「運転したいけくるか?ドライブじゃ」
また次の日
「カープしょーるぞ。
ええ加減勝たにゃーいけんけぇなー」
またまた次の日
「おーい、グランドゴルフやるか?」
そんな毎日の繰り返し。
一日も僕をほっとく事無く
何かしらで声をかけてくれた。
常に笑顔で
皆んなが帰ってきたらしれーっと
いつものあなたに戻る。
だからその時のあなたは僕しかしらない。
僕にしか見せなかった。
粋な人だね笑
小さい時も
「これやろう、食うか?」
「これ気になるんか?酒ぞ?
ほれ、飲んでみー笑」
「ええのー、それ。使わんならくれー笑
こりゃあええ!」
明るい人だった。
あなたの振る舞い全てが
心温まるものだった。
僕が苦しんでた時、
常に声をかけ続けてくれて、
新しいチャレンジする時は自分のことのように応援したり喜んでくれた。
あなたから僕は
“人に寄り添う優しさ“を学びました。
それはただの優しさじゃない。
あなたは僕が発作でおかしくなり始めた少し前から糖尿病を患い、透析に通っていたね。
週3日。
透析帰りはいつもしんどそうな顔してた。
でも僕が高校辞めてから
あなたは一切その顔を見せなくなったね。
絶対しんどかったはずなのに…
ゆっくり休みたかったはずなのに…
あなたは僕の前では笑顔で居続けた。
たくさん寄り添ってくれた。
“人に寄り添う優しさ”
を教えてくれたと同時に
“人を笑顔にさせる方法”
まで教えてくれた。
誰かがしんどい時こそ自分は明るく居よう。
それが周りをどれだけ変えるか。
どれだけ明るい気持ちになれるか。
心が救われるか。
僕はすごい助けられたよ。
みんなには当てはまらないかもしれないけど
僕はあなたの血が少しあるから
それを大切にして、
前に歩いていくよ。
じいちゃん。
伝えるの遅くなってごめん。
僕に寄り添ってくれてありがとう。
向こうの暮らしはどんな?
これもまた運命なのかな?
残酷なもんで
じいちゃんとの別れは突然なものだった。
じいちゃんの容態の一報を聞いた時
僕は学校に居た。
授業の休憩中に母親からの電話。
電話越しに聞こえる母親の震えた声。
ショックでしかなかった。
その日が金曜で
次の週は1週間の休みがあった。
不幸中の幸いってやつだね。
すぐに帰ると決めた。
1番に教室を出て、
走って新大阪まで行って、
汗だくになりながら新幹線に乗った。
嫌だよ、嘘って言ってよ…
前会った時はあんなに元気で
散歩してたじゃないか…
カープの帽子にサングラスで、
「おーい」って手を挙げて、
僕らに挨拶してたじゃんか…
病院に着くと、
じいちゃんは居た。
ちょっと専門用語使うね。
診断は「脳出血」
もう意識も無く、微動だにしない。
舌根沈下もしていて、
呼吸も死戦期呼吸だった。
じいちゃん、まだ俺さ
あの時のお礼してないよ…
早いよ…
まだ沢山話したい事あったのに…
また、ポップコーン作ってよ…
そのまま帰らぬ人となった。
葬式の時、
火葬の際に棺の中に故人の好きな物などが入れられる。
じいちゃんの好きな歌手のCD
病気で辞めたタバコ
バスの運転手の勲章である帽子
そしてお気に入りのカープの帽子
僕はその時、
「サングラスを入れなきゃ!」
小さい時よく見ていた。
じいちゃんがバスや車を運転する際につけてた
赤レンズのサングラス。
あなたのトレードマークでもあり、
僕らにとって思い出のサングラス。
よく貸してって言ってつけて遊んだものだ。
「それを入れるんだ!!入れないと!!!」
でも…
サングラスは探しても出てこない。
家中のありそうな所全部探した。
出てこない。
見つからないならしょうがないよ。
そう言われて渋々諦めた。
葬儀が無事終わり
数ヶ月後、僕の光過敏性てんかんが発覚した。
そして僕はサングラスが必要となるのはご存知の通り。
初盆。
じいちゃんが久しぶりに家に帰ってくる日だ。
もちろん僕も帰らない訳がない。
そして実家に帰ってお墓参りに行くと
ばあちゃんから
「サングラスが見つかったんよ」
「え?…」
「あの時結構探したのにね、今出て来たんよ」
嘘だろ…?
じいちゃん…。
偶然にしては出来過ぎてないか…?
どこまで優しいのさ。
どれだけ僕にしてくれるんだよ。
してもらいすぎだよ。
僕はお礼なんもできてないのに。
あなたが肌身離さずつけてたじゃないか。
トレードマークじゃないか。
本来ならあなたが持ってくべきものだよ?
どこまであなたは優しいんだ…
優しすぎるよ。
思い出のサングラスは
僕にとって“特別なサングラス”になった。
赤レンズのサングラス。
イカつめのティアドロップ。
それでいいなら、僕はそれをつけたい。
でも面倒な身体になっちゃったから、
僕がつける事はできないけど
大切に預かっておくね。
またじいちゃんに会いに行く時にさ
一緒に持って帰るよ。
もちろんあなたが僕にしてくれたように
笑顔で会いに行くよ😁
笑ってる方が楽しいもんね。
できる事を頑張っていくよ。
楽しみにしててね。じいちゃん。
あなたがくれた「切手のないおくりもの」
実際に
「切手のないおくりもの」
って歌があってさ。
不幸で実家に戻った時よく聴いてた。
まさか、本当に「切手のないおくりもの」を
残してくれるなんて…
そんなん思ってもなかったよ。
本当に粋だね。
そんなじいちゃんに「切手のないおくりもの」の一節を送るよ。
〜〜〜〜〜
「切手のないおくりもの」
別れゆくあなたに
この歌を届けよう
寂しい時に歌ってほしい
遠い空からこの歌を
〜〜〜〜〜
今年は結構僕の中では辛い年で
家族との別れ
病気を突きつけられた現実
今皆んなと一緒に居れないこと
折り合いをつけなければならなくなるかも知れない事
今まで辛い事色々あったけど。
群を抜いて今年は辛いかも…笑
でもじいちゃんも辛い中笑顔で頑張ってたもんね。
結果はどうなるか分かんないけど、
僕も笑顔で頑張るよ。
人は2度死ぬって聞いた事ある?
1つは肉体的な死。
もう1つは忘れ去られ人の記憶からなくなった時に起こる死。
1度目は変えられない事実だけど
もう1つは防げるよね。
絶対に僕は忘れない。
ずっと僕の中で生きてるよ。
あなたの孫である事を幸せに思います。
また、会いにいくね!
今の僕があるのもじいちゃんのおかげ。
たまに優しいねって言ってくれる人いるけど、
僕の中では当たり前の事や自分がやられて嫌な事をしないようにしてるだけ。
今思えばじいちゃんもこんな気持ちだったのかな?
とことんあなたの孫で良かったって思うよ。
次は情に熱い彼の話をしようかな。
ぶっ飛んでて、
クセしかなくて、
3世紀前を生きてるような奴笑
ほんでとても面白い。
マジでぶっ飛んでる、群抜いてる笑
性格も僕と反対だし、
仲良いのが本当に意味わからん笑
けど、彼と居ると不思議と心地いい。
彼も僕を助けてくれたんだ。
大体の人は言葉で助けようとするんだけど、
まぁ、時間取らないし楽だからね。
彼は違った。
彼は“行動”で助けてくれた。
これも彼らしいって言えばらしいね笑
言葉<行動
かな?笑
僕はだよ?笑
僕はこれにすごく助けられたから
もし大切な人が辛い思いしてたら
行動してあげてよ。
それにやりすぎとかないから。
そこで動けるって事は
それだけ想ってるんでしょ?
カッコいいじゃん。
僕ならそんなに人の事想える人と仲間で居たいな。
中々居ないからそんな人。
僕もそうなれるように頑張るよ。
僕も一応彼を助けた事あるんだ。
でも彼はまた僕を助けてくれたから
一個貸しがあるね笑
お互い挫折を経験してて
僕はまだまだだけど
彼は立ち上がってる。
今も尚、彼は突っ走ってる。
真っ直ぐなやつなんだよ。
今日はこの辺で
毎日を大切に過ごすんだよ。
戻れたら笑顔で戻るからね。
うるさいなんか言わせないよ?笑
我慢した分、騒がせろっ!笑
そして色んな話聞かせて。
じゃ、またね
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