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ジョンヒョンの音楽CDに対する思い

今日はついにソロとしてデビューし、初のミニアルバムであるBASEを発売するときに音楽CDの市場について危機感を抱いていたジョンヒョンの話を書いてみます。
2015年のお話です。
※和訳は拙訳です。

アルバムレビューを書いてくださるたくさんの方々に感謝いたします。
僕の音楽を聴いてくださる全ての方々に、お言葉に甘えて一つお願いを申し上げるなら、音楽事業に携わっている一員として死にゆく音盤市場にもどかしさを感じています。

僕も変化していく流通過程に慣れて、CDで聴く音楽を少しずつ忘れていきました。
アルバムを準備しながら繰り返し考えました。
『制作者がリスナーたちにオンラインで聴く音楽とCDで聴く音楽の違いを想起させなければいけない』と...

そんな意味でCDでだけ聴くことができるクッキートラックを作りました。
世の中は変化したし、それをわかっているので、このような市場の状況でリスナーたちがオンラインストリーミングとCDで聴いたときの相違点を制作者が提示しなければ、結局は音盤市場は消えると思いましたし、

それであまりにも愛する、このアルバムのピリオドだと考えている曲をオンラインでは公開しません。
今、公開されている曲たちを気に入ってくださったなら、このアルバムのピリオドも共にしてください。

時が流れたらCDというものは消えるかもしれません。
それが不憫ならどうか納得せずに共にしてください。
そして、消えゆく音盤市場を蘇らせる努力を汲んでください。
もう一度、レビューを作成してくださった全ての方々に、僕の音楽を聴いてくださった全ての方々に感謝いたします!

文で書いてみると、まるで僕のアルバムを買ってほしいみたいに読まれるかもしれないですね..
全然そんな意味はないですよ。
もし皆さんの気に入った歌が、歌手がいるなら、アルバムも一緒に愛してくださったらという話でした^^
僕のアルバムにも関心を送ってくださったらいいですね♡

クッキートラックの意味を尋ねる方々が多いですね!
映画が全て終わってクレジットが上がっていくと出てくる映像、それをクッキー映像と言うじゃないですか?
そこに着目しました。ㅎ
アルバムのトラックが全て終わったと思ったとき!
アルバムのエピローグとモノローグを込めた一曲がさらに出てきたそうです。

音楽CDの市場に対して危機感を抱いていたことを話してくれたけど、発売直後の雑誌でも話してくれていましたよね。

音盤で聴いたときだけ得られる楽しみを久しぶりに思い出されました。
音盤を買わなければ聴くことができないトラックを作りましたが、露骨的に音盤を買わせようとする意図はありません。
認めるのは嫌だけど、音盤市場の状況はかなり良くないです。
音盤市場に属する、共にする人間として悩むようになりました。
駄目なことを知っているのに何もしないのは嫌なんです。
誰かがクッキートラックのような小さな楽しみがあるのを見て音盤を買ってくれたらという想いで作りました。
こんな小さな努力が音盤市場の復興に繋がるのであれば本当に嬉しいことだと思います。

DAZED & CONFUSED KOREA(2015年2月号)

韓国では音楽を聴くスタイルは圧倒的にストリーミングだけど、そんな中でもCDで音楽を聴く楽しみについて考えてくれました。

音楽は目に見えないけれど、それを目に見えるカタチとして楽しませてくれるのが音楽CDなんじゃないかと個人的には思っています。
そこには写真だったり絵だったり書かれている歌詞だったり、ジャケットに使われている素材から手に取ったときの重さや感触までも楽しめたりしますよね。

何より、初めてパッケージを開封するときの高揚感。
音楽の楽しみは耳で聴くことだけじゃないんだと教えてくれたのは、レコードやカセットテープ、そしてCDなんだと思っています。
ジャケットやブックレット、ディスクのレーベルのデザインも含めて、アーティストが見せたかった世界がぎゅっと詰まってますもんね。
その世界観が音楽を聴く上でより大きな喜びや楽しみを引き出す気がします。

これからの世の中はどんどんストリーミングに移り変わっていくのだと思いますが、CDでもリリースすることの意味を考えていたジョンヒョン。
CDだけに収録されている曲があるときはもちろんのことだけど、CDはアーティストが目には見えない音楽を目に見えるカタチでプレゼントしてくれたんだと思って、大切にしたいアルバムならCDも買いたいと思います。


この記事はわたしが2018年11月に書いたものですが、ここからは2022年11月のわたしが追記いたします。

ジョンヒョンが危機感を抱いていたのは2015年の話です。
日本はまだサブスクリプションサービスの話がまだそんなに出ていなかったと思いますが、韓国では既に音楽のサブスクリプションが充実していましたので、一般大衆はストリーミングで音楽を聴いていて、音楽CDの市場は縮小していくばかりという状況でした。

時は移り変わり、今の主流はストリーミングに移っているのは誰しも予想がつくと思いますが、全米レコード協会 (RIAA) によると2021年は音盤 (Physical) の売上が前年と比較して伸びたんですよね。

2021年のCDの売上金額は5億8400万ドルになり、前年比21%増。
米国でCD売上が増加するのは2004年以降で初めて17年ぶりの記録。
アナログレコードの売上金額は2021年に61%増の10億ドル。
CDやアナログレコードなどのPhysicalの出荷数も前年比で55%増加しているそうです。
Physicalにはミュージックビデオやおそらくですがカセットテープなんかも含まれると思います。

2020年は対面販売が制限されたことからレコード店の多くがクローズし、コンサートなどの公演もキャンセルになったりで、販売機会損失の影響はありそうですが(RIAAのレポートを読むとそんな感じっぽいです)、2018年から2020年はさほど売上金額は変わらないものの、2021年に大きく伸ばしていました。

今の主流である音楽ストリーミングも高音質となり、CDは死にゆく媒体になるのかもしれないと2018年のわたしも思っていましたが、2021年は持ち直しています。

ジョンヒョンは「時が流れたらCDというものは消えるかもしれません」と言って縮小していく音盤市場に対して危機感を抱いていましたが、少なくとも2021年はそんなことはなかった。
よかったよかった。

しかし、レコードの売上がCDを上回る時代が来るとは思わなかったですよね(個人的な驚き)。

それでは、またお目にかかります。